きっと
2021年1月1日の盛岡の朝は
白くて硬くて冷たくて静かだった
いつもより優しくアクセルを踏んで
いつもより緩やかにブレーキを踏んで
特に意味もなく街を横切った
2020年もまたいっぱい言葉がうまれたみたいだ
三密、ソーシャルディスタンス、コロナ禍
生まれたというよりかは
名前がついたって感じだ
取っ手をつけて誰でも子供からお年寄りまで
扱いやすくするために
説明書は分厚いのに目を通さずステップアップ資料のみで使い続けられるように
武器も増えたみたいだ
匿名なんてSPつけて指先ひとつで
脳天を打ち抜ける世界だ
逆に知らないことには誰も手を触れない
触れないでいてくれる楽勝だ
駅のホームの隅が河川敷が4畳半のアパートが
ショッピングモールのトイレが体育館倉庫の影が
地上数十階のビルの最上階の一室が世界を回している
きっと世界はそういう仕組みだ
知らないところで知ってるものが作られている
きっと世界はそういうことだ
きっとそのうちに死んでいく
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