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令和4年第4回大田区議会定例会 議案討論②の動画と全文 鉄道と魅力的なまちづくり宣言

11月29日(火)から12月8日(木)まで、#令和4年第4回大田区議会定例会 が行われました。

最終日に私が行った議案討論の動画が、YouTubeの大田区議会チャンネルで公開されています。

2回登壇しました。
そのうち、#まちづくり環境委員会 付託議案への討論について、下記リンクより、ぜひご覧ください。
17分40秒から23分37秒までが、私の登場箇所になります。
https://www.youtube.com/watch?v=bp1kJJdpfIs

下記の議案についての反対討論となります。
○第103号議案 #鉄道と魅力的なまちづくり宣言

以下、私の発言の全文を掲載します。

* * * * *
 立憲民主党大田区議団 庄嶋孝広です。ただいま上程されました「第103号議案 鉄道と魅力的なまちづくり宣言」について、会派を代表して、反対の立場で討論いたします。
 本議案は、本会議で奈須りえ議員が行った議案質疑、また、まちづくり環境委員会での議案審査を通じて、新空港線・蒲蒲線の整備を契機に、都市間競争に負けないような大田区のまちづくりを行うことをめざす宣言であると理解しました。
 そのうえで、懸念や疑問がありますので、まちづくり環境委員会で行った討論を踏まえつつ増強する形で、4点ほど指摘いたします。
 まず、1点目として、まちづくり環境委員会での議案質疑において、なぜこのタイミングでの宣言なのか、という私の質問に対して、鉄道開業から150周年であること、また、新空港線の整備が進み始めたことが理由である旨の答弁がありました。
 新空港線・蒲蒲線については、整備主体となる第3セクター「羽田エアポートライン株式会社」も設立され、新しい段階に入ったことは確かです。しかし、いまだ疑問や反対の区民意見も目立ちます。費用や効果など、区民の疑問に丁寧に答えていくことがまだ必要な段階であり、大田区の名のもとに宣言を発することにより、そういった釈然としない区民感情を強引に押し切ってしまうことになるのを懸念します。
 次に、2点目として、大田区で過去に出された3つの宣言、すなわち「大田区平和都市宣言」「スポーツ健康都市宣言」「国際都市おおた宣言」に比べると、「鉄道」「まちづくり」というのは、めざす姿としては具体的で次元が異なる印象があります。加えて、全国的にみて、オンリーワン、ナンバーワンの地域資源である羽田空港に比べ、「鉄道」をテーマとした宣言を大田区で行うことが、区民に自然に受け入れられるかについては疑問があります。
 また、今年の第3回定例会で「ゼロカーボンシティ宣言」が議員提案された際のまちづくり環境委員会での理事者答弁で、時限的なものは宣言になじまない、恒久的なものが宣言にふさわしい旨の見解が示されました。そのような見解は、わが会派としては異論のあるところですが、それはひとまず置いておき、このたびの、まちづくり環境委員会での私の質問に対しても、「鉄道と魅力的なまちづくり宣言」は時限的なものではなく恒久的なものである旨の答弁がありました。しかし、かつての水運に鉄道がとってかわったように、鉄道が恒久的に主要な交通手段であり続ける保障はありません。
 3点目として、12月21日に開催予定の大田区新空港線「蒲蒲線」整備促進区民協議会において宣言を予定しているとのことですが、まちづくり環境委員会での議案質疑において、宣言文をつくるにあたって、区民協議会を含めて何らかの区民参加の機会はあったのか、との私の質問に対する答弁はノーでした。
 平成29年、2017年3月12日の大田区制70周年記念式典の中で行った「国際都市おおた宣言」が、平成26年、2014年9月に設置された『「国際都市おおた」推進に関する区民・有識者会議』での1年半にわたる検討を踏まえて制定されたことと比べると、拙速に準備された印象は否めません。現在策定中の(仮称)新空港線沿線まちづくり構想は、2050年頃までを想定年次とするものであり、来年度2023年度から策定が始まり、大田区政の最も根幹となるはずの新基本計画の計画期間さえ上回ることを考えると、「鉄道」「まちづくり」は長期にわたり大田区政に縛りをかけるものとなります。そんな大事なテーマに関する宣言であるからこそ、制定するのであれば、もっと丁寧に進めるべきです。
 最後に、拙速な進め方であることにも関係しますが、4点目として、宣言の内容についても、まだ十分に練り上げられたものではないと考えます。まちづくり環境委員会で須藤英児委員からも鉄道と大田区の関係の歴史について指摘がありましたが、明治9年、1876年に大森駅ができたことで、不入斗と呼ばれていた地域に現在の大森のまちが生まれ、翌明治10年、1877年に大森駅で停車後に動き出した蒸気機関車の車窓からモース博士が大森貝塚を発見しました。鉄道150年に合わせて行う宣言であるのなら、このような大田区の鉄道にちなんだ唯一無二の歴史もわかるように織り込んだ内容にして、区民の愛着を高めるべきです。大田区らしさが薄いまま未来を志向するような「前のめり」な宣言文にも、改善の余地があると考えます。
 わが会派は、「新空港線整備資金積立基金」を「新空港線整備及びまちづくり資金積立基金」に変更する「第86号議案 大田区積立基金条例の一部を改正する条例」についても反対しました。改正理由にあった「区の総合的なまちづくり」に基金の対象を広げることについて、基金を何に使えて、何に使えないのか、現時点では判然としないことが特定目的基金としてはふさわしくないと考えたためです。基金の対象拡大にせよ、宣言にせよ、「勇み足」な進め方には賛成できません。
 以上のようなことから、本議案「鉄道と魅力的なまちづくり宣言」には「反対」とする、立憲民主党大田区議団の討論といたします。
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#チクメン  #一所懸命 #とことん現場主義
#大田区議会議員  #庄嶋たかひろ #庄嶋孝広

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