Cレギュ終盤に登場した最強クラスのデッキ「クワガノン」について
来年1月14日のCレギュ落ちで、特性バッテリーを持つデンヂムシが使用できなくなるため、残りわずかの命となってしまったデッキです。
しかし、あまりの強さからシティリーグ アディショナルシーズンⅡ やプレイヤー主催の大会でギリギリまで活躍が見込めるデッキであるため、デッキ構築における考え方や、カードの採用理由、プレイングについて記載しました。
またミラーマッチやクワガノン対面での立ち回りについても触れますので、勝ち方がわからないという方も是非参考にしてください。
■デッキレシピ
まずはこちらが私の使用しているデッキの内容です。
練習で参加したジムバトルで4勝0敗(優勝)、32チーム(96名)参加のユーザー主催大会「フワライドカップ(3人チーム戦)」で6勝2敗(チーム優勝)、また一緒に優勝したチームメンバーが59枚同じ内容のデッキを使用して7勝1敗と好成績を収めることができました。
■デッキの強み
・デンヂムシの特性バッテリーにより、エネルギー手張りのターン制限による遅れがない。
・バトル場を無視したクワガノンのエレキブラスター(200ダメージ)が、非GX、非Vポケモンの中では破格すぎる。
・こちらはGX、Vポケモンを1枚も採用していないため、基本的には相手側は6匹のポケモンを倒す必要がある。(三神、ヨクバリス等の例外あり)
さらにジメレオン、インテレオンの特性うらこうさくにより自由にトレーナーズのカードを加えることができるため、デッキの安定性も高い非の打ち所がないデッキです。
また、うらこうさくと聞くと、その場に合わせた選択を求められる難しい特性だと思われがちですが、このデッキにおいては「クワガノンが進化してワザを使う」ために必要なカードのうち、手札で足りていないカードを持ってくるだけなので、それほど敷居は高くありません。
■デッキの構築について
まずは全体的なデッキ構築の方針についてです。上記でこのデッキの強みを記載しましたが、クワガノンへと進化させ、ワザを使うに至るまでに必要なパーツは少なくはありません。
「ふしぎなアメ」「クワガノン」「デンヂムシ」2枚、またクワガノンはすぐに倒されてしまうため、次に進化させるためのアゴジムシをベンチに用意する必要があります。
そのため、できるだけ自分のデッキの動きに関連するカードを多く採用して、他の要素のカードを減らしました。
その例として、今回採用を見送ったカードはこちらです。
・「ツールスクラッパー」...タフネスマントや隠密フードへの対処
・「やまびこホーン(2枚目)」...システムポケモンを多く使用するデッキ(主に三神)が、ベンチを絞ってくるときの対処
・「ボスの指令」...特性ベンチバリアのミュウや特性かがくへんかガスのガラルマタドガスなどの対処
・「きとうし」…グッズロックやシャドーミストの対処
などなど採用したいカードはたくさんありました。特にサポートはドロー効果を含まないカードを使用しながら、クワガノンを育成することがデッキを回す中で難しいと強く感じました。
クワガノンを使用していて、デッキが回らなかったり、なかなか勝てなかったりする方は、この辺りの改善が必要だと考えられます。
実際に大会では、三神相手にベンチバリアのミュウに隠密フードを付けられて、しっかり2ターン目(後攻)でオルタージェネシスを使われましたが、特性クイックシューターのインテレオンを2匹並べてバトル場にダメージを集めることで、3ターン目からの攻撃(3回)で勝ち切る試合もありました。
デッキさえ回れば、戦い方次第でなんとかなるということです。実際に最近はまたミュウやゲンガーなど有利対面のデッキが多く、デッキが回りさえすれば勝てる試合が多い環境の中で、クワガノン対策の対策ばかり考えてしまいデッキが安定しなくなることが、勝てる試合も落としてしまう1番もったいないケースだと考えます。
■カード採用理由
上記のデッキの方針を踏まえて、2枚のカードに焦点を絞り紹介します。
・「ミュウ(特性ふしぎなしっぽ)」...クワガノンが倒された後にバトル場に出すことで、次のクワガノンを用意するための安定性が上がります。
ただしこのプレイをするときは、既にこのポケモンにエネルギーが付いているときや、手札にエネルギーまたは「回収ネット」があって確実に逃げれるときに限ります。
また、序盤はメッソンが優先のため、無理に用意する必要はありませんが、最初のポケモンとしても優秀で、中盤以降はエネルギーを付けてベンチに用意しておくことで、「リセットスタンプ」の返しにも強くなります。
注意点はミラーマッチやれんげきテンタクルなど非GX、非V対決で特性クイックシューターのインテレオンが採用されている対面では、クイックシューターの的になってしまうため、この場合はベンチに出すのは危険です。
・「博士の研究(2枚)」...1枚採用は多く見るものの、2枚採用のレシピはそんなに多くは見かけないと思いますが、個人的には2枚を推します。
このクワガノンというデッキは、捨てたくないカードが多く存在しており、その理由から1枚採用が多いのが実態です。しかしながらその反面、序盤は特にサポートのドロー枚数が重要なデッキでもあります。
特性うらこうさくだけでは必要なカードを手札に用意できず、「マリィ」で5枚ドローした結果、「進化できなかった」「ワザを使えなかった」などは、クワガノンを回したことがある方は何度も経験されていると思います。
特にこのデッキで良く起こりうるケースを踏まえて説明します。それが、アゴジムシが進化できるターンが回ってきて、「デンヂムシ」はあるのに「クワガノン」と「ふしぎなアメ」のどちらか片方しか用意できないパターンです。この場合、仕方なくドロー効果のあるサポートに頼るしかないのですが、「マリィ」の場合「デンヂムシ」をデッキの下に戻して、5枚のドローで「クワガノン」、「ふしぎなアメ」、「デンヂムシ」2枚を用意しなければなりません。※「エリカのおもてなし」や「シバ」も状況を選んでしまう。
この場面で「博士の研究」がある場合、「デンヂムシ」をあえてトラッシュしながら7枚ドローすることで、ドロー枚数が多い分欲しいカードを引き込みやすいのはもちろんのこと、序盤はノイズになりやすい「レスキューキャリー」も引いて機能するカードにできます。
なので、このプレイを強くするために「レベルボール」や「しんかのおこう」であえて「デンヂムシ」を手札に加えてから、「博士の研究」を使用するパターンがあることも覚えておくと良いでしょう。
とここまで長々と語りましたが、捨てたくないカードが多いのも事実なので、3枚以上の採用はリスクが高いと感じ、2枚の採用に留めています。一方で「マリィ」はミラーマッチも意識し、「博士の研究」よりも多めに3枚の採用としています。※冒頭で紹介した59枚デッキが同じチームメンバーは、マリィ3枚目が「しあわせタマゴ」です。
これらを踏まえた総括になりますが、
・うらこうさくではできるだけクワガノン育成のためのカードをサーチしたい。
・うらこうさくでは足りない場面もあるため嵩張らない範囲でドローサポートは厚めに採用したい。
2点に加え、ひと試合を通してのドローサポートのバリューを考えた結果、この枚数が安定しました。
■気を付けるべきプレイング
ここからはクワガノンを使用する上で、気をつけるべきプレイングを紹介します。
「ミュウ(ベンチバリア)」への対処
サイドプランによっては、バトル場にダメージを与えることが意味のない場面もあります。その場合はクワガノンを無駄に育てずに特性クイックシューターのインテレオンを早めに出して、特性ベンチバリアのミュウから倒すことを目指します。メッソンに「ふしぎなアメ」を使用してインテレオンになることも少なからずあるので、覚えておくと良いでしょう。
「リセットスタンプ」への対処
ここまでで、ゲーム序盤の安定性を大切にした構築であることを長く語りました。序盤が安定すればゲーム中盤は割と楽にクワガノンを用意して戦うことができます。ここまで潜り抜けると最後の砦は「リセットスタンプ」です。
特性ふしぎなしっぽのミュウをベンチに配置するプレイは記載しましたが、意識するべき回避策としては、ベンチに「メッソン」「ジメレオン」を最低1匹ずつ用意しておくことです。
これにより特性うらこうさくの「ジメレオン」「インテレオン」及びそれに繋がるカードを引いても良し、ドローサポートを引いても良しという盤面を用意することができます。
また盤面に「インテレオン(特性うらこうさく)」がいれば「回収ネット」が、トラッシュに「ジメレオン」があれば「レスキューキャリー」が解決策になります。このようにサイドを取り進める際は、どのデッキにも採用率が高い「リセットスタンプ」を考慮して、1枚でも多く回答となるカードをデッキ内や盤面に用意することを意識しましょう。この辺りのプレイが疎かになると、有利に進めていたゲームでも逆転を許しかねないので注意が必要です。
もう1つは無理にサイドを取り進めないことです。
良くある簡単な例を挙げると、相手のベンチに「ゲノセクトV」2匹と「オドリドリ」がいるとします。クワガノンのエレキブラスターとインテレオンのクイックシューターでゲノセクトVを倒してサイドを2枚取ることができますが、これにより残りサイドが2枚以下になった場合「リセットスタンプ」が重くなります。しかし、このクイックシューターの20点をゲノセクトAに置きながら、エレキブラスターでゲノセクトBに180ダメージを与えることで、サイドは取れませんが「リセットスタンプ」をケアし、次の番でまとめてきぜつさせることでサイドの4枚取りが可能となります。
ただしこのようなプランはHPを回復する手段があるデッキに対して使うと、逆に厳しい展開になってしまう場合もあるので、注意してください。
■ミラーマッチのプレイング
ミラーマッチを苦手としている方も多いのではないでしょうか。
実は必ずしも先攻有利とは限りません。
ここから先は少しコアな話になりますが、一般的な採用枚数でアゴジムシ、デンヂムシ、クガワノン、ふしぎなアメ、レスキューキャリーの各4枚と、ふつうのつりざお1枚では、毎ターンクガワノンを倒しあった場合、攻撃できる最大回数は5回です。(つまりワザで取れるサイドの枚数は5枚)
そこで、勝利するための手段がクイックシューターです。先ほどワザで取れるサイドの枚数は5枚と言いましたが、それでは勝利できないため、6枚目を取る手段となります。
ただし、普通に使っていても、クワガノンは倒せないし、メッソンラインは進化でHPを増やされたり、「回収ネット」で逃げられてしまいます。
なので、クイックシューターを1ターンに3回打てるタイミングを作って、一気に相手のアゴジムシorメッソンを倒すことが求められます。
また、このプレイの強みは、相手がベンチにアゴジムシを2体以上展開できていない場合において、次の番のアタッカーであるクワガノンを用意できない展開に持ち込むことができる点です。
先ほどクワガノンの用意できる数を図解しましたが、クワガノンが1ターンでも長く場に留まることが、ミラーマッチの勝敗に大きく影響することはお分かりになるかと思います。
これを知っているかどうかでミラーマッチの戦い方が大きく変わるので、念頭に置いておきましょう。
■クワガノン対策
続いては、他のデッキがクワガノンを相手にしたときに有効な対策です。
汎用的で効果があるものはやはり特性ベンチバリアのミュウに「タフネスマント」や「隠密フード」を付けることと、「リセットスタンプ」程度です。
他には「うねりの扇」も効果的です。
クワガノンを倒す前に特殊エネルギーとして付いているデンヂムシをこのカードでデッキに戻します。
これにより本来クワガノン側はレスキューキャリー1枚でトラッシュのデンヂムシ2枚を回収して事足りていたことが、トラッシュのデンヂムシが1枚になってしまうことでレスキューキャリー1枚で解決できず、要求されるカードの枚数が1枚増えます。これはクワガノン側にとって結構死活問題です。
ここに「マリィ」や「リセットスタンプ」での手札枚数の操作を合わせることができれば、クワガノンを止めることもできます。
とは言え通常のV、GXを使用するデッキができることは上記の程度です。なのでクワガノンに有利なデッキを簡単に紹介します。
●クワガノンの不利対面
・三神
言わずも知れた非GX、非Vに強いデッキです。ただし、これは三神側が先攻時のみなので注意してください。
実はでもないかもですが、クワガノンが先攻であれば十分勝てます。実際にフワライドカップでは、三神と2回対戦しましたが、運良くどちらも先攻を取れたため勝てました。
・こくばバドレックス
こくばバドレックスVの「シャドーミスト」で特性バッテリーを封じることができます。しかし、これだけでは勝てません。
クワガノン側もインテレオンのクイックシューターでこくばバドレックスVを倒しにきますし、ダメージ量でクイックシューターが勝っているので「シャドーミスト」だけではやりきれません。
そこでオーロット&ヨノワールGXです。「シャドーミスト」でこくば側の準備を整えて、「マリィ」+「ナイトウォッチャー」で手札を削ってクワガノン側の動きを止めます。
実際これが1番厳しくて、フワライドカップの2敗は予選と本戦で同じ方のこくばに2度敗北しました。しかもミュウツー&ミュウまで入っていたため、「ミラクルツインGX」で破産しました。
ちなみにれんげきウーラオスもクワガノンが苦手とするデッキとして挙げられますが、こちらはミュウがトップシェアでこくばも少なからず存在する環境にマッチしていないため個人的にはオススメしません。
■最後に
ここまで読んでいただきありがとうございました。「対はくばバドレックスにおいては、エンペラーライドで160ダメージ出されないためにベンチを4匹までに絞る」など、まだまだ紹介できていない細かい立ち回りもありますが、この辺にしておきます。
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