天之痕のストーリー その5

5.大雁嶺

黒山鎮は山の麓にある町だったが、その山の頂は大雁嶺と呼ばれている。そここそが拓跋部族が今いる場所だ。張烈に彼の妻、拓跋月児を紹介される。火のように荒々しい性格の妹玉児と違い、月児夫人は温和な性格だった。

一方玉児はテントの奥で琵琶を奏でていた。陳靖仇と小雪を見てまた怒り出す玉児。それに対し、隋への敵討ちしか考えず一族の足取りがバレてしまう行動は二度とするな、と叱る張烈。敵討ちではなく殺されそうになった母親たちを救うためと証言した陳靖仇の言葉、二人をなだめる月児夫人の言葉によって、口喧嘩は一時中断した。

外に出た陳靖仇たち。張烈は玉児のことをワガママだと言ったが、陳靖仇は玉児は正義感が強い人だと感じた。義妹を救ったことと隋軍部隊を倒してくれたこと、感謝してもしきれない、配下に神農鼎の在処を探させるのでしばらくここに泊まってくれ、と張烈から提案され、陳靖仇は申し訳ないながらもその好意を受けることに。

その6日後、早くも情報を入手する。確かに神農鼎は宇文太師が入手していたが、どういうわけか皇帝には報告せずに隠し持っていた。そのことがなぜか皇帝に知られてしまい、激怒した皇帝は懲罰のため宇文太師を呼びつけ、一方神農鼎は宦官に船で運ばせることに。そのルートも既に張烈たちは把握した。

月児夫人が焦りながら登場する。実は昨晩張烈が配下から報告を受けていた時、玉児が盗み聞きし、自分一人で神農鼎を取り返そうと置き手紙だけして飛び出たのだ。こうして陳靖仇、小雪、張烈の3人は玉児と神農鼎を探すことに。

張烈(ちょう れつ)
45歳、男。潰された拓跋部族をまとめるリーダー。拓跋部族の第一姫、拓跋月児の夫。豪傑という言葉が相応しい人物で、未熟の陳靖仇を導いてくれる。

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