メーテーフリーク


1日が24時間で終わってしまうのは、人間の身体の構造上、それくらいの単位で睡眠、食事、入浴&排泄、といった生命維持活動を行わないとしんどいのだろうなと思うので、まあ納得がゆく。

しかし、私の1週間が、5日の労働と2日の休日で成り立っているの、これはちょっと、わざとらしいものを感じる、というか、社会的な規範の中で生きることを強いられているな、という感じがする。

4日労働して3日休む。
このくらいが、私の中では最適なパフォーマンスが出せるのでちょうどよいのだけど、実際はそうもいかないので、たまの連休とか、あんまり消化できない有給休暇とかを挟み挟み、なんとか5日間をしのいでいるというのが現実である。

5日間の終わり、金曜日の夜に呑むお酒が、最近はたまらなく美味しく感じるようになった。

金曜日のお酒は、オンからオフへの、スイッチのようなものだ。
5日間、社会的な肩書きを背負って、頭と身体をしゃかりきに動かして、組織の一部として機能していた自分に、アルコールはやさしい。

お酒はお疲れさまを具現化した液体だ。
脳に身体にダイレクトに流れ込んでくる、労いの液体。

救いの神さまは、ある時はスパークリングワインの泡、ある時はロックで飲む果実酒、またある時は、きんと冷えた日本酒のかたちをしている。

身体の芯がじんじん熱くなって、くにゃくにゃになって、言えなかった言葉だって、すらすら出てくる。
無意識にこわばっていた心が解けて、スターを取ったマリオのごとく、無敵のような気持ちになる。

酒は呑んでも呑まれるな、という言葉があって、なるほどそれは勿論そうです。と思うのだけれど、たまには、こちらから呑まれに行きたい、と思うことだってある。

金曜日の酔いが覚めて、ぬるぬると明けた土曜の午前中をかいくぐって、日曜の昼あたりまで、しゃかりきに遊んで、また5日間を迎える、その前夜の日曜日。それが今。

オンからオフへはお酒を飲めば簡単に切り替わるのに、一度オフになったからだをを再びオンに切り替えるのは大変だ。
私はまだ今のところ、オフからオンへ切り替わるための効果的なスイッチを見つけられていない。

お酒と対になるような何か。
私を、月曜日からおだやかな気持ちで職場に送り出してくれる、何か。

だいたいの人と同じように、月曜日なんて永遠に来なければいいと思っている。
でも月曜日が来なければ、最高の金曜日も永遠に来ないのだ。

働いてなくたって、生きるって、ただでさえせわしない営みだ。

オン、オフ、明滅して。
しゃかりきになったり、くにゃくにゃになったり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?