見出し画像

横浜FC戦レビュー        カケルオモイ

久しぶりに晴れたホームでの一戦。配られたハリセンを大人と子ども、女性と男性、そして自分も無我夢中で叩いていました。決して良い状況とは言えない順位でも、フットボールを心から楽しみチームの勝利を願う。  

湘南ベルマーレとはそういったチームだと改めて感じることができました。この前のスタジアムの雰囲気はとても居心地が良くて、どこか暖かい。きっと一生忘れない試合だと思います。

そんな一戦を振り返っていきましょう。

横浜FC予想スタメンとスタメン

画像1

画像2

スタメンは予想通りでした。注目のブローダーセンとサウロミネイロは揃ってスタメン。ベンチメンバーも渡邉が入った部分以外は合ってましたね。チームの好調に引っ張られて選手の能力が引き上げられている気がします。特に瀬古なんかはキャプテンシーや球際での迫力が目に見えて成長していますよね。湘南はどうやって個人の強さを止めていくのかが重要となる試合でした。

湘南ベルマーレ予想スタメンとスタメン

画像3

画像4

こちらの変更は2人。タリクがスタメンに復帰しました。タリクの運動量やサポートは目立つことこそ少ないですが非常に重要です。心強い選手が戻ってきてくれましたね。そして左のセンターバックには山本を大抜擢。個人の強さが光る横浜FCに対して、山本はベテランらしい冷静な対応と攻撃での意外性のあるアイディアを期待できる選手です。楽しみでしたね。

判断とやり切る姿勢

横浜FCは中盤で引っ掛けてからのカウンターが大きな武器としてあります。なのでここで手間取ってしまうと相手の思う壺なんですよね。ここは最悪飛ばしてもいい。前線にウェリントンがいるのでそこにつければなんとかなります。そしてそればっかりになってしまうと鳥栖戦と同じくガス欠になってしまいます。保持をしつつ中盤はピッチの判断で飛ばす。これが45分通してできていましたね。素晴らしかったです。

画像5

そして両チームウィングバックを採用しているのでマッチアップが激しくなります。ここはシンプルに対面の相手との勝負。拓也と畑は運動量多くプレスもかけたことで相手を押し込むことに成功。そしてビルドアップでは山本と広教が高くワイドに開くことで横浜FCのプレスが機能せず。横浜FCはロングカウンターが中心となり自分たちの形が作れず長い距離を走り消耗していきます。 そして長いボールが来るのであれば待ち構えてカバーするのが得意な大岩の特徴が活きます。攻撃もやり切ったことで横浜FCのカウンターもほとんど発動せず。相手の状況を見てシンプルにやることで優位を取った。   ここ最近ではかなり現実的で素晴らしい判断のできた試合展開でしたね。後半もこのまま…

画像6

画像7

切り替えること

湘南は後半もやることは変えません。横浜FCが前半より前から来ましたがそれすらも想定内。前から来たのであればある程度繋ぎは捨てて前に蹴っても問題なし。それを回収する方が前に進めますからね。しかし前半早々に右サイドを松尾のスピードで破られます。少し嫌な流れ。ここ最近はミスが失点に繋がっています。その嫌な予感が的中。広教が中途半端に次の選択肢を持たずにコントロールしたことで松尾に掻っ攫われます。山本がなんとか絞るもそのまま決められ失点。広教に関してはちゃんとやる事を決めてコントロールしないといけませんね。まぁあのミスは後ろにいる以上やってしまうミスではあります。僕はその後普通にパスを出せるところを蹴り出したのが良くないと思いました。チャレンジしてアグレッシブに縦を意識するのが広教の良さ。それをミスしてからは出せなかった。そこで切り替えられずに弱気になるのはミスをするより良くない。そこを含めて広教には今後も期待したいと思います。

画像8

貫くこと

いつもだったらまた同じ流れかとなったかもしれません。でもすぐに拓也はボールをセットして、山田直輝はベンチから声を出して、谷はディフェンス陣に切り替えを促していました。そう、誰もまだ目が死んでいない。崩されたわけでもガス欠したわけでもない。まだ湘南は闘える。ここで投入したのは大橋、山田直輝、高橋諒。サイドは横浜FCも交代があったので運動量で負けないために。そしてこの試合のキーポイントとなる中盤の運動量を保つために山田直輝と大橋を投入。反撃開始です。

画像9

おさらいしましょう。横浜FCは中盤で奪っての個人技とサイドの運動量を活かしたカウンターが中心。しかしサイドはうちとマンツーマンになり出て行けず。押し込まれたことでサウロミネイロ頼みのロングカウンターしか攻撃の形がなかった。うちはブレずに繋げる時は繋ぎ攻撃もウェリントンに当てて攻め切ることを意識した。いつものように位置や動きをずっと意識しているわけではないのでガス欠はしません。そして交代のタイミングが重なり横浜FCの足、特に中盤は完全に止まりました。山田直輝がそこをつきます。上手く動けていない広教を高い位置に送るために後ろでの繋ぎに参加。右サイドで数的優位を作ると3人目の動きで良い位置に入ります。意外性のある早めのクロス、ウェリントンが中で潰れる、待っていたのは大橋。落ち着け、大丈夫だ、湘南のエースはお前だ。今までの反省を活かすかのような浮かせたシュートで同点。何も特別なことはない。今までやってきたことをチームでも組織でも出せた、そんなゴールでした。かつて湘南の監督を務めた人が途中出場をした選手はチームを助ける動きをしなければならないと言っていました。心からサッカーを楽しんでいた少年はチームを背負う10番となりチームを、広教を助ける動きをしてくれた。あとは勝つだけだ。

画像10

One Bellmare

今日はスタジアムの雰囲気が良い。いろいろ意見は違うかもしれないけど、湘南が勝ってほしい。その部分はみんな同じ。その想いをハリセンでピッチに伝えている。大岩のクリアも、拓也のプレスも、平岡のドリブルも、サッカーを見たことがない人なら良さがわからないかもしれない。でも僕たちは知ってる。ここまでずっと闘ってきたから。谷が上手く時間を使えるようになったことも、聡がとんでもない成長を遂げていることも、畑が何度もスプリントしてくれていることも。何気ないプレーに拍手が起こり選手はやるべきことをブレずにやる。 コーナーキック。蹴るのは足を攣りながらも懸命に動いている拓也。ふわっと上がったボールにいち早く反応したのは途中出場の町野。そのボールは湘南の10番の元に

画像11

魂のヘッドはコースを変えてゴールへ。何も特別なことはしていない。横浜FCの足を止めて良い位置を取ったことでゴール前に侵入できた。動きを止めなかったからどんどんボールが出てきた。そしてあとちょっとの僕たちの後押しでねじ込んだゴール。チームが1つになったとても大切なゴール。勝利まであと一歩。

共に闘う

途中出場で入った舘はクレバーにカバーを繰り返し裏を取らせず。久しぶりの出場となった山本も読みが光り決定的な場面を作らせない。アディショナルタイムは7分谷が倒れて時間を使う。町野と大橋が懸命に前線でキープをする。山田直輝はボールを奪い相手に攻めさせない。そしてついに…全員が闘った試合が終わった。  2-1で湘南の勝利。美しい試合ではなかった。それでも心の動く最高の試合だった。緑と青の勇者たちが挨拶に来た。みんないい表情をしている。

画像12

応援することは決して強制じゃない。サッカーより大切なことなんていくらでもある。でもこの試合で重大なミスをした選手が泣き崩れ、前日に大切な人を亡くした 選手がその想いをピッチで表現して、ただひたむきに、泥臭く勝利を掴んだ。自分はこれに勝る喜びをまだ知らない。このチームより良いチームをまだ知らない。  このチームを少しでも後押しできて、力になったと言ってくれるのならこんなに嬉しいことはない。久しぶりのラインダンス。初めてで上手くいかない選手もちらほら。ラインダンスは後の5試合で覚えればいいよ笑。 最後まで一緒に闘おう!

画像13


まとめ

やるべきことをやって相手の状況を見て判断したからこそ後半優位を取れたしガス欠もしなかった。ピッチの熱い想いに反して山口さんは現実的な戦いと落ち着きのある選手を入れてギャップを作った。1試合通してブレない姿勢は山口さんのおかげです。

本当にお疲れ様。そしてこの勢いをそのまま残り5試合にぶつけよう。勝ってJ1に残るぞ!

画像14

公式サイト

https://www.bellmare.co.jp/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?