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設計業界のこれまでとこれから

こんにちは!翔設計広報室です。
第 2 回は、前回に続き代表取締役社長の貴船より、設計業界の過去現在未来についてお話させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

設計事務所は負けた———

1960 年代の高度成長期は、社会全体が豊かになり、ソフト~つまりデザインやプラン、設計~が社会の重要な要素だと言われ、設計屋の提案を社会が面白がって受け入れた時代でした。しかし、1980 年代にインターネットが普及して世の中が複雑になり、さらにはバブルがはじけたことで、事業性が悪いものは潰れていき、日本の社会そのものが貧しくなり、経済的にも、ソフトを評価する気持ち的にも、余力がなくなりました。

建物においても、事業性と大衆性を追求する時代に突入しました。その最たるものがマンションです。デベロッパーがどんどん建てて、若い世代がローンで買う。かつては、中高年齢までコツコツと貯めたお金でやっと家(一戸建て)を大工さんに建ててもらうような時代でしたが、若い世代が住宅ローンを利用して買う時代になり、効率的に低コストで住宅を作れば売れる時代になったわけです。今や戸建住宅も、工業化住宅(※)が 8 割を占めているという現状です。
(※工業化住宅:例えばプレハブ住宅のように、工業的に進んだ技術を生産に適用し、品質確保と画一化が図られたような住宅などを指す)

四角い箱型の建物がひたすら整列されている

そういう大量生産の社会の中で、設計というソフトの力は勝てませんでした。単なる設計が網羅する範囲は、あまりにも狭かったのです。
ハードでは大きなお金が動くので、まずはハードとしての建設会社が川上にいて、設計は川下に追いやられ、力を持てなくなりました。

さらに日本は、「設計がいいからお金を出す」という仕組みになっておらず、坪単価と立地だけでビジ ネスが決まっている状態であり、投資または融資の額は、土地に対しての事業性で決まります。「良い設計だから融資が増える」というような流れは決してありません。

すると、あとはエンドユーザーの能力になります。しかし、良いものを高く買うほどには日本の社会が成熟しておらず、大衆性のあるものを大量に作った方が儲かるので、住宅ビジネスではデベロッパーがマンションを量産していきました。そこでは、設計者はただの「図面描き」でしかなくなったのです。

図面制作イメージ


設計屋の未来

もちろん図面を描くという業務は必要です。そういう意味では、今でも翔設計は設計者を産み出し、売り上げの半分近くを図面制作が占めています。

例えば図面制作の仕事を受注したら、ただただ図面を描いたらいいのです。そこには事業性も、マーケティングも、不動産の知識もいらない、ノーリスクの仕事なのです。

これは確かに業務としては成り立っていますが、そこに将来はありません。面白くないし儲からないから誰もやらない、という希少価値が出てくる可能性はありますが、この仕事は近い将来 AI に置き換わるか、海外に流れていくかもしれません。
それでは、設計屋に未来は無いのでしょうか。何かに活路を見出していかなくてはなりません。少なくとも、ただ図面を描くだけでは明るい未来が待っているとは言えないのです。

だから私たち翔設計は変わり続けています。従前の「設計会社」という概念を超え、単に図面を作成するだけではなく、課題を解決する建築設計コンサルタントとして、様々な能力やスキルを高めています。

マンションの大規模修繕工事におけるコンサルティング業務においては、業界のパイオニアとしてマンション管理組合の課題を解決してきました。
また、行政機関・教育機関・社会福祉施設等においても、長寿命化をテーマ とした課題解決コンサルタントとして業界を切り拓いています。

次はどう変わるのか?!
これからも変わり続ける。
それが翔設計です。
(次回に続く)

その先の未来へ

(広報室)
いかがでしたか?
次回のテーマは、「翔設計のいま、そしてこれから」です。
お楽しみ!

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