見出し画像

猫にかまけて


大分に少しだけ帰っている。
仕事以外はほとんど別府にいた。
どしゃどしゃの雨が降って、持ってきていたパンプスも、サンダルも、濡れにぞ濡れた。
まるで怒っているような雨。

年始に訪ねた時は臨時休業していたぎょうざの湖月へのリベンジに成功した。
金、土、日のみの変則営業になっていた。
切り盛りが大変そう。潰れないでほしい。

雨に降られて、福岡に戻れなくなった韓国人と相席になって、今日は諦めて別府に泊まるのだとか、博多までタクシーで帰ろうとしている友人がいるのだとか、ぎょうざのタレ出しすぎちゃって申し訳ない、みたいなたわいもない会話を、拙い英語で繰り広げた。
お互いがお互いの母語でない言語でのコミュニケーション。


タクシーの彼は、本当に福岡までタクシーで帰ったのだろうか。すごくexpensiveだし、impossibleだと思う。とか言って、へらへら笑っていたけど。もう、その真偽を知る由もない。

さようなら。嘘みたいな大雨の日に、偶然出会って、もう二度と出会うことのない人たち。


東京に帰る。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?