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【ネタバレ】運び屋

【運び屋】

見た後の脱力感がすごかった。今までにないくらい涙が出た。やっていたことは法を犯すことだったが彼の生き様、佇まい、立ち振舞いは脱帽だった。尊敬とはまた違う、本当に様々なことを身をもって経験してきた挙動だと感じることができる。

アールは何を想って運び屋をやっていたんだろう。

鑑賞中、常にその疑問が浮かんでいた。
最初は薬を運んでいるなんて気づいていなかった。そこは分かる。もう90歳だし、そこを察知するアンテナはもう持ち合わせていなかった。

3回目の運び屋で気付いた時に綺麗に足を洗えばよかったのに。

長い人生を歩んできたアールなのに金の亡者になってしまったのか。でもそんな感じもしない。残された人生、戦争を経験してきた身にどんなことが降りかかろうとアールはアールであり続けた。

彼自身も至る所で後悔の念を口にしていた。最後の最後でようやく妻、家族と分かり合えた。

男はいつまでも子供なのかもしれない。90歳になっても度々間違っていると気付きながらもまた間違えてしまう。間違えることそのものが人生なのかもしれない。

人生に正解なんてないし、あったらたまるかと思うけれどまさにそう感じさせられた。アールの生き方が正しいか正しくないかなんて誰が決めることなのか。
もちろん法は犯したけれど法の中で収まらないアールの人間性を感じた。

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