見出し画像

日記⑥:その時の有り難みを、その時に実感し、その時に感謝を伝える

過去から現在へ、時間は流れ、今になって有り難みを感じることがある。過去の出来事や他人の言動に対して、自分の立場や考え方が変化してから、初めて感謝できることがある。

「あの時のあの人の言葉や行動」は、時空を超えて、その有り難みと感謝の念を生じさせる。当時、心から感謝を伝えたつもりでも、本当の有り難さは、現在やっと理解できる。

お世話になった人と、いつどのような形で会えなくなるかは予測できない。最後に直接、感謝の気持ちを伝えられることもあれば、手紙等で間接的にメッセージを届ける場合もある。どのようなタイミングや形式であれ、気持ちを伝えることは大切なことだ。

しかし、他人にとっても、自分にとっても感謝を伝える最も良いタイミングは、やはりお世話になったその瞬間に限るだろう。伝えそびれることもなければ、その時の感覚のまま、気持ちを伝えられる。

後々、その出来事を思い返して、本人に伝えることも物理的には可能だ。しかし、それでいいとは思わない。ほとんどの場合、人間関係は主体的な関係性とはほど遠い、環境によるものだからだ。一般的には、学校が同じ、職場が同じという理由で人は関わっている。

後で思いを伝えようとしても、その人の人生は既に変わってしまっている。もう"あの時"のその人ではない。時間の構造を理解している人、"今"を実感にしている人は、それが分かるだろう。

人は変化し続ける。物理的な身体も精神的な感情も、記憶も全て変化する。だからこそ、お世話になったその時に感謝の気持ちを伝えなければならない。

とはいえ、上にも記したように、今になって有り難みを実感する時もある。その場合は、その気持ちは、今関わる人に対する言動の源泉となる。あの時に助けてもらったことを、今度は自分が”今”関わる人々に提供する。それで気持ちが清算されることはないが、少しは納得できる。

そう考えると、自分の言動は全て自分の勝手気ままなエゴイズムによるものなのだろう。一見人のために行動しているようで、実は自分のために行動している。自分が納得することを基準に、物事を考え、行動している。

ただ、過去にそのような経験(有難みを今になって認識する)をしているのであれば、日々の人との関りに感謝できる。日常の有り難みを感じられる。

他人に対して、その時の有り難みを、その時に実感し、その時に感謝を伝える大切さをようやく理解した21歳の今日この頃だ。

2022年2月15日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?