天之痕のストーリー その23

23.小雪の裏切り

陳靖仇たちが独孤郡王府に戻ると、そこには目を覚まし先に戻った師匠の姿があった。神農鼎と崆峒印は今や宇文太師の手の中にあることを知った師匠は激怒していた。師匠の命を救うためだと言ったが、いつも言っているだろ人の命より何より陳国の復興が一番大事、例えそれが師匠の命であっても、とますます怒りが収まらない。

陳靖仇たちは寧珂郡主に呼ばれ他の部屋へ、そして巴蜀古王墓での一部始終を伝える。寧珂郡主はこれで宇文太師は既に4つの神器を手に入れたことになったと話すと、陳靖仇は伏羲琴と崑崙鏡はまだだから3つではと返すと、寧珂郡主はあっと驚きそれを誤魔化した。
その流れで顔色の悪い小雪を見て、休んだ方がいいと勧める。小雪は大丈夫だと強がったが、最終的には首を縦に振った。
陳靖仇と玉児は、小雪の具合を診てもらうため腕の良い医者を探した。小雪は悪夢を見たことで泣き出していた。
小雪の悪夢はずっと、空に裂け目ができて、そこからたくさんの妖怪が現れ、人を食べる、という内容。最近は夢に限らず起きている時もその様子が脳裏に浮かぶので怖くて仕方がない、それになんだかすごく嫌な予感がする、と言う。陳靖仇と玉児はその悪夢は疲れや心労から来るものだと思っていた。医者に薬を出して貰って再び休ませた。

陳靖仇と玉児は自分たちで敦煌石窟に向かうつもりだと寧珂郡主に伝えると、いいお知らせがあるとのこと。実は寧珂郡主は宇文太師が敦煌石窟に向かったこと、神器を皇家宝物庫に置いたことを把握していたのだ。一気に取り返すため、早速寧珂郡主は2人を皇家宝物庫に通ずる秘密通路に案内する。
そこから奥に侵入し、いとも容易く神器を取り返した。そこには女媧石もあったが、陳靖仇たちにはもちろん偽物だとは知らない。全てを独孤郡王府に持ち帰ると、師匠はすっかりご機嫌となった。

小雪にも喜んで貰おうとこのことを伝えると、彼女は全く喜ばず、少し考えて、神器を宇文太師に返してほしいと言う。驚く陳靖仇と玉児。小雪曰く、宇文太師は今とても重要な事を成し遂げようとしている、陳国の復興や誰かが皇帝になることに比べても重要。自分達が邪魔をするとそれが成し遂げられなくなってしまう、だから少しの間でいいから神器を宇文太師に返してほしい、とお願いする。
玉児は以前自分の顔に傷を付けたことで生死を彷徨った経験から、きっと頭が混乱しているのだと話す。しかし小雪は嘘じゃないとはっきり言った。
玉児は小雪の言うことを少し考えるが、陳靖仇は取り合わず、小雪も知っているでしょう、宇文太師は人の命をなんとも思っていない野心家、もう神器を渡すのはありえないよと話す。3人が話している間、近くにいた寧珂郡主の侍女がいつの間にか部屋から出ていた。

翌朝、なんと小雪が行方不明となった。玉児によるとどこを探してもいなくて、唯一の手掛かりは机の上に置かれている女媧石と、その下にある小雪の白髪。でもこれは何を意味するのか玉児には分からなかった。しかも小雪と一緒に神農鼎と崆峒印も消えてしまっていた。
寧珂郡主はきっと小雪は最初から宇文太師の手下だったのだと言うが、陳靖仇にはそんな訳がないことは分かっていた。とにかく今は探すしかない、全ての城門の衛兵に聞き込みをすると、外には出ていないことを知る。

一度独孤郡王府に戻ると、寧珂郡主の侍女が大変です!と寧珂郡主に報告する。なんと宇文太師はすんなりと伏羲琴を入手しもう帰って来たと言う。さらに、昨晩小雪は宇文太師府に向かったこと、隠しておいた神農鼎と崆峒印を今から宇文太師と一緒に取りに行くことも知った。
陳靖仇と玉児は驚きを隠せず、絶対に嘘だと話す。寧珂郡主は12345と数を数えると、しまった、伏羲琴、神農鼎、崆峒印、崑崙鏡、女媧石、5つの神器が全て宇文太師の手に渡ってしまった!と叫ぶ。玉児はその言葉の意味が分からず、崑崙鏡と女媧石は自分達の手元にあるけどと聞くと、その2つは偽物よ偽物!結局宇文太師が目的を果たしてしまうなんて!本当に腹立つ!と寧珂郡主は激怒する。

小雪の潔白を証明するため、陳靖仇と玉児は宇文太師府に向かう。当然入口の衛兵には無視されてしまうが、代わりに、韓騰の率いる霊武に向かう軍隊は準備が完了したとの情報を得る。霊武とは地図にあった六芒星の最後の場所、言わずもがな宇文太師は最後の万霊血を取るつもりだ。
小雪のことも心配だが、宇文太師の企みを阻止するため、陳靖仇と玉児はひとまず霊武に向かうことに。

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