天之痕のストーリー その19

19.長沙

大禹水路を通り、長沙に辿り着いた。ひとまず喬岱娘が求める種を買いに行き、無事入手。
長沙の外には兵士がたくさんいたので、陳靖仇はその疑問を店主にぶつけると、それは宇文太師の部隊だと知る。会稽の一件があった後すぐに長沙付近にやってきたそう。しかし会稽と違って長沙は強盗に悩まされているわけじゃないので、不思議に思われている。
皇帝は今巡遊中で、会稽にも行きたかったが、滅ぼされたため宇文太師に対しひどく怒っているらしい。今江都に天竺僧侶が招かれたのも、新しい太師として皇帝に紹介する予定だからだと言う。今まで宇文太師は好き勝手やってきたため地位が危ういようだ。

店から出ると、なんと街中で寧珂郡主とその侍女と再会した。共に打倒宇文太師を誓った仲なので、宿屋に入り宇文太師や神器について情報交換した。
寧珂郡主は東海から崆峒印が奪われたことを知っていた。彼女から、宇文太師は伏羲琴と女媧石の場所も掴んでおり、入手しようとしていることを知る。焦る陳靖仇、一方で玉児は自分たちは神農鼎と崑崙鏡を持っているから負けていないと楽観的。寧珂郡主は陳靖仇たちが崑崙鏡を持っていることに対しなぜか不思議な反応をした。
寧珂郡主は実は良い情報があると、それを教えてくれた。宇文太師は今女媧石を入手するために南方に向かっていて、彼の部隊は長沙付近に駐屯している。そこで宇文太師の部下の斛律安と上官震遠が崆峒印を守っていると言う。天下無敵、宇文太師。しかしその部下となれば話は別。寧珂郡主は中から手助けしてくれるそうで、陳靖仇は崆峒印を奪還するため駐屯地に向かった。

長沙駐屯地では、宇文太師の部下たちが話をしていた。万霊血の魔法陣は既に準備万端、あとは明日時間になるのを待つだけとのこと。上官震遠は斛率安になぜ数万人の命を犠牲にして万霊血を入手するのかと質問すると、斛率安はこう答えた。自分も詳しくは知らないが、私たちの存続のためだと宇文太師が言ったことがある、と。
そこに寧珂郡主は現れ、二人の将軍に山の湧き水を差し入れに来たと言う。駄々をこねてなんとか斛率安だけは飲んでくれた。
敵が駐屯地に来たとの情報が入り、斛率安は崆峒印を上官震遠に任せて、自分が交戦しようと表に出た。敵というのはもちろん陳靖仇一行のことで、すぐさま戦闘に。

斛率安は実力者なので陳靖仇たちは敵わず負けてしまう。どうして宇文太師の邪魔をするのかと問われるが、玉児はそっちが魔王砦で神農鼎を奪ったのが先でしょと怒る。しかし斛率安には心当たりがなく、宇文太師、韓騰老将軍と自分の3人は魔王砦には行ったことがないと話す。
斛率安が3人を捕らえようとするが、そこで全身の力が抜けていくのに気付く。その原因はついさっき飲んだ山の湧き水のせいだと理解した。力を振り絞って転移の術でその場から逃げた。

陳靖仇はこれこそが寧珂郡主の手助けだと分かった。テントに入り、中にいる上官震遠とも戦う3人。あと少しまで追い詰めたところ、実は隠し通路があり、上官震遠に逃げられてしまった。後を追う3人。

隠し通路の奥で、上官震遠は泣いている寧珂郡主を見つける。不思議に思いながらも仕方なく彼女を連れ一緒に逃げようとするが、その隙を突いて寧珂郡主は雷の法術で上官震遠の息の根を止めた。
そこに陳靖仇たちが追ってきた。寧珂郡主は上官震遠が重傷のせいで亡くなったのだと嘘をついた。何はともあれ、崆峒印を取り戻すことができた。
この後はどうするか、宇文太師は女媧石を入手しようとしているのなら、自分達は逆に伏羲琴がある敦煌石窟に向かおうと陳靖仇は考えた。その道中に大興(現首都)があるので、良かったら来ないかと寧珂郡主に誘われる。陳靖仇の師匠も一緒に連れて来てくださいと言って貰えたので、陳靖仇は寧珂郡主の厚意に甘えることにした。

師匠のいる江都に向かう前に、杏山の喬岱娘に頼まれていた種を渡す。そこで喬岱娘の過去を知る。数年前杏山が干ばつに遭った時、一人の老人が枯れそうになっていた杏の木を見つけ、毎日水を汲んでは水やりをした。その杏の木こそが喬岱娘の原形だった。老人の息子達は皆徴兵で亡くなっていた、だから喬岱娘は恩返しとして老人を父と慕いその側にいるのだ。

江都で師匠と再会し、今までの一部始終を話す。陳靖仇はまず崆峒印を氐人族のところに持っていき、彼らを元の若々しい姿に戻そうとした。しかしもちろん師匠はそれを許さない、崆峒印を自分に預けろ、でなければ師弟関係を解消する、とまで言い放つ。陳靖仇も玉児も、それに従う他なかった。そして師匠は大興に来るのには賛成し、一緒に向かうことに。

斛率安(こくりつ あん)
宇文太師の部下で、絶対的な忠誠を誓う。恐ろしい見た目をしている。武器は先端が球体となっている棍棒。

上官震遠(じょうかん しんえん)
二番目に亡くなった宇文太師の部下。寧珂郡主を毛嫌いする。矛を扱う。

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