天之痕のストーリー その6

6.蘆家渡

3人は小さな港町、蘆家渡に着く。玉児と神農鼎を探すために川の向こう岸に行きたかったが、ここの全ての船は朝廷から来た韓宦官に占拠されていた。皇帝に献上する後宮美女を運ぶために。

どうするか悩む3人。小雪が珍しく発言する、玉児お姉さんは後宮美女として捕まったのではないかと。張烈は玉児ならばわざと捕まったフリをして潜入して神農鼎を調べる可能性が高いと言う。それは当然危険なことで、見つかれば死あるのみ。
3人は今泊まっている船に潜入しようと考えていると、ちょうどそこに韓宦官が後宮美女に選ばれ泣いている少女たちを連れて船に入った。韓宦官は兵士たちに、疲れたから休む、美女を連れてきたもしくは青銅を持ってきた部隊が来たら船に入れなさい、自分に報告しなくていい、と話す。それを見た陳靖仇は良いアイデアを思い浮かぶ。

3人は別々に行動し、隋軍兵士の装備、女の子の服、簪、そして化粧用の紅を入手し、宿屋で集合する。陳靖仇の良いアイデアとは、3人で隋軍兵士と後宮美女に選ばれた二人の女の子のフリをし、堂々と船に潜入することだった。着替える前に拓跋部族や玉児の話になり、張烈から詳しい話を知る。

今の皇帝は隋の第二代皇帝である隋煬帝、百姓の生活を顧みない暴君。1年前、隋煬帝は北方を巡遊していた時、急に塞外の景色を見たいと言い出す。それを突厥のハーン=君主に知られ、万里の長城の北側で包囲されてしまう。兵士の助けでなんとか難を逃れたものの、プライド高い隋煬帝はこの失態を隠すため、部下に近くの遊牧民族を潰させ、今回の巡遊の戦果とした。不運にも狙われたのがまさに拓跋部族だった。
玉児は本来は朗らかな少女だったが、その後復讐に取り憑かれてしまう。武芸も触れたことがなかったのに張烈に頼み込んで、日々の努力と生まれ持った才能も加わり1年弱で張烈と互角の実力にまで上り詰めた。

話もほどほどに、張烈は隋軍兵士の格好をし、陳靖仇は小雪に手伝って貰いながら女の子のフリをし、計画通り船への潜入を成功させる。しかしその中に玉児の姿はなかった。青銅が積まれていることを不審に思った3人はそれも調べてみようとしたところ、韓宦官が現れたため嘘がバレ、兵士と戦闘へ。

こうなってしまってはいっそ船を奪おうと提案する張烈、陳靖仇もその案に乗った。その前に捕らえられた女の子たちを逃し、最後は韓宦官と対峙する。張烈は命乞いをする韓宦官に脅しながら質問をし、得た答えは、皇帝は今は江南を巡遊中で、神農鼎は既に龍舟=皇帝の船に運ばれた。青銅は神農鼎を運ぶ張宦官が命じたことで、韓宦官もその理由を知らなかった。
次の瞬間、張烈は韓宦官を殺した。戦う力がない宦官をなぜ殺したと驚く陳靖仇に、張烈は、こいつを殺さなければさっき逃した女の子たちは結局また捕まる、助けるなら徹底的に助けなければ意味がない、優しいのは分かるがそれだと偉業を成し遂げられない、と説く。

船を奪った3人は南に移動し、大きな都市、大梁に着く。ここにたくさんの龍舟が泊まっている。見張りの兵士の目を盗み、こっそり船に忍び入った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?