天之痕のストーリー その4

4.黒山鎮

陳靖仇は黒山鎮という山の麓にある町に立ち寄る。小雪はこの町は見渡す限りほぼ女性しかいないことに驚く。陳靖仇は小雪に対し、最近夜中によく泣いているよね、何か思ってること、話したいことあったら聞くから、溜め込まないでね、と親切に話す。
二人はご飯を食べて休もうとすると、外が騒がしくなる。外に出た二人は、町の女性たちが軍隊に泣きついているのが見える。近くにいたおじいさんに騒ぎの原因を尋ねる。

どうやらその軍隊はとある郡主=皇族の娘の親衛隊で、黒山鎮の幼い男児を奪おうとしているそうだ。男児を殺して得る鮮血は美容に効くらしく、それを郡主に捧げている。泣きついているのはその母親たちだ。どうして他の人たちは抵抗しないのかと尋ねると、大人の男性はみんな徴兵され、そもそも今この町にはほぼお年寄り、女性や子供しかいないから、と。

軍隊の尉官が現れる。母親たちが邪魔していることを知るとその母親たちを殺そうとする。陳靖仇が剣を抜こうとした瞬間、やめろ!クソ野郎ども!そんな声が響いた。声の主は異民族の少女だった。少女は攻撃してきた兵士たちを瞬く間に返り討ちにすると、大したことないくせに弱いものいじめしかできないクズは大嫌い、そう言いながら刀を尉官に突き付ける。
すると尉官は高笑いし、郡主親衛隊を見くびるな!と言い、なんと変身した。尉官の正体は骸骨の魔物だった。驚いた少女は脚に骸骨の攻撃を受けてしまい、すぐさま陳靖仇と小雪は少女を助けるために戦闘へ。

骸骨を消滅させると、二人は立てないでいる少女を起こそうとするが、少女は聞く耳を持たない。隋の人間の助けなんて要らない!騒ぎ始める少女の言葉に二人は困惑する。
そこに壮年の男性が何人か登場する。リーダーらしき男は一部始終を見たよ、うちの義妹を救って頂き感謝する、と言ってくれた。

男は張烈と名乗った。張烈はふて腐る少女を配下たちに連れて帰らせ、感謝の意を込めて陳靖仇と小雪にご馳走してくれた。張烈は鬼谷道術に興味を示したので、陳靖仇は今までの出来事を話す。すると張烈は豪快に笑うと、お探しの拓跋部族は自分の妻の部族だよ、と話す。
張烈の妻は拓跋月児と言う。その妹こそが先程の少女、拓跋玉児だ。拓跋部族はもっと北にあったはずでは、と疑問に思う陳靖仇に、張烈は語り出す。

1年前、拓跋部族は今の皇帝に潰されてしまい、神農鼎もその時奪われてしまった。当時中国本土にいた張烈はそれを知ると大急ぎで拓跋部族に向かい、生き残った民を統率する立場となった。今は新たな拠点を探す旅の途中に、ちょうどここに辿り着いたところだった。神農鼎の具体的な在処は張烈も掴めずにいた。

緊急事態です!張烈の配下の一人がそう言いながら登場する。張烈が配下に指示を出した後、陳靖仇が事の詳細を聞く。実は拓跋部族の今までの旅は、ずっと謎の隋軍部隊が尾行されていた。神農鼎は未だに拓跋部族が持っていると思われていたようだった。最近ようやくその部隊を殲滅させたのに、新たな部隊が近くの林に駐屯していることが分かった。
以前尾行してきた部隊の兵士はさっき倒した尉官のように魔物に変身できることを聞いた陳靖仇は、自分たちの鬼谷道術で対抗できるので共に向かいたいと申し出る。こうして3人は出発する。

林の最奥に黒山鎮から奪われていた男児たちが縛られていた。身を隠した3人が兵士たちの話を聞くと、この軍隊は例の郡主親衛隊だと分かる。そこへ町にいる尉官がやられたという情報が入り、他の尉官が何人か兵士を連れて調査のためここを離れる。残された兵士は命を受け男児を殺そうとすると、すかさず3人は飛び出し男児を助け、逃す。
ここを離れようとすると先程の尉官が戻り、会話もほどほどに戦闘へ。この尉官は骸骨だけでなく虎の力も持つ魔物だったが、3人は力を合わせ倒した。

こうして無事事件を解決し、町の母親たちに感謝される3人。拓跋部族がすぐ近くにあるので、と張烈に招待された陳靖仇は、行ってみることにした。

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