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8月12日 石巻市 大雨

Reborn-Art Festival

その日の牡鹿半島の雨風はビニール傘をあっという間に壊してしまって、名和晃平の鹿のオブジェにたどり着く頃には、着ていた洋服は何もかもずぶ濡れで、茶色く濁った泥水が足にまとわりついて、いったい何をしにここに来たかも分からなくなるほど、一日中、殴るように、怒るように、それは降っていた。

震災の後何もなくなった大地と、それと同化した様々な人達の意思が、ダイナミックなうねりのように、佇んでいた。
いくつかの鑑賞を諦めて帰途に着いた次の日、嘘みたいに仙台は晴れて、あの時の雨は半島の幻だったのではないかと、思わずにいられなかった。


#rebornartfestival

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