オクトパストラベラーのあらすじ

オクトパストラベラーが大好きです!
(大陸の覇者はやる要素多いため時間がなくあまり触れなくなってしまいましたが)
オクトパストラベラーⅡが発売されますので、昔オクトラ好きすぎて自分用にまとめていたストーリーのあらすじを投稿してみます。ネタバレ要注意です。


オクトパストラベラーのストーリー

(設定資料集の内容も含む)

オルステラ大陸
太古の神オルサは13柱の神を生み出した。それぞれ、
碩学王アレファン
聖火神エルフリック
紳商伯ビフェルガン
雷剣将ブランド
舞踏姫シルティージ
霊薬公ドーター
盗公子エベル
狩王女ドレファンド
魔剣士バロガー
星占師ステオーラ
魔大公ドライサング
豪武匠ウィンビルド
黒呪神ガルデラ、であった。
彼らこのオルステラ大陸を創造した。オルステラとはオルサの大地という意味だ。

しかし『黒呪神ガルデラ』はこの大陸を独り占めしようとした。ガルデラは生と死、そして魔の力を操るため、ほかの神々は苦戦した。
その戦いに決定打を放ったのが『聖火神エルフリック』だった。エルフリックは『星の炎=聖火』を灯すことでガルデラの力を弱め、死の国へと封じた。傷ついた神々は神界へ戻った。

そしてこの聖火が灯された年が、神名暦元年(1600年前)となった。

聖火教会
神名暦100年頃〜神名暦1100年頃(1500年前〜520年前)

『聖火教会』が出来上がり、聖火伝承にて聖火が灯る地と語られる3つの町に聖堂が建立される。また、20年に一度原初の炎の種火を各聖堂に灯す『式年奉火の儀式』が誕生。式年奉火にならって信徒の間で聖火の巡礼が流行り、そんな信徒を守るために、聖火教会は『聖火騎士団』を設立。

聖火教会は神々の象徴が刻まれた指輪も発見し、それを中つ海のオルサ島の神殿に保管した。しかしこの指輪は神名暦1520年頃(100年前)に失われたことが発覚。ただしゲーム内では指輪のことは全く触れておらず、のちにスマホゲーム大陸の覇者にて詳しく語られる。

フィニスの門
神名暦1200年頃〜神名暦1500年頃(400年前〜118年前)

この頃大陸には、数多くの国が存在し、領土拡大や戦争などが起き続けていた。

ベルンシュタイン王国の『学者ザロモン』は『フィニスの門』の存在を知った。フィニスの門は生と死を繋ぐ門で、その奥に封じられているものこそがガルデラだった。ザロモンは遺跡などを巡り、そうして得たガルデラやフィニスの門にまつわる知識を元に『辺獄の書』を執筆。
彼は元々碩学王アレファンの息子と呼ばれたほどの篤学の士だったが、ガルデラから啓示を受けたため、狂気の学者へと変貌してしまう。フィニスの門に近づきそれを開くために、なんと祖国ベルンシュタイン王国と、フィニスの門がその領土内にあったグラナード王国間の戦争を仕掛けた。

各地を旅していたフェリエン王国の第二王子ベオウルフは、侵略されたグラナード王国に参戦する。しかしグラナード王国は敗戦してしまう。
ザロモンの思惑通りフィニスの門は開かれることとなり、死の国より多くの魔物が出現。この時ガルデラの眷属である『魔女リブラック』も現界する。これ以降リブラックはガルデラ復活のために行動し始める。

ベオウルフと共に旅をしていた『大賢者オージン・クロスフォード』は、東方より手に入れた『4つの竜石』を用いて、フィニスの門を封印。
ベオウルフは滅びたグラナード王国の王女と結婚し、新たな王国『ホルンブルグ王国』を建国し、『建国王ベオウルフ』となる。そして4つの竜石を信頼できる友人『騎士オスカー・レイヴァース』に託す。


黒曜会
神名暦1492年〜1503(126年前〜115年前)

小国エバーホルドのウェントス王朝時、愛人の子である兄王子と、正室の子である弟王子による勢力争いが起きる。兄王子が勝利し、『弟王子シメオン』は行方不明に。

当時の聖火教会のカタリナ教皇の呼びかけで、国家間の問題を解決するために、王たちによる諸王会議が不定期で開催されることに。

聖火教会の『マシュー司祭』はとある村に赴任した時、その村は落雷が原因で火災に見舞われる。敬虔な信徒であったマシューは亡くなった罪なき村人を助けるため、聖火と神々に祈りを捧げた。
しかし1ヶ月祈っても奇跡は起こらず、彼は聖火教会に不信感を抱き始める。奇跡は起こらなければ意味がない、そのためなら例え禁忌の力だろうと構わない、と歪んだ思想を持つように。

そんな時マシューは魔女リブラックと出会う。彼女に黒呪術を授けて貰い、不老不死となる。辺獄の書にも記されているその術は寿命を永らえる力があった。
その後マシューは、同じく不老不死となっていたエバーホルドの元弟王子シメオンと共に『黒曜会』を設立。黒曜会はリブラックのために資金や人脈を集める組織であった。

そんな不老不死の二人は現代まで生き続ける。その間マシューは聖火教会の追跡を逃れるため表舞台には出ず、密かにガルデラの力の研究をしていた。
一方シメオンは実質的な黒曜会の唯一のトップとなり、マシューの存在を秘密にした。マシューを切り札にしようとしたのか、それとも信用していなかったのかは不明。

これ以降の話は全て現代、約20年前から今(神名暦1618)までのもの。現代では歴史やフィニスの門などの知識はほとんど伝わっていない。


マティアスの暗躍
現代になり、かつて背教者マシューの存在を知る者はもういなくなった。ようやく表舞台に現れたマシューは『商人マティアス』と名乗った。

今年は聖火教会の式年奉火の年。20年前に執り行った運び手は『ヨーセフ大司教』で、今年は彼の娘『リアナ』の番だ。
15年前、ヨーセフは戦争孤児の『オフィーリア・クレメント』を引き取り養女にした。家族を失った悲しみで塞ぎ込んでいたオフィーリアはリアナに元気付けられ、2人は本物の姉妹のように育つ。オフィーリアは8人の主人公の1人。

式年奉火の儀式で扱う種火は、運び手の心に影響を受ける。マティアスはそれを利用し計画を立てる。
まずヨーセフに近付き、信頼を得る。そして黒曜会で手に入れた毒をヨーセフに盛り、少しずつ弱らせて病死に見せかけて殺す。その娘リアナの心に影ができれば、彼女が運ぶ種火も影響を受け、聖火の力が衰えていく。その結果逆にガルデラの力が高まり、マティアスはその力を利用して救世主になれる、と。

しかし予想外のことが起きた。家族思いのオフィーリアが、父の体調を心配するリアナの代わりに式年奉火の儀式の旅に出たのだ。
計画を変え、ヨーセフ亡き後、父の死を悲しむリアナをマティアスは唆しオフィーリアから種火を奪わせた。その計画もオフィーリアの努力と思いで徒労に終わり、マティアスは死んだ。

種火も、リアナの心も取り戻したオフィーリアは、式年奉火の儀式を成功させる。
かつてリアナに心を救われたオフィーリアは、今度はリアナの心を救った。2人はずっと一緒にいることを約束する。

オフィーリア編の他の主な登場人物は、各地の司教やその家族、仲のいい小さな男の子たちなど。


シメオンの暗躍
13年前から黒曜会は暗躍し始める。黒曜館という娼館も密かに建てていた。
権力者たちにも甘い話を持ちかけたが、『ジェフリー・エゼルアート』という領主は信念を持ち耳を貸さなかったため、黒曜会は彼の命を幾度となく狙った。それでも屈しないジェフリーは黒曜会を調べていくと、その背後にあるフィニスの門の存在に辿り着いた。

そんなジェフリーを始末するため、シメオンは詩人と名乗り、エゼルアート家の庭師となる。そしてジェフリーの一人娘『プリムロゼ・エゼルアート』と恋仲に。プリムロゼは8人の主人公の1人。
1年の潜入の末、ついにシメオンは2人の幹部と共にジェフリーを殺害。それが10年前の出来事。

父の仇は正体不明だったが、プリムロゼは復讐を心に誓う。調査の末、3人の仇のうちの1人がとある歓楽街に現れていたことを知る。他の手掛かりもなかったため、プリムロゼは8年もの間踊子としてその歓楽街に留まった、全ては復讐のために。
ついに仇の1人が現れ、プリムロゼの復讐の旅が始まる。

道中故郷へ戻った時に、父の親友で町の元自警団副団長の男爵、そしてシメオンとも再会する。
最終的にかつて愛したシメオンこそが父の仇だと知り、一度心が折れそうになりながらも、『己を信じ、貫け』という父の言葉で自らを奮い立たせ、家宝の短剣をシメオンに突き立て、その息の根を止めた。

ようやく父の墓参りをし、仇を討ったことを報告したプリムロゼに、1人の男が話しかけてきたところで物語は幕を閉じる。彼は男爵の息子で、プリムロゼの幼馴染だ。

プリムロゼ編の他の主な登場人物は、踊子として働いた劇場の悪者の支配人、助けてくれたために支配人に殺された踊子、娼婦になってしまったかつてのエゼルアート家の侍女など。

辺獄の書
15年前、リブラックはガルデラの力を取り戻すため、約270年前に学者ザロモンが執筆した辺獄の書の入手を目論む。その辺獄の書は今、とある国の王立図書館の特別書庫に収められ、王立学院の学長だけ手に取ることができる禁書となっていた。

リブラックは知識に貪欲な『ルシア』という女性に接触する。そしてルシアに、彼女の教師で王立学院の学者『イヴォン』を紹介される。イヴォンもまたルシア同様知識に貪欲で、リブラックに唆された彼は、当時の学長を始末し、自ら新たな学長になり辺獄の書を手に入れた。
しかしイヴォンが学長を始末したことを報告してから、リブラックは二度と彼の前に現れなかった。リブラックにとってイヴォンは、学長の暗殺と辺獄の書の入手をしてくれる駒でしかなかった。

その後イヴォンはルシアを自分の秘書にし、ルシアを通してリブラックから様々な書物を借り、古代文字で書かれた辺獄の書の解読に取り掛かる。長年の研究の末、ガルデラの生と死の力を引き出す基礎論理を完成させた。
その力を手に入れるため、イヴォンは血晶石なるものを作っていく。それは人の血を抜き取り結晶化させた非人道的なものだった。

そんな中、王立学院の天才学者で王女の家庭教師も務める『サイラス・オルブライト』は、特別書庫から辺獄の書なる本がなくなっていたことを知る。サイラスは8人の主人公の1人。
サイラスも知識に貪欲な学者であったが、イヴォンやルシアと違い知識を独り占めにするのではなく、人々と未来のために世間に広めることを良しとした。辺獄の書が消えた謎が気になる彼は、それを明らかにするため旅に出る。

辺獄の書とイヴォンの繋がりを知ったサイラスは、イヴォンと対峙する。
イヴォンは血晶石を用いてサイラスを殺そうとするが、実はそれはルシアに渡された不完全なもので、結果サイラスに倒されてしまう。

実はルシアもイヴォンを利用していて、基礎論理が完成した時点でイヴォンは用済みとなった。そして自分の手を汚さずにサイラスの手でイヴォンを始末した。イヴォンは死ぬ直前にようやく利用されたことに気付き、サイラスも黒幕は別にいることに気付く。

最後にルシアとも戦い、勝利。サイラスはルシアが持っていた辺獄の書を読み解き、必要な知識を後世に伝えることを決意する。

サイラス編の他の主な登場人物は、サイラスの先輩で10年前王立学院を離れた学者、王立図書館の司書、泥棒を働いていた学者、イヴォンに依頼され辺獄の書を訳した翻訳家など。
ちなみにサイラスの先輩学者は若い頃に、プリムロゼの父ジェフリーにお世話になっていた。


レイヴァース家の家宝
建国王ベオウルフに4つの竜石を託されたオスカー・レイヴァース。その末裔も代々竜石を守っていき、それがレイヴァース家の家宝となる。

10年前、レイヴァース伯爵夫婦の乗る馬車に事故が起き、伯爵夫婦が亡くなる。その事故は黒曜会がレイヴァース家の親類縁者を唆してさせたものだった。こうして伯爵夫婦の娘『コーデリア・レイヴァース』が新たな当主となる。
混乱に乗じて、家宝の4つの竜石は全て黒曜会に盗まれてしまった。それらはリブラックがフィニスの門の封印を解くのに使われ、その後用済みとなったため大陸中に散らばっていく。

もちろんそんなことを知る由もないコーデリアは、家宝を取り戻そうとする。元盗賊であるレイヴァース家の『老執事ヒースコート』は、なんとか1つを取り返した。残りの3つも取り返すため、腕利きの盗賊を罠に陥れることで捜してもらおうと目論む。それに引っかかってしまったのが、謎多き盗賊『テリオン』だ。テリオンは8人の主人公の1人。

嵌められてしまったテリオンは竜石探しの旅に出る。その最中、かつての盗賊仲間の『ダリウス』と再会する。ダリウスは昔、私利私欲のためにテリオンを裏切っていた。
そんなダリウスは今や盗賊団のボスで、大きな力を求めるために竜石を集めている最中だ。結局テリオンに敗れ、全ての竜石はレイヴァース家に返された。

テリオンはこの旅で再び人を信じることができるようになったが、人を信じることができないままのダリウスは手下に裏切られ、一人寂しく死んだ。

テリオン編の他の主な登場人物は、竜石を研究していた学者とその友人など。


ホルンブルグ王国の滅亡
24年前、リブラックは『ヴェルナー』という傭兵に接触し、ホルンブルグを滅ぼすよう持ちかけた。ホルンブルグの領土内にあるフィニスの門に近づくために。
ヴェルナーは野心溢れる人物で、リブラックのくれる資金や人脈に心が惹かれ協力することに。

21年前、ホルンブルグは南方の異民族からの侵攻を受けていた。諸王会議にてホルンブルグへの救援が決まる。最終的に聖火騎士団とオルステラ連合軍が異民族を退けたが、ホルンブルグの辺境にあるグラナドの町が滅ぼされてしまった。

20年前、いよいよヴェルナーは計画を実行する。まず傭兵団を設立し、その後一部の手下を山賊のふりをさせてホルンブルグの辺境を襲わせる。それを傭兵団で制圧するふりをしていく、いわば盛大な自作自演だ。しかも中心地にある軍よりも必ず早く駆けつけることができた。それを繰り返したことで傭兵団は辺境の民や有力者の心を掴んでいき、そのまま国内外でも信用を得ていく。
当時、ホルンブルグのアルフレート王は信頼されている国王だった。だからアルフレート王さえ失えばホルンブルグは必ず瓦解する、そう考えたヴェルナーは、傭兵団の一員で滅ぼされたグラナドの町の生き残りである『エアハルト』に目をつけた。

エアハルトは自分の故郷は見捨てられたのだと、ホルンブルグと王を憎んだ。そんな彼はヴェルナーから王の暗殺の任務を引き受け、騎士として送り込まれた。
実力者であるエアハルトは騎士の頂点にまで上りつめ、烈剣の騎士という称号を与えられる。そんなエアハルトと双璧をなす男がいた。剛剣の騎士の称号を持つ彼の名は『オルベリク・アイゼンバーグ』。オルベリクは8人の主人公の1人。

8年前、ヴェルナーが傭兵団を使ってホルンブルグで内乱を起こす。王と二人っきりになったタイミングでエアハルトは王を殺害。オルベリクは勘づき王の元に戻ったが、結局エアハルトを止めることができなかった。こうしてヴェルナーはたった12年で一つの国を滅ぼすことに成功。
実直なオルベリクは守るべき王国と王を失ったため剣を振るう意味が分からなくなり、その後小さな村に身を寄せる。

一方、ヴェルナーはリブラックのことを利用価値があると思いながらも、彼女の悪意に危うさを感じる。ホルンブルグ滅亡後リブラックとの関係を切り捨て、傭兵団も解散させた。
そして稼いだ資金で領主という地位を手に入れるが、その方法は、前領主に偽物の罪をでっち上げて処刑するという酷いものだった。利己主義の彼は、暴君としか呼べない圧政者となり、町を恐怖に染めた。

8年経った今、オルベリクは偶然エアハルトの手掛かりを掴む。エアハルトの真意を知るため、彼は旅に出る。
ついにエアハルトと再会を果たすが、実は彼は素晴らしいアルフレート王を殺したことを後悔していた。オルベリクはエアハルトと剣で語らい、和解する。

ヴェルナーのことを知ったオルベリクは、彼の居場所へ向かう。ヴェルナーの悪政を止めるため、オルベリクは陥れられた前領主の息子が率いるレジスタンスに協力する。駆けつけてくれたエアハルトの助けもあって、その町を解放することに成功。
ホルンブルグを滅ぼしたヴェルナーは、そのホルンブルグの騎士に倒されて、死んだ。この旅でオルベリクもエアハルトも、困っている人のためにと、再び剣を振るう意味を見つけた。

オルベリク編の他の登場人物は、オルベリクに懐く村の少年、協力してくれた闘技場の興行主と剣闘士や町を守る守衛長、エアハルトの手掛かりをくれたかつての傭兵団員たちなど。

手記
小さな港町で暮らす商人の娘『トレサ・コルツォーネ』。自分の本当にしたいことが分からない彼女は、海の向こうに憧れていた。トレサは8人の主人公の1人。

近頃海賊が現れ、港町を荒らしていく。そんなある日大きな商船が停泊してきて、トレサはその船長『レオン・バストラル』と出会う。海賊を懲らしめようとするトレサを、レオンは協力した。
レオンは有名な大海賊だったが、商人に鞍替えした。彼はトレサの勇気を褒め称え、商船の積荷の1つをトレサにあげることに。トレサが選んだのは昔この商船に乗った旅人が置いていった『手記』。金銭的価値のないそれにトレサは強く惹かれ、修行の旅に出て手記の続きを記すことを決意する。

実はその手記の持ち主は『グラム・クロスフォード』という男で、彼はかつて竜石を用いてフィニスの門を封印した大賢者オージン・クロスフォードの末裔だ。トレサは旅の最後でその名前を知る。

12年前、グラムの妻は珍しい病に冒されていた。体中が痙攣し紫色の斑点が出る症状だった。彼は息子を友人に預け、妻の病を治療する方法を探す旅に出た。
しばらくして、彼はとある日記職人からその日記帳を購入し、それ以降旅の記録を綴っていった。

2年間探し求めた結果、ついに薬のレシピが出来上がり、あとは最後の素材さえ入手できれば薬が完成する。
しかしそれを入手できるのは海を渡った先で、その時停泊したのはレオンの商船、その1隻のみだった。グラムはレオンに乗船を懇願するが、試すような言い方で見返りを求められる。もう所持金残りわずかのグラムは、その旅の記録を綴った手記をお代にした。レオンはグラムのことが気に入り、快く彼を招き入れた。
その手記が10年の月日を経て、トレサの手に渡る。

そんなトレサは旅の途中で、大きな港町で行われる大競売のことを知り、そこに出品することを決意。
大競売では年に一度、贈呈品の品評会が開催されていて、それは投資者の大富豪が、脚が弱い自分の娘『ノーア・ウィンダム』に世界中の宝物をあげるためのものだった。そこでトレサはノーアと知り合う。

その直後、トレサの持つ手記は謎の女に奪われる。トレサは彼女の正体を分からずじまいだったが、実は彼女は黒曜会の幹部で、手記はグラムのものだったからこそ狙われたのだった。ただ結局そこには黒曜会の欲する情報はなかった。
どうにか手記を奪い返したトレサは、今までの旅そのものこそが自分の宝物だとに気付く。

品評会でトレサはノーアへの思いを乗せて手記を出品し、見事に今年の贈呈品に決まった。ノーアはトレサから貰った手記に自分のこれからを記していくことに。成長したトレサは故郷へ帰った。

トレサ編の他の主な登場人物は、最初の海賊2人、鉱山の町を荒らしていた地主とその手下など。

恩人さん
小さな村で暮らす薬師の青年『アーフェン・グリーングラス』。彼は10年前珍しい病に冒されていたことがあり、その時救ってくれたのが旅の薬師だった。
お代も求めずに救ってくれた薬師の『苦しむ人がいるから助ける、当たり前のことだ』という言葉に感銘を受けたアーフェンは、親友と共に薬師になった。アーフェンは8人の主人公の1人。

アーフェンはその恩人と同じように大陸中の病に苦しむ人々を救いたいと志すようになる。親友にその気持ちを後押しされ、アーフェンは旅に出る。
その旅の中でアーフェンは『オーゲン』という薬師と出会う。オーゲンは罪人を救わない主義。なぜなら、昔救った罪人に彼の妻が殺されてしまったから。数年後に妻の仇を見つけその人を殺し復讐を成し遂げたが、それ以降生きる希望を失う。

そんなオーゲンは10年前旅の途中で、とある薬師と出会う。その薬師は『苦しむ人がいるから助ける、当たり前のことだ』とオーゲンに話していた。
そう、アーフェンの恩人とオーゲンの出会った薬師は同一人物。その正体は、レオンの商船に手記を残したグラムだ。アーフェンはやっと恩人の名前を知った。

グラムの妻とアーフェンが患っていたのは同じ病だったが、実はオーゲンもその病に冒されていたのだ。倒れたオーゲンは死を望んだが、アーフェンは親友の手紙に励まされオーゲンを治すことに。幼い頃恩人に尋ねた薬のレシピを思い出し、薬を完成させる。

アーフェンの言葉からオーゲンは少しだけ生きる希望が湧き、救える命を救っていこうと思うようになった。そんなアーフェンはこれからも真っ直ぐに人々を救っていくだろう。

アーフェン編の他の主な登場人物は、親友の妹、アーフェンが救った家族、金しか眼中にない悪徳薬師、アーフェンに救われた元傭兵の泥棒など。

実は10年前、グラムは薬を完成させ妻の元へ帰ったが、間に合わず妻は亡くなってしまった。ひどく悲しむグラムに、魔女リブラックが近付き、奥様にもう一度お会いになりたくありませんか?と囁く。リブラックからフィニスの門の存在を知ったグラムは、藁にもすがる思いでそこを目指そうとした。
その途中でグラムは病に冒されていたアーフェンと出会っていたのだ。結局使われることのなかった薬はグラムの鞄の中にあったため、彼は運命を感じそれをアーフェンに使った。
この旅は無意味じゃなかったと思うグラムだったが、この後過ちを犯すことに。

赤目
ヴェルナーによりホルンブルグが滅び、フィニスの門の封印を解くための竜石も入手した。こうして6年前、リブラックはグラムを連れフィニスの門に辿り着く。リブラックは儀式の魔法陣を描いた。彼女の目的は当然グラムの望みを叶えることではなく、ガルデラを蘇らせることだ。
フィニスの門を封印したのは大賢者オージン・クロスフォードだったが、ガルデラを蘇らせるためにも器としてクロスフォード家の血筋が必要、だから末裔のグラムが狙われたのだ。

グラムも実は途中でリブラックの狙いに気付いていた。それでも付いてきたのは、もし彼が逃げれば今度狙われるのが彼の息子になるからだ。彼はリブラックに従うふりをして儀式を潰そうと考えた。

しかしその儀式のおぞましさはグラムの予想を超え、すぐにグラムは別物の何かに変わっていった。意識が消え去る直前、彼の脳裏に妻と息子の笑顔が焼き付き、彼に反撃する力を与えた。攻撃され深手を負ったリブラックはその場を逃げ、儀式は中断された。
しかし残念ながらグラムはもう人間に戻れず、少しずつ異形のものになっていく。時折意識を失うと破壊を行っていった。ついに最後は、赤い眼で石化の力を持つ完全なる魔物と化す。

黒曜会がグラムの手記を狙った理由もここで想像できる。グラムの手記の存在を知り、グラムやフィニスの門について何か書かれているのではないかと思ったからだろう。しかし手記はリブラックと出会う前にレオンに渡したので重要な情報は何もなかった。

1年前、聖火騎士団はその魔物を『赤目』と名付ける。苦戦したため、黒き森の凄腕の狩人『ザンター』に赤目狩りを依頼する。
黒き森の狩人は魔物と心を通わせられ、魔物を相棒として使役する珍しい狩りの仕方を行う。その数は少なく、今やたった2人のみ。1人がザンター、もう1人がザンターの弟子『ハンイット』だ。ハンイットは身寄りのなかった小さい頃にザンターに拾われ、狩人として育てられた。ハンイットは8人の主人公の1人。

1年経ってもザンターの消息がなく、ある日ザンターの相棒の魔狼ハーゲンだけが帰って来た。師匠に何かがあった、そう察したハンイットは師匠探しの旅へ。
すぐにザンターは見つかったが、彼は既に赤目に石化されていた。ザンターの残した情報を元に、ハンイットは『占い師スサンナ』という老婆を訪ねる。
スサンナによると石化を解くには赤目を倒すしかない。そしてハンイットが石化しないように、石化に効く薬を作ってくれた。

聖火騎士団は赤目の居場所を突き止めくれて、ハンイットはそこに向かう。最終的に赤目を倒し、今まで石化された人々は皆元通りに、もちろんザンターも。帰路に着くハンイットはザンターと再会し、2人で黒き森へと帰る。この旅はハンイットを狩人として成長させた。

赤目の居場所に再び向かうと、一時的に正気に戻ったグラムの懺悔の言葉を見つけることができる。私を殺してくれ、それが最後の罪滅ぼしになるから、と。その最後に、すまない、クリス、と書かれていた。

ハンイット編の他の主な登場人物は、ザンターにお世話になっている未亡人、スサンナの用心棒、町を守るため赤目と戦った将軍など。

ちなみにスサンナのフルネームはスサンナ・グロトフで、元は有名な学者だった。そんな彼女はいつしか黒曜会に目を付けられる。
黒曜会はスサンナを始末するために暗殺者を送ったが、ザンターのおかげで暗殺は失敗。すぐに自害しようとした暗殺者を、今度はスサンナが助ける。その時のスサンナの言葉に感激した暗殺者は、彼女を守るために用心棒となったのだ。


父を探す青年
主人公たちは旅の途中で、『クリス』という青年と度々出会う。彼は行方知らずの父を探す旅に出ている。そう、その父こそグラムなのだ。もちろん主人公たちがそれを知るのは物語の最後。

主人公たちはリブラックとも度々出会う。クリスと同様その正体を知るのは物語の最後。リブラックは運命の人を探していたが、その運命の人の条件は、金髪、碧眼、名前にフォードという言葉があって、献身的な人。それらは全てグラム、そしてクリスの特徴だ。

旅の終盤、主人公たちはクリスとリブラックをそれぞれ知る人物から、2人とも旧ホルンブルグ領合戦場跡に向かったことを知る。その合戦場跡で主人公たちはフィニスの門を見つけ、その中に入るリブラックとクリスが入っていく。
意を決して中に入る主人公たちは、マティアス、イヴォン、ヴェルナー 、ジェフリー、コーデリア父、そしてグラムの手記を見つける。それは既に死の国にいる彼らが自分たちの過去や死の真相を綴ったものだった。それらの内容は8人の物語を繋げていく。

さらに奥に進むとそこに魔女リブラックとガルデラがいた。ガルデラはクリスを器にして蘇ろうとした。そしてリブラックを取り込み、邪魔な主人公たちを殺そうとする。今までの旅で成長した主人公たちは力を合わせ、ガルデラを倒し、クリスを救い出す。
騙されたことに気付いたクリスの前に、グラムとその妻の魂が現れる。クリスはようやく父母と再会を果たす。そしてクリスは主人公たちと共にフィニスの門を出たところで、全ての物語これにておしまい。

魔神ガルデラの復活のために、眷属の魔女リブラックがたくさんの人を利用し、たくさんの人生を狂わせた。その利用された人たちと関わりを持つ、もしくは関わりを持っていく8人の主人公たちが、最終的にガルデラを倒し、リブラックに利用されたグラム・クロスフォードの息子クリスを救い出し、オルステラ大陸に平和をもたらす。そんな物語でした。

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