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令和4年第3回大田区議会定例会 一般質問の動画と全文 ①長期休暇中の子どもの食事の支援 ②大森駅西口都市計画とにぎわい

9月13日(火)から10月12日(水)まで、#令和4年第3回大田区議会定例会 を開催中です。

9月14日(水)に私が行った一般質問の動画が、YouTubeの大田区議会チャンネルで公開されています。下記リンクより、ぜひご覧ください。
https://youtu.be/BDSxQlbWbDA

下記の2テーマ(4問)を取り上げました。
1 #長期休暇中の子どもの食事の支援について
2 #大森駅西口都市計画とにぎわいについて

以下、私の発言の全文を掲載します。

* * * * *
 立憲民主党大田区議団 庄嶋孝広です。
 今回は、「ひと」と「まち」に関するテーマを、1点ずつ取り上げます。
 
 まず、「ひと」に関するテーマとして、長期休暇中の子どもの食事の支援について伺います。
 今年度の大田区立小・中学校の夏休みが終わり、2学期が始まりました。
 長期休暇中は子どもの生活応援が必要というのは、平成29年度に大田区の子どもの貧困対策計画である『おおた子どもの生活応援プラン』に取り組み始めて以降、認識されている点と考えます。
 令和元年度には、「子どもの長期休暇応援プロジェクト」も行われ、夏休みには、区内3ヵ所で、昼食、学習、体験の提供がセットで実施されました。また、新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、一斉休校となった春休みには、こども食堂6ヵ所の協力を得て、弁当と自宅学習用プリントを提供しました。
 その後、『おおた子どもの生活応援プラン』は、今年度より新たな5か年計画がスタートしています。一方で、今年度の夏休みは、区として長期休暇応援の取組みがあったようには見えませんでした。
 確かに、大田区では、こども食堂やフードパントリーの活動が増えています。東京都の子供食堂推進事業の補助金、政府備蓄米の提供などもあり、継続的な活動を支えることにつながっています。日常的な子どもの食事の支援として定着してきているといえます。
 しかし、長期休暇中は、特に、給食がないことに配慮しなくてはなりません。昼食の提供の必要性が高いといえ、こども食堂などの自主的な活動だけでは、対応しきれないところもあるのではないでしょうか。令和元年度の子どもの長期休暇応援プロジェクトでは、昼食の提供に重点が置かれていました。
 しかも、今年度は、物価高の状況下にあります。家計が直接影響を受けていることが考えられ、例年以上に、夏休みの食事の支援のニーズは高かったのではないでしょうか。また、こども食堂やフードパントリーなどを行う団体も影響を受けていることが考えられます。
 物価高の影響については、認定NPO法人全国こども食堂支援ネットワーク・むすびえが今年6月に行った「第6回こども食堂の現状&困りごとアンケート」があります。623件の回答のうち、70%が「物価上昇による影響を感じている」としており、そのうち全体の15.6%、すなわち6件に1件は、「開催頻度や料金、食事の内容などを変更している・する予定」としています。
 大田区でも、フードパントリーを行う団体から、提供する食品の寄付が集まりにくくなっているとの話を直接伺っています。
 議会事務局の協力を得て、東京23区の状況を調べたところ、文京区、墨田区、豊島区、板橋区、足立区の5区で、今年度の夏休みの子どもの食事の支援についての取組みがありました。
 学習支援事業に参加する子どもたちに、昼食用のお弁当や持ち帰りの食品を提供している区、また、条件に当てはまる世帯に、食品セットやお米を提供している区があることがわかりました。
 大田区でも、長期休暇中の子どもの食事の支援について、支援を必要とする子どもの状況を把握し、今年度の冬休みからでも取り組むべきと考えます。
❶ そこで伺います。今年度の夏休みについても、子どもの食事の支援に取り組むべきであったと考えますが、長期休暇中の子どもの食事の支援について、区の見解を伺います。
 
 財源としては、大田区には、ちょうど3年前の令和元年第3回定例会での議決を経て創設した、「大田区子ども生活応援基金」があります。
 私は、令和元年第4回定例会での一般質問で、基金の活用法として、こども食堂を継続的に支え、区内各地に広げることを提案しました。
 その点は、東京都子供食堂推進事業により実現したといえます。それゆえ、子どもの長期休暇応援の取組みを実施する日数、場所、内容などを、令和元年度に行ったものより拡充する方向で基金を活用してはどうかと考えます。
 基金への寄付状況については、区ホームページでも公開されており、令和元年度は20件、約1,100万円、令和2年度は45件、約400万円、令和3年度は72件、約640万円となっており、2年度より3年度は金額が増えています。
 また、基金の活用事例についても、区のホームページで紹介されており、令和元年度の子どもの長期休暇応援プロジェクトのほか、令和2・3年度は絵本がつなぐ地域と親子のきずな、令和3年度は国内友好都市と連携した食糧支援が掲載されています。
❷ そこで伺います。「大田区子ども生活応援基金」の使途として、子どもの生活を応援するための多様なニーズに柔軟に対応していく一方で、長期休暇中の子どもの食事の支援の必要性もあると考えますが、区の見解を伺います。
 
 大田区は、23区の中でも、子どもの貧困対策計画を単独の計画としてつくっている数少ない区です。引き続き、大田区社会福祉協議会や区民活動団体と連携しながらも、区が司令塔となって力強く取り組むことを求めます。

 次に、「まち」に関するテーマとして、大森駅西口都市計画について、特に、にぎわいの観点から伺います。
 今年1月、補助第28号線、すなわち、池上通りの都市計画変更と大森駅西口広場の都市計画決定がなされました。
 池上通りの拡幅については、昭和21年の戦災復興の都市計画決定以来、実に、70年以上動かなかったものが、駅前の約530m区間において動き出しました。
 バス、タクシー、車、バイク、自転車、歩行者などが狭い道路空間にひしめき合う、長年の懸案の解消に向けて動き出したことは前進といえます。
 令和5年度末の都市計画事業認可を目指して、この9月から現況測量、用地測量も始まっていきます。
 ここでは、特に、大田区が整備主体となっている「大森駅西口広場」について取り上げます。
 大森駅西口広場は、高低差のある地形を生かして二層構造とし、道路と同じ高さの人工地盤上部には「オープンスペース」を、鉄道と同じ高さの人工地盤下部には「にぎわい空間」を設けるものです。
 このことにより、「歩行者空間の創出」「地域の防災性向上」「地域のにぎわい空間の創出」の3つの整備効果が期待されています。歩行者空間と防災の効果については論をまたないと思います。
 一方、昭和の面影を残す「山王小路飲食店街」通称「地獄谷」を含め、いまある商店街や飲食店街の集積がなくなります。
 JRの線路に近い、道路の片側の店舗がなくなることで、すっきりとした空間になることは想像できるものの、逆に言うと、立ち寄る店舗もない、また、人目も少ない寂しい空間になるおそれもあります。
 大森駅西口について、幾度となく再開発の構想が浮かんでは消えていったのも、道路拡幅による安全性の確保と商店街、飲食店街としての駅前らしいにぎわいの確保の両立をどう図るかが課題だったからといえます。
 その意味で、再開発を伴わない道路事業として今回の都市計画が進むことになったのは、歩行者空間や防災といった安全性が、にぎわいより優先されたとみることもできます。
 そのため、大森駅西口広場の人工地盤下部に設ける「にぎわい空間」は、商店街や飲食店街の代替的な機能を果たすものとして大変重要であると考えます。
 私が着目するのは、この大森駅西口広場が、都市計画施設としては、その他交通施設に含まれる「交通広場」である点です。法的に制約の少ない交通広場の使用ルールを条例で定め、柔軟な利用ができることに期待します。
❸ そこで伺います。大森駅西口広場は、道路でも公園でもない「交通広場」の自由度を生かして、駅前らしいにぎわいを生み出していくべきと考えますが、区の見解を伺います。
 
 実際、私が訪れた都市の中で、まちの中心に広場を設け、にぎわいを生み出している取組みがあります。
 青森県八戸市には、平成30年にオープンした、「マチニワ」という施設があります。みんなとつながるまちなかガーデンをコンセプトとした、全天候型の半屋外広場です。イベント等で広く使用する「面積使用」のほか、音楽等のパフォーマンスやキッチンカーによる販売等で小さく使用する「行為使用」もあり、八戸まちなか広場条例により運用され、にぎわいにつながっています。
 この「マチニワ」をはじめ、「全国まちなか広場研究会」では、全国のまちなか広場の事例を豊富にネットワークしており、それらも参考にしつつ、交通広場の特徴を最大限生かすため、調査研究していくことを要望します。
 また、まちづくりにおいては参加のプロセスも大事です。
 大森駅西口のまちづくりが大きく動いたのは、平成23年に策定した『大森駅周辺地区グランドデザイン』をもとに、平成24年に「大森八景坂地区まちづくり協議会」が立ち上がったことが大きな画期となりました。
 地権者による議論を重ね、平成27年の『大森八景坂地区まちづくり計画案』をもとに、平成30年12月に『大森駅西口周辺の都市基盤施設整備方針』がまとまり、今回の都市計画決定につながりました。
 そこに表れている地権者の思いを大切にするとともに、大森駅西口広場については、今後、用地の取得を通じて区が所有する交通広場となることもあり、広く区民や来街者などの思いも大切にしていかなくてはなりません。
 例えば、これまでの地獄谷には行っていなかった層の意見も必要です。また、『大森駅周辺地区グランドデザイン』において、大森駅西口は「文化かおる緑のエリア」とされており、大森貝塚、馬込文士村などのコンテンツを生かすためのアイデアも必要です。
❹ そこで伺います。大森駅西口広場を整備していくうえで、特ににぎわいを生み出すうえで、広く区民などの意見を反映する機会を設けていくことが重要と考えますが、区の見解を伺います。
 
 結びになりますが、明後日9月16日は、明治10年、1877年にエドワード・モース博士が大森貝塚の発掘を開始した日です。今年は145周年に当たります。まちづくりは時間のかかる取組みですが、さらに長い大森の歴史を継承する取組みであることを述べ、私の質問を終わります。
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#チクメン  #一所懸命 #とことん現場主義
#大田区議会議員  #庄嶋たかひろ #庄嶋孝広

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