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アメリカ生卵事情: Instantpotで温泉卵・低温殺菌 - 低温調理機能「有」vs保温機能での調理実験結果(と、卵の選び方)

アメリカの卵は生食不向き

アメリカの卵は、生食用に殺菌されていない為、生食には不向き。それでも、生卵的なものが欲しいことはままあるので、温泉卵で代用している。
すきやきの卵、卵かけご飯的なもの、釜玉うどん的なもの、カルボナーラ的なものの他、または、おかずが無い時のお助けタンパク質。

サルモネラ菌は、60℃3.5分間の加熱殺菌で大幅に減少し、60℃20分間の加熱でほとんど死滅する。卵の横の直径が4㎝前後と考えて、中心まで確実に火が通る時間を計算。

低温調理では設定温度が1℃かわるだけで、必要加熱時間(中心まで熱が加わる時間)がかなりかわってくる。食感と、作りやすさを考えて、以下の設定に落ち着いている。2年間、毎週のように作っているが、今のところお腹は壊していない。


Instantpotで、温泉卵 または 低温殺菌卵 の作り方

下準備: ポットで70℃くらいのお湯を作る ← 保温モード・低温調理(Sous Vide)モード共通

まずは、あらかじめポットでお湯を沸かし、70℃くらいのお湯をつくる。
冷蔵庫から取り出した冷たい卵を使って調理する為、なるべく調理条件を均一化したい目的と、お湯が設定温度に到達するまでの微妙な温度帯での菌の繁殖を防ぐ目的。

だいたい70℃のお湯の作り方:熱湯1リットル+水500㏄を足す

ポットにお湯を1L(1000ml)沸かし、インスタントポットの内窯に注ぎ入れる。(まだ暖かい)同じポットに水500mlを入れ、追加する。これで70℃弱のお湯ができる。(気温・水温にもよる)

冷蔵庫から出したばかりの冷たい卵をお湯に入れる(お玉などを使って割れないように底に置く)

冷蔵庫から出したばかりの冷たい卵を、お玉などを使って静かに1の内窯に入れる。卵を静かに転がすようにお湯をかき混ぜ、蓋をする(圧力蓋では無く普通の鍋蓋 ➡ Greenpanの片手鍋の蓋が丁度良い)

★★ 保温(Keep Warm)モードで調理する場合、設定= Low (低)45分 または Med(中)30分 ★★

Instnatpot Duo 7in1 には、低温調理機能が付いていないので、保温機能 (Keep Warm)で温泉卵を作る。

Lowでも黄身全体が固まっている状態。Medはややしっかり目に黄身が固まっている。 (ややしっかり目の仕上がりで良ければ Med 30分 で、やや時短で仕上がる)

Instantpot の保温温度 (おそらく、Low 65℃, Med 70℃, High 78℃)

Duoの保温温度は、取説によると 65-78℃  (英語版では145F-172F)。これは食品を長時間(設定可能な最長は10時間)保存しても腐らない温度帯。
Low/ Med/High のそれぞれの設定温度は取説にも記載が無いが、Low 65℃/High 78℃  と考えると、Medは間をとって70℃ (158F) 。実際、1.5リットルの70℃弱のお湯を入れて2度ほど実験してみたところ、Lowで65℃くらい、Medで70℃くらいの水温を保っていた。(保温時間40分設定で、10分頃、30分頃、40分時点で計測)。

Sous Vide(低温調理)モードがある場合  : 63-64℃(146-148F)で30分

Instantpot(Duo Plus, 9in1) の低温調理(Sous Vide)Modeで 2年間温泉卵をつくり続けて、63-64℃ (146-148F)くらいの低温調理(Sous Vide)モードで30分で落ち着いている。卵の黄身全体が柔らかく固まっている状態。

70℃前後のお湯を作って、冷蔵庫から出したての冷たい卵で作っているが、お湯の温度が設定温度で安定し、調理開始まで20-30分ほどかかるので、Totalでは50分程度調理している感じ。

すき焼き用の低温殺菌生卵的なものを作りたい場合は140℃で60分

すき焼きように緩めの卵を作りたい場合は140℃で1時間加熱。面倒なので、温泉卵で代用することが多い。

参考レシピ

スーパーの卵の選び方と殺菌済み卵(pasteurized egg) と 放牧卵(pasture raised egg) の話  

以前は日系スーパーに生食可能な殺菌済み卵(pasteurized egg) が置いてあったが、最近は見ない。お約束的な話だけれど、pasture raised Egg (放牧卵)とは異なるので注意。 

スーパーの棚には、Cage Free/Free Range(屋内放し飼い)、Pasture Raised (放牧)、Organicといろいろ種類があるけれども、食肉と同じで日本よりかなり法律が厳しくどのグレードの卵を買ってもホルモン剤・抗生剤は使われていないので、日本の卵よりよほど安心。 (気持ち、Organicの卵の方が殻がしっかりしていて割れずらい気がする?)
オーガニックの平飼いと(6$前後~)、普通の卵(2$位~)では、値段が3倍以上違ったりするので注意。

アメリカの卵の黄身が黄色い(日本の卵の黄身はもっと赤味がかかったオレンジ)なのは、単に餌の差とのこと。日本人はアメリカの卵の色に違和感を覚えるけれど、アメリカ人は日本の卵の色に違和感を覚える。結構な割合でアメリカ人の出張者が「朝食でびっくりした。。。」とコメントする。

卵はだいたいコストコで買っている。トレジョを除くKrofer系等の米系大手スーパーは卵が高いイメージ(安い卵はだいたい売り切れている)。コストコ以外で卵の値段が安定しているのは、意外にもWholefoods。

。。。。ちなみに、10年前の滞在時、pasteurized eggと間違えて、pasture raised egg を生食していた時期があったのだけれど、お腹を壊すことはなかった。ブロイラーみたいな劣悪な環境で飼育されてない鶏さんの卵はそもそも病気もサルモネラ菌も少ないのかしら。。。と思ったり。

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