ドライブ

近頃はコンテンツが簡単に摂取できるようになってしまったため、ある意味ではインプット過多のようになっている。そのコンテンツが自分を育てるモノなのか、そうではないのか、判断する暇もなくインプットとして頭に入ってくる。
ずっとこんな状態が続くわけだから、頭はインプットを処理することをさぼり始めて、世界の彩度が下がっていく。

昨日は家の中に台風が来ていたため夜20時からドライブをしていた。
台風を落ち着けるため、台風から逃れるためのドライブだから、目的地はなく東八道路をまっすぐ走っていた。
いつも通り思考停止にiPhoneからドライブのプレイリストを流し始めたが、2曲ほど聞いた後、ふと思い立って音楽を止めた。
耳に入る音は、人に届けるための作られた音から、目的なく鳴らされる人為的な音に変わる。鉄の箱が風を切る音。ゴムがアスファルトをすべる音。

音の変化に気付くと途端に五感が鋭くなる感覚が訪れる。鋭くなった五感に慣れるころ、やっとインプットの整理が始まる。

新府中街道、鎌倉街道、多摩ニュ―タウン通り、町田街道を渡り相模原に着く。

世界の彩度が上がっていくことをしっかり確認して、また、家に向かって車を滑らせていく。インプットの整理についてはまだまだ言語化できなくて歯がゆいが、久しぶりに世界が色付いたことは文字に起こしておかないといけない気がした。

今日も荻窪の空は快晴だ。