天之痕のストーリー その10

10.東莱

神農鼎の情報を探すため、北へ進む陳靖仇一行。海沿いの町、東莱に辿り着く。既に6日過ぎたがここでも何も情報がなかった。

東莱を離れ、近くの森を通りかかった時、か細い声で助けを求める男性を見つける。水を飲ませ、小雪が怪我を治したあと話を聞いてみた。
男の名は斎二郎。数年前、皇帝が高麗と戦うために徴兵されたが、結果は大敗、彼は捕虜となってしまった。故郷の妻子に会いたい一心でなんとか逃げたが、その道中悪い山賊に捕まってしまう。幸い3日前山賊一味は軍隊に討伐され、そのどさくさに紛れて彼は再び故郷へと向かうが、疲労困憊に今度は熱が出てしまい、死を覚悟した彼の前に陳靖仇たちが現れた、とのことだった。

斎二郎の故郷は東莱なのだという。近いし助けるなら最後まで、3人は男を連れて東莱に戻った。再会を喜ぶ一家。小雪は斎二郎の小さな息子と鞠遊びをし、陳靖仇と玉児は斎二郎夫婦と皇帝への不満を語った。
陳靖仇は斎二郎の妻に神農鼎のことを聞いてみるとやっぱり分からないが、代わりにこの近くの山、泰山の頂上でとある軍隊が奇妙な魔法陣を設置していることを知る。怪しいと思った陳靖仇と玉児は遊びに夢中になっている小雪を呼んで、泰山に向かうことに。

泰山の守衛を倒し、頂上に到達する。地面に六芒星の魔法陣が刻まれていた。そんな時誰かがやってくる足音が聞こえ、3人は木々の中に隠れた。
現れたのは男2人、年老いた男は韓騰、若い男は楊碩と呼ばれた。2人とも宇文太師の部下で、韓騰に関しては魔王砦で神農鼎を奪った人のうちの一人だ。
楊碩は宇文太師から万霊血珠の入手という任務を与えられていて、今回東莱の万霊血珠を取るにあたって補佐として韓騰がやってきた。万霊血珠を取るのは今回が二度目で、7日前に既に雁門のを入手済みだった。

楊碩は六芒星の魔法陣の中央に立ち、しばらくして、これが東莱6万人の命でできた万霊血珠でございます、そう言いながら楊碩はそれを韓騰に渡す。韓騰が去ると、楊碩が後片付けをしようとする。そこで陳靖仇たちが登場し、すぐさま戦闘へ。

陳靖仇たちの勝ちとなり、神農鼎の居場所を吐かせようとする。しかし楊碩は宇文太師も分からないのだと言う。玉児は当然それを信じない。そこで魔法陣について詳しく聞くと、東莱の6万人は全員死んだのだと告げられる。小雪は東莱を見下ろすとそれが真実だと分かり、泣き崩れる。玉児は怒りを露わにする。2人の少女はどちらも斎二郎一家を思い悲しみに暮れた。

楊碩は舌を噛みちぎって自害した。陳靖仇は楊碩の持ち物から地図と手紙を見つけた。地図にも六芒星の形が描かれていて、更には6つの地名、雁門、東莱、会稽、長沙、涪陵、霊武、が書かれていた。手紙は宇文太師からのもので、東莱の万霊血珠を入手したら大梁に向かい神農鼎の情報を集めろ、というものだった。この手紙が陳靖仇一行に奪われることを想定していたとは思えないので、やはり宇文太師も神農鼎の行方が分からないようだ。

大梁は以前龍舟が泊まっていた都市だ。3人は早速向かってみることにした。

楊碩(よう せき)
陳靖仇一行が最初に戦った宇文太師の部下。若い将軍で、剣と矛の二刀流。

万霊血珠(まんれいけつじゅ)
宇文太師が部下に命じて集めているもの。入手するには六芒星の魔法陣かつ、一つにつき町一つ数万人の命が必要、という非人道的なもの。既に宇文太師は二つを入手済み。

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