24.08.15 網走/指輪物語

思ったことの箇条書き、時系列順。
網走を旅行しながら、指輪物語を読んでいるので、両方が混ざっています。どちらとも関係ないことも思ったりしている。


猫は薄明薄暮性らしい。早朝と夕方、日が薄ら昇ったり落ちたりしてるとき。この時間に外にいると、旅行だなと感じる。

ホビット庄の近くにはエルフが昔作った塔の廃墟がある。山の上にあり、そこからは遠くの海が見えるらしい。この塔、話に出てくるだけで誰も行かない。主人公のフロドも行かない。フロドはもっと遠くに旅をするし、他のホビット庄に住む人はホビット庄から出ない。でも多分この話に出てくるホビットは、全員一人残らず、なんとなくぼんやりエルフの塔を眺めたことがあるはずだと思う。

星のカービィ64でミニゲームに失敗すると「カイショウナシ」と表示されるのをふと思い出した。「カイショウナシ」を当時知らなかったので、調べてなんかめちゃくちゃ怖い言葉でびっくりした。そんなこと言うなよ。

羽田行きのバスは満員。大人が補助席に座っていた。大人が補助席に座るイメージない。

映画でフロドは30歳の誕生日と共に旅立ったが、原作では20年間ホビット庄で暮らした後、50歳で旅立っていた。映画は2時間に収めるために、空白の時間を全て省いている。俺の人生が映画としたら、今日は間違いなく省略される。ていうかごっそり消えてなくなる。

寒い。女満別空港から網走へバスで向かう途中、刑務所(Prison)というバス停があった。

網走神社、山奥の小さな神社。きっと夢に出てくる。

網走の中心街で歩行者天国にして夏祭りをやっていた。小中学生が客層のメインで、祭りとして正しすぎるなと思った。出店が沢山あったが、かき氷だけがなかった。ウミネコの鳴き声が騒がしかった。ウミネコ、本当に笑っちゃうくらいうるさい。

昼飯。ステーキとウニいくら丼のセット。商店街にあるお店。異様に店内が暗い。異様に店員のおばちゃんが明るい。

「マクドナルド網走店。学生の集まりのみでなく、ママ友との息抜きにもぜひお立ち寄りください」というバスアナウンスが流れた。それは本当、そうだよね。

自然に囲まれたところにあるロッジ風の喫茶店でふいに猫砂の匂いがして、家のあかまるが気になってしまった。木の屑の匂い。

オホーツク流氷館展望台、天に召されて塵と消えてしまった。これを見にきた。謹製さんのツイートを見てきたのだった。ホンモノの俺は召されたので、今の俺はニセモノです。よろしくお願いします。

今日はひたすら歩いた。セミの鳴く声もして完全に夏の風情なのに、涼しくて無限に歩ける。子供の頃の、最大気温30度とかで大騒ぎしてた頃の東京の夏にタイムスリップしたみたいだった。

ガンダルフはきっと作者のトールキン自身なんだろう。明るい話題の時も、暗い話題の時も、黙ってるときも、いつも楽しそう。中つ国の中にいることの多幸感が隠せていない。

夕飯はいくつか目星をつけてたんだけど、3店くらいに断られてしまった。最初の店は「空いてないすね」の一言、次の店は「お盆の時期は帰ってる人も観光の人も多くて…」と。3店目は「この時期は予約しないと厳しいですよ…でも隣の店は空いてるらしいです」と少しずつ情報が増えていってゲーム味があった。

その空いていたお店は、若い夫婦が切り盛りしてて、多分お店として若いから評判が聞こえないだけで、何食べても美味しかった。急にちょっと嫌な言い方してしまうけど、バタバタと料理しながらこっちに気持ち良く話しかけてくれるの、めっちゃ「仕事」だと思った。この人は今すっごく仕事していて、それが上手いなと思った。俺は仕事で出世したいとかいう欲が絶望的にないんだけど、気持ち良く仕事がしたいし、あいつの仕事気持ち良いな!と思われたいの欲だけある。それをなんかもう一度認識した。頭がいっぱいで溢れそうになったとき、どれだけゆっくり優しくしゃべれるかだけが俺の仕事の指標なんだと思う。

北海道に台風は来ない。旅行中にTwitter見てる時点で失格かもしれないが、台風のツイート見て、ああ俺旅行してるんだなと思った。

フロドは今のところ、物語を進めるため、説明するためだけのセリフしか吐いていない。彼はいつフロドになるのだろうか。

学生の頃、コンマダンテのコンビニのネタ、「俺コンビニのバイトの練習したいねん」→普通にコンビニバイトの業務をこなす→終わって「ありがとう、付き合ってくれて」というネタが好きだった。このネタのおかげで漫才それ自体の解像度が上がったと思う。漫才の歴史上必要なネタだったのでは?とまで思う。でも、このネタは漫才それ自体にとって重要なネタだったと思う反面、コマンダンテにとっては毒にも薬にもならない不要なネタだったのかもと思うことがある。

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