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Jaha Koo “CUCKOO” (具滋昰『電子鍋』) @臺北藝術節 Taipei Arts Festival

臺北藝術節 http://www.artsfestival.taipei/index.aspx
海外初ひとり旅の2日目だったので、やや涙もろかったです。
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机の上に炊飯器3台。1台から米が炊けると映像が始まり、舞台に男性・Jahaさんが登場する。
生い立ちを話す。1984年生まれ。幼い頃は、街がデモ等で混乱している(日韓ワールドカップの際、平和な群衆をはじめて見た)ここまでは韓国語で話す。中国語・英語字幕。
20代後半でオランダへ引っ越す。服とCuckooを持っていく。ここは英語で話し、中国語字幕のみ。
Cuckooは韓国の炊飯器で、一般名詞化した商品名。Cuckoo たちの自己紹介。「ごはんが炊けました」の声のまま話す。話すたびにLEDが点滅したりする。よく話すDuri と同じ外見のSeri は意地を張り合い、口喧嘩をする。Hana は寡黙だが、一番よく米を炊く。
Duriを抱くと、それまでの女性声ではなく、Jahaさんの家族(おそらく父親)からの留守電を再生する。「Jaha、ご飯食べてるか?(韓国語では挨拶のような意味)夜は音楽のことばかりしてないで、ちゃんと寝なさいよー」的な。
IMFによる韓国救済のニュースや、デモのショッキングな部分を切り取って構成された映像と音楽、Cuckoo たちによるややポリティカルな?パフォーマンスが続く。
個人的な経験を元に、救いなき孤独の感覚(中国語字幕に"孤立無援")や、犠牲を必要とする抑圧された社会についてJahaさんがひとりで話す。
・アジアの経済とその影響について、いかに自分が不勉強かよくわかり本当に恥ずかしく思った。特に韓国については、その混乱した状態を想像もしていなかった。
知的なだけでなく優しさとユーモアのある作品を上演したJahaさんを見て、同世代として反省した。
・韓国の経済危機の話もしているけれど、個人的なことからはじまる話がほとんどで、強く胸をうたれた。特に、家族からのメッセージが再生されるところは涙が出た。(海外に来て、炊飯器を抱える男性を見て泣くと思ってなかったのでびっくりした)
・独り語りで説明される部分も多いけれど、映像や音楽、Cuckooたちの会話やパフォーマンス等も含めて上演時間60分強なので、しんどくはなかった。中国語字幕は後方上部だが、英語字幕は手前(Cuckooたちの真下)なので比較的見やすかった。
・とても面白かったので、旅行中や帰国後に会った友人と家族には、もっと詳細な内容も話している。私がそれほど表現をかえずに説明しても、それぞれに面白がる部分や気にする部分が結構違うので、色々な人に話すのが楽しかった。
(Wellspring Theater/水源劇場、2018年8月12日)
http://www.artsfestival.taipei/FilmContent.aspx?ID=20

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