天之痕のストーリー その22

22.宇文太師の正体

今までの出来事を寧珂郡主に伝える。玉児が、自分たちが崑崙鏡も持っていることを宇文太師に知られていないのは不幸中の幸いだと話すと、寧珂郡主は崑崙鏡かそうかもね、とやはり不思議な反応をする。
寧珂郡主から2つの情報を知らされる。1つは、伏羲琴を手に入れるために手下を敦煌石窟に向かわせたが、失敗に終わったこと。実は大昔そこに伏羲琴を隠した高僧は、仏像の力と伏羲琴のの力を使って幻覚を見せる結界を仕掛けていたようで、寧珂郡主の手下はそれに引っかかり精神崩壊の末全滅しまった。でも逆に言えば宇文太師とて簡単に手を出せないということだ。
もう1つは、伝手を頼って寧珂郡主は女媧石に関する情報を得ていたこと。彼女によると、宇文太師が既に女媧石を入手していたがそれは偽物で、本物は巴蜀古王墓という古墓の中にあるらしい。先越されるわけにはいかないと、陳靖仇一行3人はすぐに巴蜀古王墓に向かう。

ようやく巴蜀古王墓に辿り着くと、なんと既に隋兵が見張りをしていた。道を切り開き進んで行くと、最奥には既に宇文太師の部下の一人、斛率安が待ち構えていた。前回は郡主のせいで敗北したが、今度こそ宇文太師の期待に応えるために命を懸けても必ず女媧石を持ち帰る!そう話す斛率安と戦闘へ。
3人が協力し辛くも勝利。すると斛率安は力を振り絞って、死なば諸共と古王墓に衝撃を与え、そのまま気絶した。玉児は止めを刺そうとしたが、陳靖仇に止められる。

古王墓はいつ崩落するか分からない、すぐさま女媧石を探すために奥に向かう。
すると小雪が急に倒れ込んでしまい、暑い、暑い……!全部燃えている……!空の裂け目……!それに魔物がたくさん……!そううなされるようになる。玉児は小雪に飲ませるための水を探しに行き、陳靖仇は女媧石がある場所に向かう。
女媧石を入手し戻ると、なんと斛率安は目を覚ましていた。彼は小雪を人質にして陳靖仇に女媧石を出すよう命令する。仕方なく女媧石を渡すと、玉児が斛率安の隙を突いて彼を倒し、女媧石を奪い返した。
玉児は陳靖仇に、かつて張烈が放った言葉と似たようなことを話す。優しいのはわかるけど敵にも優しくしては結局自分が酷い目に遭うだけ。しかし玉児はすぐに優しい顔でこう続ける。でもそういうところは陳靖仇の素敵な個性だ、頼りないからこそずっと一緒にいないとと思える、それになにより小雪を助けられて良かった、やっと少しは恩を返せた、と。

次の瞬間、なんと斛率安は息を吹き返し、玉児から女媧石を奪い、そのまま転送の術で宇文太師の所に送った。宇文様、自分はやっとあなた様の期待に応えられた、お仕えできるのはもうここまで、どうかお許しください!そう叫び、吐血して今度こそ亡くなった。
咄嗟の出来事に陳靖仇たちはどうすることもできなかった。女媧石を奪われてしまったため任務は失敗に終わったが、ライバルながら彼の忠誠心には尊敬の念を抱かざるを得ない。斛率安の遺体を埋葬し、陳靖仇一行は帰路に着く。
その時小雪は恐ろしい光景のほかに宇文太師の姿も脳裏に浮かんでいたと話す。

一方その頃、長沙駐屯地にいる宇文太師は急な頭痛で倒れていた。駆け付けた韓騰が心配すると、例の少年少女の1人である白髪の少女の姿が突然脳裏に浮かぶと頭痛してきたと言う。白髪の少女とはもちろん小雪のことで、すなわち2人は同時刻に頭痛しそれぞれお互いの姿が脳裏に浮かんだということだ。

そこに斛率安が転送してきた女媧石が現れた。2人には斛率安はもう亡くなったことを瞬時に理解できた。
宇文太師は女媧石に手を触れるとたちまち表情が変わり、クソ!偽物、また偽物!こんな偽物のために大事な部下の命が!本物の女媧石は一体どこにあるんだ!そう叫んだ。そしてすぐ韓騰に神農鼎と崆峒印を皇家宝物庫に保存するよう命じる。元々伏羲琴のために韓騰が敦煌石窟に向かう予定だったが、赤貫星が空を通り過ぎるまでは残りわずか、それにもうこれ以上大事な部下が犠牲になって欲しくないと宇文太師は話し、一番危ない敦煌石窟は彼自らが向かうことにした。

韓騰は宇文太師に感謝を述べたあと、この石はとても強い霊力があるのに、どうして偽物だと分かったのかと質問をぶつける。宇文太師はこう答えた。全ての上古神器は互いの存在を感じ取ることができる、だから、崑崙鏡の生まれ変わりである私は触るだけで偽物だと分かったのだ、と。

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