学生インターンはVCで何をすべきか?

皆さんはじめまして!Skyland Venturesのインターンアソシエイトの松本と申します。
今回は #SkylandNewYear という、アドベントカレンダー企画で記事を書かせていただきました!1月8日まで毎日VCで働くメンバーのコンテンツが発表されるので、是非Skylandの公式ツイッターなどをフォローしてみていただければ!
(Twitter : https://twitter.com/skylandvc ) 

■この記事を読んでほしい人

  • 今学生で、VCでのキャリアに興味がある人

  • VCインターンをこれから始める / すでにしている人

  • Web3に興味がある学生 

最近、新卒でVCに入りたいという人を良く見ます。確かに僕自身も新卒でのVCを魅力的に感じて、4年生の7月にSkyland Venturesにジョインしました。

しかし、そもそもインターンを受け入れているVCはとても少なく、その中でも公募をしているところは数えるほどしかありません。そこでVCインターンに興味がある方に向けて、僕がインターンに参加した経緯、やっていること、やったこと、そしてこれからVCをしたいと思っている方におすすめしたいことなどを記して行きたいと思います。

■自己紹介

私は慶應義塾大学の4年生ですが、丸一年間休学をしています。暗号資産のメディアを運営する企業でインターンとしてメディアディレクションをやりつつ、同社がNFT事業へピボットするタイミングで、自社開発プロダクトのアシスタントPdMを担当していました。

ここでリサーチやプロダクト開発をしていく中で、Web3、すなわちパブリックブロックチェーンを利用した分散型Webの面白さに取り憑かれていきます。

メディアディレクターは基本的に、記事の構成を考えてライターさんの管理を行うのが仕事ですが、自分で記事を書くこともよくあります。私はそんなとき、技術やビジネスに関する情報を調べるのが面白すぎて人の何倍も時間がかかってしまうようなタイプでした。 (少なくともメディア編集者には向いていなかったのかな、と感じます笑) 

■志望動機

前述の通り私はWeb3に興味を持っており、当時から必ずこの業界は今よりずっと大きな市場を形成すると考えていました。しかし、自分自身で革新的なアイデアを考えたり、市場に影響を及ぼすプロダクトを開発することは、圧倒的な知識や行動力、更には相当な運の力を味方にしなければいけません。冬の時代を生き残るプロダクトはほんの数%であり、そこに自分がいるという想像は、周りに起業家もおらず、ビジネスのビの字も知らない自分には出来ませんでした。

そこで考えたのがVCとしてのキャリアです。VCは1社だけに自分のリソースをつぎ込むのではなく、沢山の事業に向き合い、分散的に関わることが出来ます。Web3というギャンブルにおいて一点賭けを行うのではなく、万遍なくいろんな事業を見て、その波に乗れるVCは自分にとって魅力的だと感じました。

また、Web3の世界においては特にVCの存在感が非常に強い傾向があります。VCが市場にお金を投下することで開発者のインセンティブが生まれて、インフラやアプリケーションが充実して行くことが多いからですね。また、チームの素性がわかりにくいWeb3では、入っているVCが企業のブランドにもなっていたりします。

ちなみに、VCという職業を特に意識するようになったきっかけは、元デジタルガレージの宮武徹郎さんが運営されている「OffTopic」というポッドキャストを聞いていたことです。昨年からかなりWeb3の話題も出してらっしゃるので、Web3初心者の方には特におすすめです。

■やっていること

私がインターンで行っているのは、①クリエイティブチームとしての制作活動, ②Web3プロダクトのリサーチ・DD, ③起業家さんとの面談などです。(クリエイティブチームってなんやねん、と思う方への説明はこちらから) 

最初はTwitterの運用、Web3初心者向けのコンテンツの作成など、①のクリエイティブチームっぽいことを中心にやっておりましたが、最近はキャピタリストとしてのタスクがメインになっています。

また、最近では自分で起業を志望している学生に直接会って、ディールを開拓していくということもぼちぼちやっています。起業を考えていてファイナンスを考えている方、是非お話しましょう!

学生キャピタリストって価値だせるの?

おそらく、VCのインターンをしたい方のほとんどは、「キャピタリストをやってみたいけど、知識や経験がないので事業のアドバイスや投資の判断が難しい」と思う方がたくさんいらっしゃると思います。事実私もそうでしたし、今もそこから脱せたというイメージはありません。

そんな自分が思うVCインターンの価値は、よりキャピタリストやGPの人に近いところにいるところだと思います。若い起業家の中にはVCのことを良くわかっておらず、メンバーがどんなことを考えて投資をしているのか、パートナーからのフィードバックをどう活かせば良いのかなど、VCとのやり取りの中で多くの悩みを抱えている方がいらっしゃいます。

そうした方に今抱えている課題などをヒヤリングしながら、パートナーなどに直接相談しています。木下さんは若手の話も良く聞いてくださるので、起業家の方が聞きにくい質問などを請け負ったりすることもしばしばです。

■VCインターンにおすすめすること

仕事柄、ちょくちょく他のVCでインターンをしている学生ともお会いするのですが、授業などで時間がなく、リサーチや雑務などのコミットしか出来ていないという方が結構いたりします。

そこから学べることも多いと思うのですが、個人的には投資業務も経験してほしいと思っています。

もちろん、会社の方針でインターンの内はキャピタリストになれないなどもあると思いますが、それでもスタートアップの起業家やメンバーとのコミュニケーションは是非してほしいです。

人生をビジネスにささげている彼らとの話はめちゃくちゃ刺激になりますし、真剣にそのドメインについて考え続けているからこそ出てくるアイデアに私はいつも舌を巻いています。

またこれは感覚レベルの話ですが、やはり人間には得意不得意がありますよね。VCは起業家に会う仕事ですので、これをガッツリやってはじめて、自分がVCに向いているのか?という問に初めて答えが出せると思います。せっかく時間を使ってインターンをしているなら、是非自分がVCとして活躍できるかどうかを見定める経験をしてみましょう!

■私文×Web3

Web3のような専門的で複雑な技術分野については、我々一般的な私立文系学生にとって非常に高い壁に見えることが多々あります。それも仕方がないことだとは思いつつも、以下二点を抑えた上でしっかりと勉強しておけばバリューを出すことは可能だと思います。
- ① わからないことをわからないままにしない。
- ② 質問ができる人を探す。

①わからないことをわからないままにしない
Web3の事業などについて話をしていると、「松本さんはどんなふうに情報収集しているんですか?」と聞かれることが多くあります。これの答えは至ってシンプルで、「一つのWeb3に関する文章について、全ての単語の意味を答えられるように仕上げる」ことで学習しています。

例えばNFTとは何かを知りたくて、以下の記事に出会ったとします。
NFT(Non-Fungible Token)に関する動向

この記事の中では、メタデータ、IPFS、スケーラビリティ問題など、初めてブロックチェーン技術に触れる方には馴染みの無い言葉が多く使われています。最初は戸惑い、理解出来ないところもあると思いますが、こうした言葉の意味を一つ一つ完璧で無くても理解することによって、少しずつ慣れていきます。 (こうした語彙は今後ずっと見続けることになりますし、VCや起業家同士の会話でも出てきます。)

そしてメタデータについて調べていると更にわからない単語が出てきて、それを調べている内にそれなりにその領域の話はできるようになっていきます。

もちろんホワイトペーパーなど、ちょっと全部調べるのは時間的に不可能なものはありますが、Mediumなどのブログ、ちょっと注目を集めているTweet、企業のピッチデックに出てくる語彙くらいであれば全て理解した上で進められると良いでしょう。

少し面倒な作業ですが、わからないままにしておいてもまたすぐに同じ文言を見ることになるので、逃げる理由も無いかなと思います。

②質問ができる人を探す。
これはめちゃくちゃ重要です。仲のいいエンジニアがいたりすると最高ですね。

正直、Web3に関する知識が体系的にまとまっている場所はかなり少ないと思います。非常に分かりづらい言葉で書かれていたり、ネットには本当かどうかすら疑わしい情報も沢山あります。

ですので、より早く、正確な理解をするには「誰かに聞く」という行動が一番適しています。詳しそうな友人に聞いたり、相互に調べて質問しあえるコミュニティをつくったり、やり方は色々あると思いますので、是非試してみてください。

■2023年の抱負

実はちょっと私的な事情も相まって、「来年の抱負」とか言っている場合ではないんですが…

僕はスカイランドに入って様々な人に出会うなかで、自分の「やりたいこと」、「チャレンジしたいこと」を見つけることができました。来年以降は、自分がこの目標に向けて最短距離で努力できるような日々を送れたらなと考えています!

新年の回では、そんな私の夢についても書いてみたいなと思っているので、是非そちらもご覧いただければ幸いです。

それでは皆さん、良いお年を!


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