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「SLOW MOVE」9

SLOW MOVEの展示が終わって1ヶ月よりもっと過ぎ、SHOP編集ではゆうこさんの「kakimochikun2021夏」が先週から始まりました。
のろのろ続けていたSLOW MOVE連載もこのあたりで終わりにしたいと思います。

一応連載ということにしたので、ゆるくでも毎回つながりにあるようにしたかったけど、あまりそうならなかった。
と、思いながら8回分読み返したら、大体は自分のうまくできないことについて書いていた。特にそうしようと考えていなかったけれど、なんかそうなっていた。
確かに思い返せば連載の途中から、自分の暗い話ばっかり書いているような気がしてきて嫌だなぁと思うようになっていたんだった。そしてもうちょっと明るいことが書きたいと漠然と考え始めたら書き進めるのがどんどん難しくなっていた。

うまくできないことはたくさんある。
SLOW MOVEは「コロナになってからの生活」ということを出発に企画した展示だったけれど、コロナになってからの生活でわたしが抱いたのは、自分は社会との接点が薄すぎてコロナの影響がものすごく少ないのではないかという、世間でみんなが抱いている(ような気がする)不安感とは逆をいくような(気がする)感情だった。
影響が少ないこと自体はいいことのはずなのに、それよりも社会と接点を持てずふわふわとしているような自分が猛烈に悲しく、そもそも自分でもよくわかっているうまくできなさをコロナによって一層突きつけられた気分だった。
影響がたくさんある、という人の方がわたしよりずっとこの世にはっきりと存在している気がして、うらやましいような気さえした。そしてそう思う自分が嫌だった。
そもそもそういうことではないのだ、そういうことではないはずなのだけど。

そういう中でもSLOW MOVE という名前で本や展示を作って、少しずつ目に見える形にしてみれたのはよかった。
区切りをつけながらやる、というのが今の自分にとっていいやり方だと最近思っていて、答えが出ないことも、今のところはこの考え、今のところはこの形、というふうに、最高じゃなくても今出てきた何かをよしとしてあげるのが進み続けるには大切なのだと感じる。
そういうこともわかったSLOW MOVEなのだった。
SLOW MOVEに来てくださったみなさん、それからここを読んでくださったみなさんありがとうございました。
わたしはこのようにして作ったり書いたり、そういうことで明日、また明日と一歩一歩進めるような気持ちです。
かきもちくん展もこれからのSHOP編集も楽しみにしてもらえたらうれしいです。


〜〜〜〜〜

寝て起きるとまた0から始めなきゃいけない感じがする。
わたしはその再起動を明日起きてちゃんとできるか、いつも自信ない。
それを想像すると気が重くて夜なかなか寝ることができない。
そんなことをしていると当然のように朝が苦手になり、わたしにはほとんど朝の存在がないけれど、朝がある人の朝はいいものでありますように、しょうがなく起きてる夜がある人の夜もなるべくいいものでありますように。
永遠が怖いように感じたら、自分で勝手に区切りをつけていい。
布団に入る時のように。
そしてまた次の日続きをする。
それから続いてない全く新しいことをしてもいい。
おやすみなさい、またあした。


星野


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