おいしいものは脂肪と糖で出来ている?
赤ちゃん向けの動画にハマってしまった27歳男性がいる。そう、わたしだ。
その動画とは、0~2歳向けの番組「しなぷしゅ」での10月のオリジナルソング「スパークル」だ。「ぷれしゃす!まほうしょうじょミナモ」 という架空のアニメ番組(?)のテーマソングらしい。
(「架空のアニメ番組」という言葉を聞いたのはポプテピピック以来かも。笑)
この歌は、主人公のミナモちゃんが、魔法少女になって苦手な野菜を克服していくというストーリーだ。苦手なものと向き合うミナモちゃんの姿勢が、ベビーシッターとしてのわたしの心に刺さってしまった。ぜひ一度聴いてみてほしい。
この動画を見て、
最近嫌いなものや分からないものと向き合う機会が減ったよなあ
とふと思った。
YoutubeにしろX(旧Twitter)にしろ、一目でインパクトに残るものが再生数や「いいね!」数で評価される。数秒見て気に入らなかったらすぐスクロールできるからだ。
さらに、レコメンド機能により嫌いなものがだんだん表示されなくなっていく。自分の好きなコンテンツで満たされていく。
しかし、最初はよく分からなかったけど、時間をかけて良さに気づいていくものもある。
たとえば、私が合唱の活動をする中でよく歌うクラシック音楽は、ポップスに比べると、おいしさを感じるまでに時間がかかる。何回か食べていくうちにじわじわとその味の豊かさに気づいていくイメージだ。
科学館でのお客さんとのコミュニケーションも似ている。実験ショーや解説は分かりやすいため、すぐにおいしさを感じられる。
それに比べて対話は、答えのない問いについて一緒に考えるため分かりにくい。でも、対話のなかでお客さんと一緒に考えたい問いを見つけられると、じわじわと楽しさに浸れることがある。
脂肪と糖はおいしい?
野菜単体だとその味の良さに気づくことが難しく、遠ざけてしまうことが多い。
けれどもミナモちゃんは嫌いな野菜から目を背けなかった。
脂肪(マヨネーズ)と糖(りんごジュース)の助けを借りて、野菜のおいしさに気づくことができた。
「分からない」をすぐに遠ざけられる時代だからこそ、そのおいしさに気づけるための工夫を怠らないようにしたい。ミナモちゃんみたいに。
みんなに聞きたいこと
・嫌いなもの、みんなはどうやって克服した?(勉強、食べ物、習い事とか)
・子どもの「好き」はどこまで尊重すべき?(動画見たい、ゲームしたい、お菓子食べたい、とか)
・「分からない」ことを楽しめる / 楽しめない時ってどんな時?