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記事分類/蔵書紹介

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買ったけど読んでいない本について紹介します。本の概要、興味を持ったポイント、購入や積読の経緯など。
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2023年8月の記事一覧

蔵書紹介:良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門/仙塲大也(ミノ駆動)

本の概要『良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門 ―保守しやすい 成長し続けるコードの書き方』 ソフトウェア開発における設計やプログラミングについて、ありがちな問題(悪いコード)と対処が説明されている。大半のページはプログラミングを中心にしており具体的なソースコードが書かれている。また、プログラミング以外にもモデリング、設計フェーズ、開発プロセスについて言及している。 『リーダブルコード』と近い位置付けにある。『リーダブルコード』と比べると目次や具体的な事例が丁寧に書かれてい

蔵書紹介:スラッジ/キャス・R・サンスティーン

本の概要『スラッジ: 不合理をもたらすぬかるみ』キャス・R・サンスティーン (著), Cass R. Sanstein (著), 土方 奈美 (翻訳) 『NUDGE 実践 行動経済学 完全版』の共著者のキャス・サンスティーンによる行動経済学の本。NUDGE(ナッジ)が合理的な選択を促す仕組みであるのに対して、スラッジは合理的な選択や行動を阻害する仕組みであり、本書はこのスラッジについて書かれている。『NUDGE 実践 行動経済学 完全版』はよく知られており評判が良いが、本書

蔵書紹介:ハイデガーの哲学/轟孝夫

本の概要<ハイデガーの哲学 『存在と時間』から後期の思索まで> ハイデガー哲学の考察が書かれている。ハイデガーといえば主著の 『存在と時間』が有名だが、本書は『存在と時間』以外の部分にも注目している。黒ノートやナチスへの言及もある。ハイデガーの生涯を通した考察がされており、厚さは500ページを超えている大作である。 購入経緯と読書状況以前からハイデガーの関連書籍を集めていたため、発売時にブクログの新刊通知を見て購入した。ハイデガー関連本は読むのが難しくてほとんど手をつけて

蔵書紹介:デカルトからベイトソンへ/Morris Berman

本の概要『デカルトからベイトソンへ ――世界の再魔術化』Morris Berman (原名), モリス バーマン (著), 柴田 元幸 (翻訳) 私は本書の内容について全然理解していない。タイトルにデカルトとあるため、哲学あるいは哲学に近いことが書かれていると思うが、紹介文や目次を読んでも確証を得られなかった。そしてベイトソンが何かも私は知らない。1980年代に出た本の新装版であり、また、海外著者の翻訳版で、しかも本文が300ページ超、あとがきを入れて400ページ超もあり、

蔵書紹介:アジャイルプラクティスガイドブック/常松祐一

本の概要『アジャイルプラクティスガイドブック チームで成果を出すための開発技術の実践知』常松 祐一 (著), 川口 恭伸 (監修), 松元 健 (監修) アジャイル開発における技術プラクティスについて書かれている。スクラムやふりかえりのようなプロセスやチーム運営に関するプラクティスではなく、開発技術やツールに関する技術プラクティスを中心に説明している点が本書の特徴である。 アジャイルの事例やノウハウが豊富にあり、ブランチ戦略、テスト、CI/CD、運用モニタリングなどの実践

蔵書紹介:これまでの仕事 これからの仕事/市谷聡啓

本の概要『これまでの仕事 これからの仕事 ~たった1人から現実を変えていくアジャイルという方法』 仕事の方法論について「これまでの仕事」(From)の問題点と「これからの仕事」(To)の目指すべき状態、そして仕事を変えるためのアクション(From→To)についてアジャイルを用いて説明されている。 著者はアジャイル開発の文脈でよく知られており、『カイゼン・ジャーニー』や『正しいものを正しくつくる』などの著書や、ITエンジニア系のイベントの登壇は好評を博している。本書は当記事執

蔵書紹介:サイバーセキュリティ戦記/横浜信一

本の概要『サイバーセキュリティ戦記 - NTTグループの取組みと精鋭たちの挑戦』 NTTグループのCISO(最高情報セキュリティ責任者)が、NTTのリモートワーク施策の実現に伴うセキュリティ対策事例を紹介している。サンプル数=1であり、しかも大企業の事例となるため、他社が真似しやすいものばかりではないと思うが、参考事例としては学びがあるだろう。 購入経緯と読書状況Twitterで新刊発売の情報を見て購入した。会社で社内情報システムや自社プロダクトのセキュリティに関わる機会が

蔵書紹介:3つのステップで成功させるデータビジネス/EYストラテジー・アンド・コンサルティング

本の概要『3つのステップで成功させるデータビジネス 「データで稼げる」新規事業をつくる』 コンサル業界のBig4ファームの一角であるEYストラテジー・アンド・コンサルティング社による著書で、データを使った事業の手法が書かれている。コンサルファームの事例に基づいているため参考にできることもあるだろう。これは私が勉強不足で知らないだけかもしれないが、私の観測範囲ではデータ分析やデータ活用の文脈でEYの名前を見たことはない。このため、読む優先度としては、ほかの有名なデータ分析の専門

蔵書紹介:予想どおりに不合理/ダン アリエリー

本の概要『予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン アリエリー (著), Dan Ariely (原名), 熊谷 淳子 (翻訳) 行動経済学の第一人者によるベストセラー本。ヒトの行動原理を学び、ビジネスに活かすことを目指す。 ただし近年、行動経済学は再現性の問題が指摘されており、本書の内容も問題があるとされている。本書を真に受けたり他人へ推薦するのは避けたいが、再現性がないと言っても一つの例として話半分で聞く程度であれば参考にはなるだろう。

蔵書紹介:プロダクトマネージャーになりたい人のための本/及川卓也

本の概要『プロダクトマネージャーになりたい人のための本 エンジニアからプロジェクトマネージャー・事業企画・経営コンサルタント・デザイナー・現役PMまで』及川 卓也 (監修), 松永 拓也 (著), 山本 航 (著), 武田 直人 (著) プロダクトマネージャーのスキル体系、キャリアプラン、転職活動、立ち回りについて書かれている。具体的な活動の方法論や事例への言及はほとんどない。 購入経緯と読書状況何年か前にプロダクトマネージャーに似た仕事の経験があり、当時はわからないこと

蔵書紹介:3分間DNS基礎講座/網野衛二

本の概要『3分間DNS基礎講座』 DNS、TELNET、FTPの基礎知識が書かれている。対話形式で入門者向けに書かれているため、ネットワークは比較的わかりづらい概念だがわかりやすく説明されている。 WEBサイト「3 Minutes Networking」を書籍化したネットワークの3分間基礎講座シリーズで、本書は「ネットワーク」「ルーティング」に続く3冊目。 購入経緯と読書状況ネットワークやインフラが苦手なため補強のために購入した。シリーズで買っているが、苦手分野ゆえに手が

蔵書紹介:ファスト&スロー/ダニエル・カーネマン

本の概要『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』ダニエル・カーネマン (著), 村井章子 (翻訳) 心理学者であり行動経済学者でもある著者が、行動経済学、認知心理学、統計学について書いている。行動経済学の書籍としてダン・アリエリーの『予想どおりに不合理』と同じようによく読まれているが、行動経済学の再現性の問題についてダン・アリエリーと同じようにダニエル・カーネマンの一部の理論も指摘されているため、安直に信じすぎないように気を付けながら活用するのが良いだろう。

蔵書紹介:教養として知っておきたい33の経済理論/大村大次郎

本の概要『教養として知っておきたい33の経済理論』 経済理論や経済学の基本について、元国税調査官である著者の経験と紐づけて説明されている。アダム・スミス、マルクス、ケインズ、囚人のジレンマ、ナッジ理論、プロスペクト理論などの名前は聞いたことがあるような概念が33個取り上げられている。浅く広く学ぶのに良いだろう。 購入経緯と読書状況書店で見かけて購入した。行動経済学に興味があるが『ファスト&スロー』のような本格的な書籍には手が出づらいため、まずは入門的に学ぶのに本書はちょうど

蔵書紹介:とにかく仕組み化/安藤広大

本の概要『とにかく仕組み化 ── 人の上に立ち続けるための思考法』 ベストセラーの『リーダーの仮面』『数値化の鬼』に続くシリーズ3冊目。仕事のマネジメント法として、属人化を排除して組織やルールのレイヤーで仕組み化することで改善する考え方が書かれている。 購入経緯と読書状況人気シリーズの最新作が発売されたことを知って購入した。『リーダーの仮面』『数値化の鬼』も購入しているが、本書も含めて買っただけで満足してしまいまだ読めていない。