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瀧本哲史さんとプログリット

瀧本哲史さん。エンジェル投資家であり、経営コンサルタントであり、教育者。私にとっては初めての株主であり、メンターでした。当社の歴史を語る上で外すことのできない存在です。そんな瀧本さんとのストーリーをこのタイミングで残しておきたいと思い、文章を書きました。少し長いですが、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

プログリットの創業
プログリットを創業したのは2016年9月6日。僕と共同創業者のしゅんた(山碕峻太郎)は自己資金だけで会社を作ろうと決めました。
投資家の方々にプレゼンテーションをして回ると、どうしても皆さんの意見に流されてしまうと思ったからです。市場の大きさやビジネスモデルではなく、自分たちが心からやりたいと思えることをしようと考えていました。
資本金300万円を用意し、英語コーチング事業のTOKKUN ENGLISH(現在はプログリット)を開始しました。
TOKKUN ENGLISHは現在のプログリットと基本的には同じコンセプトで、お客様に自学自習をして頂く、そのサポートをコンサルタントがするというものでした。
このビジネスアイデアを知人に話しても、それはいける!!という共感を得ることはほとんどありませんでした。

基本的には、金額が2ヶ月で約30万円という設定だったこともあり、「英語のサービスで2ヶ月30万円?しかも自習?だれがそれにお金を払うの?」という反応でした。
周りの人に簡単に理解はされないだろうとは思っていたので、僕たちは前だけを見て毎日走り続けていました。

すると、一人、また一人とお客様が来てくださり、なんとか二人が生活できるぐらいは売上が上がっていました。
ただ、日々一生懸命に走り続けてはいたものの、一つの疑問が僕らに湧いてきました。
このままで、「どうやって日本を変えるぐらいのインパクトを出せるのだろう?」ということでした。
二人がギリギリ生活できるお金はありましたが、それ以上でもそれ以下でもありませんでしたし、会社が今後成長していくイメージを持つことができませんでした。

僕が社会人経験2年、しゅんたが3年ということで経営者としては、未熟過ぎるという認識がありました。
僕らだけで会社を経営していて、これ以上の世界を作るのは相当難しい。これは経営のプロに出資頂き、仲間になってもらって、指導してもらうのがよい。という結論に達しました。

瀧本さんとの出会い
そこでマッキンゼー時代の上司だった横田有香子さんに連絡をして、誰か良い経営者を紹介してほしいとお願いしました。
その後、口石幸治さんを紹介して頂き、当社の事業やビジョンをお話しました。すると口石さんに良い人を紹介できる!と仰って頂きました。
それが我々にとって初めての出資者となる瀧本哲史さんでした。

瀧本さんとお会いしたのは、2017年2月27日。創業から6ヶ月たった頃でした。当時我々が事業を行っていた銀座のレンタルオフィスに来てくださいました。
創業者2人で社員は当時1名。売上もほとんどない状態でしたので、あまり期待はしていませんでした。
パワポ資料を使い創業理由、事業内容、事業の進捗、将来のビジョンなどをお話した後、恐る恐る聞いてみました。

「いかがでしょうか?」

正直に言うと、共感を得ることは難しいんじゃないかと思っていました。
しかし、次の瞬間瀧本さんが仰った言葉は、

「ダンッ(Done)!!」

DONE???僕の頭は一瞬パニックになりましたが、一応英語のビジネスをしていることもあり、これはOK。という意味だと理解しました。

瀧本さん「ちなみにいくらですか?」

僕「え~~~~、、1億円ぐらいですかね?」
その場でこういうことが決まるものだと思っていなかった僕は、とっさにこう答えました。

すると瀧本さんは、

「わかりました!」

え、、、という感じでしたが、こんな感じでどんどん決まっていきます。

瀧本さん「いくら出資すればいいですか?」

僕「え~~~~、、500万円ぐらいでいかがでしょうか?」

すると瀧本さんは、

「ダンッ(Done)!!」とまさかの2回目のDone。

この瞬間に瀧本さんが最初に株主になることが決定しました。
この時、瀧本さんが言ってくださった言葉は今でも忘れません。

「君たち二人は絶対に成功する。」

この言葉を信じて頑張ろうと決めた瞬間です。

瀧本さんとの歩み
そこから、瀧本さんには月に一度のメンタリングをお願いしました。月に一度オフィスに来てくださり、僕としゅんたふたりと1時間のミーティングです。
瀧本さんは、著書を何度も読んだことがあり、僕からすると芸能人のような存在でした。あの瀧本さんの1時間を毎月もらえるということで、毎回楽しみでなりませんでした。
瀧本さんは事業理解のスピードが尋常ではなく、創業者の僕たち以上に我々のビジネスを理解していたようにも思います。
ミーティングになると、毎回瀧本さんの弾丸トークを必死にメモっていました。そこで1ヶ月の宿題をもらい、1ヶ月間それを必死にやる。

そして、1ヶ月後になるとまたミーティングです。するとまた1ヶ月の宿題がもらえる。
経営者として何をするべきなのか?全く分かっていなかった僕たちは、瀧本さんのアドバイスをただ愚直にやり続けていました。

例えば、1ヶ月目はこんなアドバイスをもらいました。

「今社員さんを1人採用したんですよね。では、来月はもう1人採用してください。そしてその人の研修は岡田さんや山碕さんはしてはいけません。今いらっしゃる社員の方に研修の仕方を教えて、その方に研修をしてもらってください。そうすると来月以降も拡大できます。」

2ヶ月目
「新しい社員の方の研修を1人目の社員の方がされたんですね。素晴らしいです。では、次は研修の仕方を教える資料を作ってください。そうすれば、研修ができる人が更に増えるので、成長スピードが加速します。」

こんなアドバイスをもらいながら、目の前のことをやり続けていました。
すると、初年度の売上が1億円だったところから、3年目で17億円まで成長しました。プログリットの成長は瀧本さんなしには語ることはできません。

上場のきっかけ、そしてその先へ
上場について意識したのも瀧本さんがキッカケでした。
あるミーティングで、瀧本さんがおっしゃいました。
「岡田さんいつ上場しますか?」
正直上場ということは全く意識せず事業だけをやってきたので、答えることができませんでした。
すると
「プログリットのビジネスだったら、上場してしっかり信頼を獲得したほうがいいと思うよ。」
「きみたちなら絶対上場できるよ。」

上場ってなに?というレベルだったのですが、そこから副社長のしゅんたと議論し、3年後に上場しようと決めたのが、2018年1月。
実際はそこから4年8ヶ月かかりましたが、無事先週上場することができました。

瀧本さんがキッカケをくださりここまで導いてくれました。
しかし、今はもう瀧本さんのアドバイスを聞くことはできません。「もう教えることは教えたから、ここからは自分たちで頑張りなさい。」ということなのでしょうか。

これからは瀧本さんでも想像できなかった未来を僕たちの力で創っていきます。そして、瀧本さんから頂いたご恩を周りの人にお返ししていきます。

瀧本さんへの感謝を込めて。

株式会社プログリット
代表取締役社長 岡田祥吾

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