【無料公開・上演台本】あなたの0番でいさせて

怪奇月蝕キヲテラエ「あなたの0番でいさせて」作・三浦仁(怪奇月蝕キヲテラエ)

【登場人物】


弦野詩…ツルノウタ(26)音楽の先生。子供の頃の夢はアイドル。愛の従妹。束縛と教育思考の強い親の元で「親に愛されている」と言い聞かせながら育つ。

邑楽愛…オウラアイ(21)アイドル。子供の頃の夢は音楽の先生。詩の従妹。比較的子供の意思を尊重する親の元で「親に愛されている」と感じながら育つ。

【零幕・舞台設定】

弦野家の客間(和室)。
部屋の中央には木製のローテーブルがあり、奥にはグランドピアノがある。
時間帯は昼とも夜ともつかない

【1幕】

弦野、入ってくる
弦野、客人を泊めるため、客間を丁寧に掃除・整理する
予約していた寿司屋から電話が来る

弦野「はい。はい、弦野です。あ、もうすぐ出来ます?じゃあ、取りに行きますので。はい。いえ、弦野、です。つ、る、の。はい、ありがとうございます。お幾らでしたっけ。4万・・・はい、はい」

邑楽、静かに部屋に入ってくる
弦野、視界の隅にそれを捉える。

邑楽「お邪魔します」
弦野「あ、ごめんなさい、お箸とお醤油って頂けます?あ、そうですか、じゃあ・・・十で。十人分。はい、よろしくお願いします」

弦野、電話を切る。

邑楽「久しぶり、詩姉ちゃん」
弦野「・・・愛ちゃん」
邑楽「お邪魔してます」
弦野「・・・おっきくなったねぇ」

弦野、邑楽に駆け寄るもソーシャルディスタンスを保つ。

弦野「・・・髪、短くしたんだねぇ」

邑楽、自分の髪を触る

邑楽「変じゃない?」
弦野「似合う似合う、へぇ~、そっかそっか、へぇ~~~~~~~」

弦野、邑楽の全身を舐めるように見渡す。

弦野「・・もう大人だね。うん。立派立派!」

邑楽、上手い返しが思いつかず、口をモゴモゴさせる。

弦野「一人で来たの?」
邑楽「お父さんとお母さん、着くの明日になるって」
弦野「そう。あ、玄関開けっ放しだった?」
邑楽「危ないから閉めときました」
弦野「ありがとう、先に荷物置いちゃいな」
邑楽「どこならいいですか」
弦野「どこでもいいから」

邑楽、荷物を置く

弦野「ここ、お宅の家族で好きに使っていいから、こんなとこしか空いてなくてごめんね」
邑楽「ううん」
弦野「布団はね、そこ(押し入れ)に入ってる。大丈夫、乾燥機かけたから。おザブ(座布団のこと)は出してるけど、足りないものあったら言って」
邑楽「了解です」
弦野「夜、お寿司取ってあるけど食べられないのってある?」
邑楽「・・・ウニは、ちょっと」
弦野「何、まだウニだめなの。わかった、あのね、私のハマチあげるから、トレードしよ」
邑楽「(遮るように)いやあの」
弦野「何、どしたよ。・・・えっ、ハマチもダメ・・・?」
邑楽「そうじゃなくて、私に気ぃ遣わなくていいから」
弦野「あっ、麦茶持ってくるの忘れた~おバカ、待ってて」
邑楽「手伝います」
弦野「疲れてるでしょ、休んでな。熱中症怖いし、エアコン下げちゃいな」

弦野、出ていこうとする

弦野「(ピアノを指して)調律したばっかりだから、使っていいよ」

弦野、出ていく

邑楽「・・・疲れてるのはそっちでしょ」

邑楽、座布団の上に座り、荷物を開いていく
邑楽、荷物の中から喪服を取り出し、ハンガーにかける
邑楽、荷ほどきをし、部屋を懐かしそうに見渡す
邑楽、ピアノの前に座り、恐る恐るいくつか音を出してみる
邑楽、特に曲は弾かず、そのままでいると麦茶を持った弦野がいつの間にか立っている

弦野「何、弾けばいいのに」
邑楽「居たの」
弦野「うん、いつ弾くんだろー、って見てた」
邑楽「音とかうるさくないかなって」
弦野「大丈夫、この部屋防音にしてるから」
邑楽「贅沢だね」
弦野「お金だけは有り余ってるからね、この家。ねぇ、アレ弾いてよ、得意だったじゃん、パッヘルベルの、えーっと(メロディを口ずさむ)」
邑楽「カノン」
弦野「そうそれ」
邑楽「ホントに音楽の先生やってるの」
弦野「やってるよ、ド忘れしただけ」
邑楽「パッヘルベルが出てきてカノンが出てこないのに?」
弦野「歳は取りたくないものだ」
邑楽「詩姉ちゃんいくつ」
弦野「いくつに見える?」
邑楽「24」
弦野「もうちょい老けてる」
邑楽「25?」
弦野「26。愛ちゃんいくつだっけ」
邑楽「今年22」
弦野「あれ、そっか、もうお酒飲めるんだっけ、しまったビールもっと冷やしとかないと」
邑楽「そんな飲まないから」
弦野「あんま強くない?」
邑楽「苦いの好きになれないんだよね」
弦野「は~、わかった、了解。そうか、愛ちゃんも成人か。早いもんだねぇ」
邑楽「詩姉ちゃん、お祖母ちゃんに似てきてない」
弦野「そう?」
邑楽「うん、喋り方とか」
弦野「喋り方ぁ?」
邑楽「それ」
弦野「どれ」
邑楽「わかんないの?」
弦野「わかんないよぉ」
邑楽「もうそれがそっくり」
弦野「わかんないなぁ」

弦野、邑楽のコップに麦茶を注ぐ

邑楽「伯母さんは?」
弦野「ママ?ママはね、上で寝てるんじゃないかな」
邑楽「ご挨拶しないと」
弦野「あー、いい、いい。休ましてあげて」
邑楽「お疲れ?」
弦野「で、しょうねぇ、お花とかお饅頭とか車とか色々決めないといけないらしくてさ。
あと銀行の口座もなんか手続きしないとお金引き出せなくなっちゃうからなんかどうこうしなくちゃいけないって。パパが来たららどうするか決めるんじゃないかな。ごめんねバタバタしてて」
邑楽「伯父さんは?」
弦野「業者さんのとこ」
邑楽「手伝うことない?」
弦野「大丈夫、ケガでもされたら大変」

弦野、自分のコップに麦茶を注ぐ。

邑楽「詩姉ちゃんの部屋ってどこだっけ」
弦野「あっちの部屋」
邑楽「入っていい?」
弦野「ダメ、散らかってるから」
邑楽「なんだ」
弦野「このウチ最後に遊びに来たのっていつ?」
邑楽「・・・中学の卒業、以来、かな」
弦野「じゃあ6年とちょっとか」
邑楽「お正月くらい来たら良かったな」
弦野「忙しそうだもんね、仕事」

邑楽、触れられたくない話題が出て、咄嗟に言葉が出ない

弦野「あ、今度、卒業するんだっけ。おめでとう、で、いいのかな」

邑楽、咄嗟に言葉が出ない

弦野「テレビでこう愛ちゃんが踊ってるとさ、あー、あれホントに私の知ってる愛ちゃんかな?って、恥ずかしがり屋でずーっと隅っこでちっちゃくなってた子が歌って踊ってあんなスカートふわふわひらひらさせて、ねぇ」
邑楽「大したことないよ、センターから外されちゃったし」
弦野「大したことあるでしょ、これまでずっとセンターだったんだから」

少しの静寂

邑楽「・・・名前変えても、私だって分かった?」
弦野「すぐ分かった。お祖母ちゃんも一緒に応援してたよ」
邑楽「怒ってなかった」
弦野「怒ってはなかったけどね、文句は言ってたよ。『へぇ~、わけぇ娘があんな脚出して風邪ひかねぇのかい』とか」
邑楽「似てないよ」
弦野「これは似てないの?」
邑楽「似てない」
弦野「・・・去年くらいかなぁ。お爺ちゃん死んじゃってからちょっとボケ進んじゃってさ、私のことを愛ちゃん、愛ちゃん、って」
邑楽「そうなんだ」
弦野「うん、施設か在宅介護か相当揉めた。ホントは来月から老人ホーム入るはずだったんだけどね」

少しの静寂

弦野「今もピアノって弾いてる?」
邑楽「全然」
弦野「あれ、こないだ深夜番組で弾いてたじゃん」
邑楽「えっ、あれ観てたの」
弦野「まぁ、ね」
邑楽「あれ下手だから聴かれたくなかったなぁ」
弦野「(ピアノを指して)何なら教えようか」
邑楽「えぇ・・・」
弦野「いつもならお金取るけどね、今日は仕事じゃないから」
邑楽「・・・どうせなら、聴きたい」
弦野「えー」
邑楽「ピアノ弾いてる詩姉ちゃん、一番好きなの」

弦野、嫌々と(内心は嬉しそうに)ピアノに向かう

弦野「リクエストは」
邑楽「なんでもいいよ」
弦野「晩御飯じゃないんだから」
邑楽「じゃあ、あれ。初めてピアノ教えてくれた時の」
弦野「どれよ。・・・ああ、あれか」

弦野、鍵盤に手を置く

演奏:「ヘビーローテーション」(AKB48)

弦野「もう10年も前か、これ。なんだっけ、この曲が弾きたくてピアノ始めたんだっけ?」
邑楽「それもあるけど、楽しそうだったから」
弦野「えぇ?」
邑楽「ピアノ弾いてる詩姉ちゃんが楽しそうだったから、羨ましくて私もピアノ習いたいって言ったの」
弦野「それは嘘だ」
邑楽「嘘じゃないよ」
弦野「嘘だよ」
邑楽「嘘じゃないって」
弦野「・・・ホントに楽しそうだった?ピアノ」
邑楽「うん、楽しそうだったし、楽しかった」
弦野「・・・」
邑楽「ねぇ、もう一曲」
弦野「もういいでしょ」
邑楽「お願い」
弦野「・・・今日はもう疲れたから、また明日」
邑楽「・・・わかった」
弦野「・・・」
邑楽「・・・」
弦野「卒業、するんだよね」
邑楽「うん」
弦野「じゃあさ・・・恋バナ、していい」
邑楽「えっ」
弦野「しよう、しようよ、誰も聞いてないんだし」
邑楽「でも・・・」
弦野「かっこいい人に会ったりしないの、菅田将暉とか、千葉雄大とか」
邑楽「恋愛禁止だから」
弦野「律儀に守ってるの?」
邑楽「ファンの人を裏切れないでしょ」
邑楽「偉いなぁ」
邑楽「それに・・・あんまり、男の人でいいなって思うことないから」
弦野「えっ、わ、贅沢ぅ」
邑楽「そうかな」
弦野「より取り見取りじゃん」
邑楽「選ぶ側に回れるってわけじゃないし」
弦野「じゃあ口説かれたりする?」
邑楽「・・・」
弦野「あるんだ・・・」
邑楽「断るよ、けどね」
弦野「あるんだ」

邑楽、渋々頷く

弦野「誰。芸人?若い人?ひな壇?MC?ダメだよ妻帯者は」
邑楽「違うって、俳優さん」
弦野「こないだのドラマで共演した人?」
邑楽「え、あれも観てくれてたんだ」
弦野「ま、まぁ、流れだけ、ちらっと。イケメンいっぱいいるなぁって」
邑楽「その中の誰かです」
弦野「イケメンに口説かれるってどういう感じ?」
邑楽「うーん、顔は私の方が勝ってるかな、って感じ」
弦野「やだ、イケメン・・・」
邑楽「まぁ、あんまりいいもんじゃないよ」
弦野「どんな感じ」
邑楽「こっちが振ったのに向こうの方がスッキリしてる、みたいな」
弦野「どういう状況」
邑楽「いい思い出をありがとう、的な」
弦野「ああ、なんか目に浮かぶわ」
邑楽「付き合えないって分かったらすーぐ次の子に切り替えるし、ワンチャン狙いでなら私にチャレンジてんじゃねぇっての」
弦野「ヤリモクってこと?」
邑楽「オブラートって知ってる?」
弦野「知ってる、デンプンの膜でしょ」
邑楽「(軽く流して)詩姉ちゃんは、恋バナ」
弦野「出会いがねぇ」
邑楽「居たじゃん、昔」
弦野「ああ、別れちゃった」
邑楽「えっ、なんで」
弦野「ちょっとね、向こうが私の趣味にケチ付けてさぁ」
邑楽「それで終わり」
弦野「残念ながら」
邑楽「絶対結婚するってゆってたのに」
弦野「言ったっけか」
邑楽「嫌になるぐらい聞かされた」
弦野「最初に付き合った人と結婚する妄想をするもんですよ、高校生ぐらいの恋愛ごっこなんてね」
邑楽「恋愛ごっこ」
弦野「そう、『好きだよ』とか『愛してる』とか『かわいい』とか、脊髄反射でパパッて口に出すだけでそれっぽぉく盛り上がれるんだから。あのね、会話で間が持たなくなった時に、他に選択肢がないからって『好きだよ』で済ませるようになったら潮時だよ。違う?」
邑楽「そうなっちゃう前に出来ることは無いの」
弦野「例えば何、どんな」
邑楽「ちゃんと、想ってることを、本音を伝えるとか」
弦野「本音ぇ~?」
邑楽「おかしいかな?」
弦野「そんなの言ったらさぁ、それこそ終わりだよ」
邑楽「・・・」
弦野「本当は思ってることとか、本当は気づいてることとか、そりゃあるよ。あるけど、あるけどね?馬鹿正直に腹割って話すって、下手に告白するより面倒だよ。今の関係が壊れちゃうから出来ない~、ってやつ。同じだよ、同じじゃないわ、余計タチ悪いわ、本当の自分を知ったら絆が深まるとか、相手が想ってること何でもかんでも知ればいいってもんじゃないでしょ。っていうかさ、本音を曝け出すかどうか迷ってる時点でその相手とは
もう終わりにした方がいいんじゃない?違う?」
邑楽「・・・違わないけど」
弦野「けど」

弦野、いつの間にか自分が詰め寄っていたことに気づく

弦野「・・・ごめんね、ちょっと、あの、疲れてるのかも」
邑楽「・・・ごめんなさい」
弦野「ううん、大丈夫、怒ってないし、お説教したわけでもないの、うん、愛ちゃんが悪いわけじゃないから、ごめん」
邑楽「・・・」
弦野「ごめん、あ~、なんだろ、大人げなかったなぁ、うん、もうすぐアラサーなのに、いかんいかん、いかんぞぉ」
邑楽「・・・」
弦野「全面的に、うん、私が悪ぅござんした、ごめんごめん、ぺこりぺこり、だからね、あの、あの、えっと、お寿司、今日のお寿司中トロあげる、私の分の中トロあげるから」
邑楽「・・・」
弦野「・・・ごめんね、責めたわけじゃなくて・・・ごめん・・・ごめんね」
邑楽「・・・」
弦野「ごめんね・・・どうしたらいい?なんでもするよ・・・?」
邑楽「・・・なんでも?」
弦野「うん」
邑楽「じゃあ」
弦野「うん」
邑楽「・・・今日さ、一緒に寝て貰っていい?」
弦野「うん」

長い間

弦野「一緒に、寝る」
邑楽「だめ?」
弦野「いいよ、いいよ。大丈夫」
邑楽「・・・コンタクトずれた」
弦野「直しといで、トイレわかる?」
邑楽「わかる」

邑楽、部屋を出る

弦野「・・・・・・・・・・・・・・・寝る」

弦野、部屋を見渡す

弦野「・・・いやいやまさか。だってご家族も今日ここに泊まるんだし・・・着くのは明日か。ええ・・・?いやでも、寂しいだけだよね。そうだよ、だってそういうことしたら音が筒抜けで・・・この部屋防音だったなぁ。・・・男の人でいい人いない、男の人で、いい人いない・・・。布団はここにある、乾燥機もかけてある、暑かったらエアコンもある、汗をかいたら、麦茶もある。考えすぎか・・・?いや、でも、うん・・・うん・・・よぉし・・・」

邑楽、戻ってくる
弦野、極端に警戒する

邑楽「どうしたの」
弦野「えっ、いや、なんでも?」
邑楽「そう」
弦野「うん」

静寂

邑楽「ねぇ」
弦野「んー?」
邑楽「なんか変じゃない?」
弦野「何が?」
邑楽「変だよ」
弦野「だから、何が?」

静寂

邑楽「・・・見た?」
弦野「え?」
邑楽「見たの?」
弦野「何を?」
邑楽「だから、その、見たの?」
弦野「だから、何を?」
邑楽「カバンの中」
弦野「見てないよ」
邑楽「見たでしょ」
弦野「見てないって」
邑楽「見たんだ」
弦野「見てません」
邑楽「え、ちょっと、ねぇ、見ないでよ」
弦野「見てないって言ってるでしょ」
邑楽「じゃあなんでソワソワしてんの」
弦野「それは・・・」
邑楽「やっぱり見たんじゃん。最悪」
弦野「違うよ、ソワソワしてるのはソワソワしてたけど、カバンは見てないから」
邑楽「ふーん、じゃあさ、どうしてソワソワしてたの」
弦野「えっ」
邑楽「どうして、ソワソワしてたの」
弦野、自分がカマをかけられたことに気づく
邑楽「カバンの中見たかどうかはどうでもいいんだけどさ」
弦野「・・・どうして、ソワソワしていたか」
邑楽「うん、どうして」
弦野「・・・いや、その、一緒に寝る、って、どういう意味かな、って」
邑楽「どういう、意味」
弦野「うん、その、ふつーに添い寝すればいいのか、その」
邑楽「え、何?抱かれるかと思ったってこと?」
弦野「オブラートって知ってる?」
邑楽「デンプンの膜」
弦野「・・・ま、そうですよ、何か変な意味かなって邪推しちゃいまして」
邑楽「深読みしすぎ」
弦野「あ、そっか、そうだよね」
邑楽「うん。卒業するまでそういうことはしないって決めてるから」
弦野「なんだろ、てっきり男の子より女の子の方が好きなのかと思っちゃった」
邑楽「あ、それは本当なんだけど」

弦野、咄嗟の返しが出ない

邑楽「あれ、今のは、オブラートに包んだと思うんだけど」
弦野「いや結構ハッキリ言ってない」
邑楽「ハッキリ言うってのは、その、ネコとかタチとか」
弦野「聞かれたらどうするの」
邑楽「防音なんでしょ」

弦野、二の句が告げない

邑楽「大丈夫、あのね、下心がないってのはホント。寂しいし、こんな日に一人で寝るのはちょっと怖いなって思っただけ。っていうかさ、こういうきっかけ(喪服を指して)で集まってるのに、他人の家でそういうことしようって発想になるの、人としてどうかしてない?」
弦野「そりゃそうだ」
邑楽「そうそう、あと詩姉ちゃんはそういう対象とは見てないから、安心して」

弦野、地味にショックを受ける

弦野「タイプ、じゃない、ってやつ」

邑楽「雑に言えばね、うん。あれ、今恋バナの続きだよね?」
弦野「・・・そうだったね」
邑楽「私の初恋はね、伯母さんだったの」
弦野「え、ママ?」
邑楽「うん。幼稚園の頃だったかな。なんか、親戚の誰かの披露宴で、伯母さんがすっごい綺麗なドレス着てたの。髪もお化粧もバッチリ決めてて、きれいだな~、ってドキドキしちゃって。あ、大丈夫、今は別にそういう目で見てないし、その、普通のお化粧しかしてないときの伯母さんにはそこまでときめかなかったから。それからかな、私、男の人より女の人に興味が出てきて、うん、うん、でも、なんかね、ちょっと今でも会うのは緊張するかも」
弦野「そっかぁ」
邑楽「こういう仕事してると、グループにもそういう子がいてさ、内緒で付き合わない?って誘われたこともあるんだけど、やっぱファンの人裏切りたくないから、卒業するまでその話はナシ、ってことで説得したんだけど、そしたらその子別の子と付き合っちゃって、グループの中でとっかえひっかえ。女なら誰でもいいのかって、修羅場」
弦野「・・・」
邑楽「だからかなぁ、女の人が好きだからって何にも特別なこともないよ。あ、ホント、大丈夫。詩姉ちゃんは男の人が好きだって知ってるし、だから、最初からそういう目で見ようとも思ってないし。もし詩姉ちゃんも私のことが好きだって言うなら話は別なのかもしれないけどさ」
弦野「・・・」
邑楽「詩姉ちゃん?」
弦野「・・・」
邑楽「詩姉ちゃん、どうしたの」
弦野「・・・わかんないの」
邑楽「え?」
弦野「わかんないんだよ」
邑楽「何が」
弦野「今の感情が、その、整理、できないんだよ」
邑楽「え?」
弦野「だってさ、あのね?いい?愛ちゃんはね、親戚なの、私の。で、自分のお母さんに従妹が好意を持ってたって事がちょっと驚きというか意外というか複雑というか、あ、女の人が好きだってのもまぁまぁ驚きはしたんだけどそれはうんなんか本筋じゃなくてねうん、そういうのもまぁまぁ驚いてはいるんだけどそういうもんだと思えばそういうもんだと思うし受け入れられるんだけど、それはもう別に、いいのよ、今のところ判明してる愛ちゃんの事実は愛ちゃんの問題であって私には関係ないんだけど、あのね、でもね」

弦野、漏れ出すように本音を言う

弦野「従妹の愛ちゃんの問題は従妹の愛ちゃんだけの問題なんだけど、アイドルの愛美ちゃんの問題はオタクである私の問題でもあるんだよ、愛美ちゃん」

静寂

弦野「正直さぁ、今ここにいるのは愛ちゃんなのか愛美ちゃんなのか私にはもうわからんのよ。わかる?わかるかな私の気持ち。ずっと、ずっと推してたアイドルの本体が今こうやってべらべらべらべらカミングアウトしてるのを聞いてる私の気持ち。女の人が好きだってことがイヤなんじゃなくて、それをテレビとか卒業発表の会見とか総選挙のステージの上とか週刊誌の独占インタビューとかプロフェッショナルみたいなノンフィクションドキュメンタリーでキラキラ注目を、キラキラ注目を浴びながらセンセーショナルな感じで知りたかったの。それかインスタグラムで何てことないニュースみたいな感じでごく当たり前のことと世間に受け入れられて、そこら辺にいるオタクとして知りたかった。親戚の集まりで従妹として世間話しながら聞きたくはなかった」

弦野、押し入れから「邑楽愛美痛バ」と「邑楽愛美ブロマイド」を丁寧に一つずつ机に並べていく
邑楽、その様子を圧倒されながら見ている

弦野「・・・最初はさぁ、アイドルになろうって、センターに立ってやろうって頑張る親戚の女の子のことを、従妹として応援してるつもりだったの。でもねぇ、君は本当に、この6年で綺麗になりすぎだよ。だめなの、もう、私、従妹の愛ちゃんと一緒に遊んだ時間より、センターで輝いてる愛美ちゃんを推してる時間の方が長くなっちゃったの。この間、センターから外されるって分かって、そのあとすぐ卒業発表しちゃって、だから、今日はどんな顔して逢えばいいかわかんなかった」

邑楽、目の前に置かれたグッズと弦野の顔を見比べる

弦野「でもね、今日会ったあなたは、おっきくなった愛ちゃんだった。従妹の愛ちゃんの顔してた。だから、だからさ、従妹の詩姉ちゃんとしてこのまま何事もなく時間が過ぎちゃえばいいのにって思ったの」

邑楽、弦野の目を見つめる

弦野「でもさ、愛美ちゃんのことを知らないふりするのもどうかな、って、ちょっとだけ、ちょっとだけ世間話をするつもりだったの。そしたら、そしたらさ、辞めとけばいいのに、私の中の厄介オタクが愛美ちゃんのプライベートが知りたくなっちゃって、聞いちゃダメだって思ったんだけど、よしとけって思いもしたんだけど、いや、私たちの愛美ちゃんに言い寄って来る害虫がいるならここで聞き出してネットでボロクソに叩いてやろうって思って、そしたら卒業するまでそういうことはしないってはっきり聞けてメチャクチャ嬉しかった。メチャクチャ嬉しかった、メチャクチャ嬉しかったんだよ」

邑楽、圧倒されながらも真剣に聞く

弦野「私は女の人じゃなくて男の人が好きだし、愛美ちゃんがもし私のことをそういう目で見てくれるなら、私は興奮はしないだろうけどせめて興奮させてあげようと思って、覚悟決めたのに、覚悟決めたのに、ああ、でも勘違いだって分かって、よかったって安心しかけたら女の人好きなのはホントってカミングアウトを受けて、ここで聞きたくなかったよぉ~って思ってたら追い打ちかけるみたいにタイプじゃないって言われて、いや別にそういう目で見て欲しいわけじゃないけどあれはシンプルに傷ついた」

邑楽、圧倒されながらも真剣に聞く。

弦野「・・・でもね、そういうことを、あんまり人に言いふらしたくないことを、私に言ってくれたのは嬉しかった。でもそれはさ、私が愛美ちゃんのオタクだからじゃなくて、私が愛ちゃんの従妹だから、親戚のお姉ちゃんだから喋ってくれたんでしょ。だから、親戚のお姉ちゃんとして嬉しいのと、こんな大切な事をそんな特権階級みたいな汚いやり方で知ってしまったことに対して他のオタクたちに申し訳ねぇ、という気持ちもあって。CD買っても握手会でオタバレするのが怖くて握手券もこんなに貯めちゃって・・・私はさ、テレビの前で応援してるだけの、インスタグラムとツイッターと公式LINEとティックトックをフォローしてるだけの隠れオタクだから・・・愛美ちゃんの一番にはなれないから、愛美ちゃんの一番にはなれなくても、あなたがセンターに立つ前からの、ファンクラブ会員番号0番としてのプライドだけで生きてたから。だから、だから、私は・・・」

弦野、邑楽の目を見て本音を伝える

弦野「あなたの、0番でいさせて欲しかった」

弦野、独白を終えて

邑楽「・・・」
弦野「・・・」

何を言うでもなく、どちらが喋りだすでもなく、「どの顔で」喋ればいいか迷う時間が続く

邑楽「・・・ごめんなさい」
弦野「・・・なんで謝ったの」
邑楽「・・・」
弦野「どうして」
邑楽「・・・私にどうして欲しいん、ですか」
弦野「・・・えっ」
邑楽「気持ちは凄くよく分かった。解らないけど、分かった、受け止めた、ううん、嘘ついた、受け止める、これから。でも、私は、それを聴いて、どうすればいいのか、わかり、ません」
弦野「・・・どう、すれば」
邑楽「私のことをどう思ってるのかは、伝わってるんですよ、感情が重すぎてアレだけど。
でも、それを聴いた私にどうして欲しいのか今全然わかんなくて」
弦野「・・・どうして、欲しいか」
邑楽「気持ちが迷惑、とか言いたいわけじゃないんです、でも、ホントに、それを聴いて、どうしたらいいのかわからない。どうしたいのかもわからない。どうすればこれを言葉に出来るのかもわからない。私はどうしたらいいの。あなたはどうしたいの」
弦野「私もわからないよ」

静寂

弦野「会えると思ってなかった、愛美ちゃんに、この私が愛美ちゃんに会えるなんて、思ってなかった。ホントに会えたのか疑ってるし、さっきまで普通に喋ってたことも忘れちゃったし、さっき自分が何口走ったかも殆ど覚えてない、ごめん」
邑楽「・・・」
弦野「ごめん」
邑楽「・・・あの、ですね」
弦野「うん」
邑楽「・・・どうして私が卒業するか、は、知ってますよね」
弦野「センターに、立てなくなったから」
邑楽「そうです、でもね。それは、」

邑楽、カバンの中からスマホを取り出し、インスタライブを始める

邑楽「えー、すいません急にはじめちゃって。突然なんですけど、配信始めまーす。いえーい、あ、みんなもうこんなに集まってくれてる~、ありがとうございます。今日はですね、皆様にご報告があります。あ、今ね、親戚のお家に来てるの」

邑楽、スマホをスタンドに立てる

邑楽「邑楽愛美より、皆様に、大切なお知らせがあります。その前に、一曲、踊ります。
えっと、曲はどうしようかな」

邑楽、弦野にアイコンタクトをする

邑楽「あ、親戚のお姉ちゃんが弾いてくれるそうなので、それに合わせます。お願いしまーす」

弦野、よくわからないまま、ピアノの前に座り、「ヘビーローテーション」を弾く

邑楽「わん、つー、わんつーさんし」

邑楽、ピアノ伴奏に合わせて踊るも、お世辞にも上手いとは言えない
邑楽、踊り終わる

邑楽「はい、ご報告。ご覧の通り、私ダンス下手です。致命的にセンスない。もう、ね、選抜選ばれ始めの頃は簡単な振りとか、センターに立たせて貰えるようになってからは周りがこう、ステージのド真ん中だからあんまり激しく動かなくていいし。MVは撮り直しきくんだけど、生放送だとカメラマンさんにも迷惑かけたりして。ほら、舞台の立ち位置って、真ん中を基準に0、1、2、3・・・って端に行くほど数字がおっきくなってくから、センターのことを0番って言うんですけど、私はずっと長いこと0番でいたんですよ。
だからさ、センターに居られなくなったら皆に迷惑かけちゃうと思って。だから潔く卒業することにしました。不仲とか結婚とか女優デビューとかでもないです。ファンの皆に嘘つきたくないので、今後のことは・・・これ言っちゃっていいのかな。いいか、実はいま大学通ってて、教職取ってます。今度、教育実習行くことも決まりました。学校の先生になれるように、勉強頑張ってます。何か決まったらご報告するので、気長に待っててください。以上、ご報告でした。あ、ネットニュースに載せるときは事務所通してください、お願いします。では」

邑楽、配信を終える
弦野、その様子を自分のスマホで観ている

邑楽「・・・先生になりたいの」

邑楽、自分のカバンから教員採用試験の問題集を取り出す

邑楽「私、一度に色んなことやるの苦手で。中途半端になるのはダメだと思ってて。誰かに元気をあげられる人になりたくてアイドル始めたけど、そろそろ自分の人生のことを考えなくちゃいけなくて。自分の在り方なんていつまで経ってもわかんないけど、何もアイドルって職業で居続けることが私の人生じゃない。誰かに元気をあげられるなら、どんな仕事でもいいんじゃないかって、そう思ったの。だから、大切なのは、私がアイドルの邑楽愛美でいることじゃなくて、邑楽愛美を大事に思ってくれる人たちの、センターみたいな存在でいさせて貰うことだって、今はそう思ってる」

邑楽、机の上に並べられた自分のグッズの上に問題集を置く。

邑楽「女の人が好きだってことも、いつか皆に言えるようになると思う。だから、今日のことは、なんだろう、会員番号0番さんへの、特典、みたいに思ってくれればうれしいかな。ごめんね、こんな感じになっちゃって」
弦野「・・・ううん、こっちこそごめん」
邑楽「ありがとう」

邑楽、握手を求める
弦野、戸惑う

邑楽「初めて?」
弦野「はっ」
邑楽「覚えて」

邑楽、弦野の手を取り、自分の手を握らせる

邑楽「もし、0番さんの目が見えなくなっても、耳が聴こえなくなっても、私の手の感触で私だって思い出せるくらい、覚えるまで離さないで」
弦野「・・・あっ、握手券」
邑楽「ここにあるでしょ」

邑楽、握手券をつまんで見せる

邑楽「ねぇ、汗すごくない」
弦野「えっ」
邑楽「あ、ダメ、離しちゃ」

弦野、自分の手を消毒
弦野、握手券を束で渡す

弦野「今のは1枚分だから」

弦野、自分から手を出す
邑楽、差し出された手を握る

邑楽「あのさ」
弦野「うん」
邑楽「もしかして、彼氏さんと別れたのって、私の所為?」
弦野「・・・」
邑楽「・・・」
弦野「違うの、愛美ちゃんは悪くないの、悪いのは自己管理が出来てない私なの」
邑楽「応援してくれるのは嬉しいけど、自分の幸せも考えなきゃだめだよ?」
弦野「あなたのことを考えてる時が一番しあわせ」
邑楽「詩ちゃん?」
弦野「ふぁい」
邑楽「覚えた?」
弦野「・・・まだ」
邑楽「ゆっくりでいいよ、まだたくさんあるから」
弦野「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

弦野、何かを思い出す

弦野「あ」
邑楽「どしたの」
弦野「ヤバイ、お寿司受け取りにいかなきゃ」
邑楽「代わりに行こうか」
弦野「大丈夫、ケガでもされたら大変」

弦野、グッズを段ボールに仕舞う

邑楽「居てもやることないし」
弦野「あるでしょ。お祖母ちゃんに、顔見せてきな」
邑楽「あ、そうじゃん、忘れてた」
弦野「あっちの大部屋で寝かせてるから。お線香焚いてるから、火だけは気を付けてね」
邑楽「うん」

弦野、痛バとブロマイドをそのままに慌てて出ていく

弦野「じゃあ、いってきます。暇だったら私の部屋から漫画持ってっていいから」
邑楽「いいの」
弦野「うん、もういいの」
邑楽「・・・あのさ・・・あ、ごめん、ド忘れした」
弦野「あ、そ。思い出したら教えて」
邑楽「うん」

弦野、ハケる
邑楽、痛バとブロマイドを手に取る

邑楽「・・・気持ち悪い」

邑楽、部屋を出ていく

〈閉幕〉





【あとがき】

劇団員公演、ですって。怪奇月蝕キヲテラエ、4年半劇団やってきて初めてですよ、劇団員だけで公演やるの。2016年のシアターグリーン学生芸術祭に出た時は3人で舞台立ちましたけど、3団体合同公演みたいな形だったので純粋な劇団員公演はこれが初めてです。

脚本家あとがき付き上演台本、ご購入頂き誠にありがとうございます。

本当だったら演出メモとか、演出意図とか書きたいんですけど、実は稽古途中から「三浦仁が最初に描きたいと思ったもの」より「木山りおと藤真廉のオタクとしての業の深さ」

がどんどん鋭利になってきました。普段だったら脚本時点で計画していた演出プランをキャストさんにくみ取って貰って「しっかりとした軸の物語」を全体で共有して創るスタイルなんですけど、どうやら三浦がイメージするものを具現化してもらうより、二人の中にある歪んだ愛情をしっかり言語化して「決して交わらない二者間のエゴ」を創った方が面白いものが・・・いえ、えげつないものが出来上がる、という確信を得ました。

その結果、演出プランはその日の木山りお、その日の藤真廉に合わせたものをその日に適した形で作り替えていく必要があったため、最終稽古に至るまでプランは更新を重ねています。

思えば、これまであまり二人のプライベートな趣味について根掘り葉掘り聞くことがありませんでした。彼女ら、Twitter でいつもハマってるジャンルについて騒いでいるので、今更それについてリアルで聴きたいという発想にならなかったというか。

じゃあ、折角こういう役をやるんだし、推しについての愛を語ってもらおうと、普段だったら立ち入らないことまで根掘り葉掘り聞いてみたら、出るわ出るわ「Twitter にすら書けないオタクの嗜好と思考」の数々。

「推しが卒業発表したらオタクはどういう考えになるのか」「推しに直接愛を伝えたらどうなるのか」「素の自分を受け入れてくれると思った親戚がアイドルとしての自分にしか興味が無かったら」など。

普段だったらキャストの意見は一意見として、物語としての整合性を優先して最大公約数の納得と理解が取れる「あるある」な主張をプランでは選択するんですが、「そういう考えになるのは木山さんだけでしょ」みたいな独善性の強い意見を最優先して採択しました。

木山さんも廉ちゃんも自分の価値観を役に投影しすぎて自分と役の境目が解らなくなる、マジでこれは演出でブレーキかけないと二人のメンタルがどっか遠くに行ってしまう(帰って来れなくなる)のではないかと気が気でありませんでした。「役の気持ちに共感する」ではなく「藤真廉が(木山りおが)そう思うなら役もそう思っている」という、邑楽万波愛美も弦野詩も、そういう役名を当てがっただけで、実際あの場に乗せた感情は偽りのない俳優自身の価値観だったように思えます。

恐らく、この辺りは個人の終演後挨拶のようなもので明らかにしてもらった方が良いと思います。だって毎日プラン変わるんですもん。木山さんは最終稽古が終わろうかという時間帯に「私やっぱり愛美ちゃんにアイドル辞めて欲しくないって気持ちが強くなっちゃって」などと言い出して、そこからプラン練り直しましたので。

藤真「辞めて欲しくないんだ」

木山「辞めて欲しくない(迫真)」

藤真「女優デビューするのは」

木山「嫌」

藤真「結婚するのは」

木山「嫌」

藤真「じゃあ、アイドルの邑楽愛美で居続けて欲しいってこと?」

木山「(頷く)」

三浦「それはさ、アイドルの邑楽愛美って概念を壊してほしくないってことですか?」

木山「あー・・・」

三浦「それならさ、アイドルの邑楽愛美として引退するのは一種の解脱のようなものだから、全盛期のイメージのまま『邑楽愛美』はそのまま引退して『邑楽愛』の人生が始まることは寧ろファンとして嬉しい結末なんじゃないですか(かつて推していた嗣永桃子のことを思い返しながら)」

木山「・・・そうだ」

藤真「じゃあ、よくわかんないバラエティに出て弄られタレントとしてしぶとく生き残るのは」

木山「(顔のパーツを中央に寄せて嫌悪感を露にする)」

こんな感じの劇団も、4 年半経って変わりました(進歩したとは言っていない)

もうちょっとしばらく、演劇やると思います。

【奥付】

令和2 年7 月1 日脱稿(あとがき:令和2 年9 月19 日)

脚本:三浦仁(怪奇月蝕キヲテラエ)

脚本著作者連絡先:shokubutushoujo@gmail.com

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?