モ_サ__

モップライブ!サンシャイン!!~6月度MVM表彰~

どうもどうも。今月もモ!サ!!の時期が来ました。
この企画をやっていると、どうしてもリリーフ投手の運用が気になってしまいます。このnoteでも散々言及していますが、これが上手い球団と下手な球団、編成が上手い球団と下手な球団の差は非常に大きいものです。こんな視点を持っていると、楽しいことばかりということはありません。雑な扱いを受けている選手に同情し、監督を無能呼ばわりしたくなります。え?もう散々disってるって?
しかし、毒づくことばかりというわけでもなく。若手が敗戦処理から信頼を得てステップアップしたり、クビ寸前の中堅選手が輝いたりすると非常に嬉しいですね。そんな中、2017年にモップアッパ―として活躍した鍵谷、石崎がトレードで移籍しました。共に昨年は怪我に苦しみ、今年も目立った活躍がありませんでしたが、持っている能力は勝ちパターンの投手に勝らずとも劣らないと思っています。新天地で花開くことを期待しています。

さて、毎度のことながら、1か月間の敗戦処理投手たちの成績を見ていくわけですが、今回から新たな指標を加えます。と言っても全く大層なものではありませんが。1回のビハインド登板で1イニングを超えた時に超えた分だけつける指標で、Mop-upの頭文字をとって「M」とします。これまでの「差」と同じやんけ!と思った人、その通りです。「差」という表現が何かパッとしないのと、1/3イニングや2/3イニングだった時にマイナスが発生して、回跨ぎの頑張りを打ち消してしまうのを何とかしようと思ってのことです。「敗戦処理」という言葉の元来のイメージはロングリリーフであると筆者は思っており、回跨ぎを評価するための指標です。

チーム別モップ成績

セ・リーグはどの球団も落ち着いてきた印象です。巨人は6月のリリーフ防御率が3.35なのに対してB防御率は1.65。勝ち継投の弱さが見えます。中日は伊藤準規の8失点爆発大炎上で防御率が悪くなっていますが、それ以外では岡田俊哉の1失点のみで非常に安定していたと言えます。さすが5歳児でも抑えられる球場。ヤクルトもヤクルト比では抑えています。ただ依然としてBイニングが50を超えています。6月も負けが込んでいた上に先発が粘れていないのが大きな要因です。そして、筆者が注目したのが広島です。スタートダッシュに失敗した4月はB防御率4.25、連勝で一気に1位に駆け上がった5月は同2.05、交流戦で失速した6月は同4.01と、チームの状態とモップアッパー達の状態が軌を一にしています。いかに点差を広げられず逆転を待てるか、いかに勝ちパターンを温存して凌げるかがシーズンを通しての勝利に繋がっているのだと筆者は考えています。
パ・リーグはぶっ壊れた防御率のチームが2つ。たしかに両チームとも勝ちパターン以外の投手が死んでいますが、それにしてもすごい防御率ですね。前月のヤクルトもこれ並にひどかったですが、ヤクルトと違うのは2チームとも勝ちパの投手はほとんどビハインドで投げておらず、負けが込んで登板数がかさんでるわけでもないという点です。ここから何が言えるのか。単純に敗戦処理の投手が弱いのです。とは言え、楽天は西宮悠介が爆発して自責点が9もついており、それを除けば3点台と許容範囲。西武は… どうのこうの言うより見てもらったほうが早いと思うので、個人成績も載せておきます。その他、オリックスは12球団で唯一登板数がイニングを超えています。負けている場面でもワンポイント起用の”諦めない”マシンガン継投の賜物ですね。



個人モップ成績

まずはセ・リーグから。イニングとMでは清水昇が1位。この球団、ドラフト上位の投手をモップアップに使うの好きですね。まあ先発させるのにも微妙な一二軍成績ではありますが。イニング数は投げていますが、内容はあまりよくありません。個人的には寺原と役割入れ替えたらいいと思うんですけどね。ただ、清水の活躍のおかげで他のモップアップ投手の負担が減ったのも事実です。ここからのステップアップに期待しています。
Tは岡田俊哉が1位。登板数でも1位で、内容も支配的な素晴らしい活躍でした。何故この投手が勝ちパではないんでしょう。Tでそれに続くのはハフ石田健大。ハフは前月に続いてよく投げています。石田は意外でした。かつては先発ローテーションの一角だったのでロングリリーフを求められているのかと思いきや、さほどイニングは多くありません。DeNAは今後彼をどうしたいのでしょうか。
前月までと比べて伸びた一番手は遠藤淳志でしょう。イニング2位、登板も2位タイです。時間のかかる素材型だと思っていたので、想像よりも早い一軍定着に驚いています。運用と編成は下手くそなのに、この手の投手の育成は本当に上手ですね広島は。同チームの島内颯太郎も数字を伸ばしています。その他、ヤクルトの蔵本治孝、巨人の鍬原拓也もB登板で結果を残しはじめています。5月MVMの福敬登は登板数が減ってランキング外となりましたが、防御率0.00と素晴らしい内容でした。便利な中継ぎとしてすっかり一軍に定着しています。小熊凌祐は月初めに怒りに任せて抹消されてしまい、そこから再昇格することはありませんでした。素晴らしい才能が芽を摘まれてしまって悲しい限りです。守屋功輝島本浩也は徐々に勝ちパターンでも使われるようになっており、内容の良い投球を続けています。

続いてパ・リーグ。登板数とTの1位は田中靖洋。この企画で長らく注目していた選手が、ようやく目に見える形で評価できるところまで来てくれました。嬉しい。この人の特徴は球数の少なさです。ヒットを打たれ四球を出し三振をとっていても10何球で済ませるような不思議な投手です。この人のために今年からつけ始めたP/IPでも、表中で2位につけています。いや、1位だと思っていたんですけど。ロドリゲスが何故こんなに球数少ないのかは分かりません。
高橋純平はイニング数とMで1位、登板数2位で防御率1点台とプチブレイクしています。故障者続出で先月に徴兵されて以降、思わぬ(失礼)活躍をしています。当初の期待値を考えればようやく、と言いたくなりますが、彼を使い物にできたソフトバンクの凄さを感じるところでもあります。登板数1位タイのチェンは内容が伴いませんでしたが、M1位タイのブランドン・マンは良い投球を見せました。ぐう聖くそ成績外国人として一世を風靡(?)してから7年ぶりの日本球界復帰。ようやく輝きを見せています。
5月MVMの森脇亮介あらあらという成績に。K/BBの悪さから心配はあったのですが、ここまで目も当てられないようなことになるとは。同じ西武の佐野泰雄は先発をやったりリードの場面で使われたりと、雑に扱われてB登板が減りました。小野コーチは「ビハインドや大量リードで投げさせられる佐野のような投手を育てたい」という旨の発言をしていましたが、ポスト佐野が育つ前に佐野が配置転換されてしまいました。西武の中継ぎはどうなることやら。個人的に気に入ってるのは椎野新です。奪三振率の高さがいいですね。まだまだ粗さの残る若手ですが、一軍で”投球”を覚えて順調に育てば、将来はチームの柱になっているやもしれません。先月その椎野と名を並べた松田遼馬はどうしてしまったのでしょうか。また、地味ながら玉井大翔は毎年モッパーとして良い働きをしています。エップラーはB登板5試合で3勝をあげています。


おわりに

さて、いよいよ月間MVMの発表です。
栄えある受賞者は…

セ・リーグは遠藤淳志 投手、パ・リーグは高橋純平 投手です!

今月はさほど悩まない、筆者に優しいモッパー達でした。セはどの項目も上位にランクインしており、内容・結果が共に優れていた遠藤を選出しました。何度でも言いますが、時間がかかると思っていたこの投手をこの早さで使い物にした広島はすごいです。来月あたりには島内か、遠藤と同期の山口あたりが賞をとるかもしれません。アドゥワのような雑な扱いを受けないことを願います。
パも悩みませんでした。内容的にはブランドン・マンも良かったですが。先月の記事で「来月ぐらいに高橋純平が取ってくれることを期待しています。」と書いていましたが、その予言が当たりましたね。え?お前のさじ加減だろうって? まあ多少贔屓目に活躍を見守っていたのは事実ですが、それに応えてくれた純平を賞賛しようじゃあねえか。まさか本当に2か月続いて好成績を残してくれるとは思いませんでしたし。今月も予言()しようかと思いましたが、良さげな候補を選べないのでやめておきます。

季節はもうすぐオールスターで、シーズンは後半戦に入ります。中継ぎの運用に関してはいろんな意見があり、筆者のように口うるさく役割分担や負担軽減を主張する人間もいれば、優勝のために燃え尽きることを是とする人もいます。どちらの方針を取れば優勝できる、というものでもなく、正解のある話ではありません。あくまでも個人の好みで、筆者は西武ヤクルト的ではなくロッテ的な運用が好きです。選手の活躍を見ることはもちろんですが、どういう起用をするチームがどういう結果になるのか、それにも注目して後半戦を見ていきたいと思います。そして、この記事を読むことによって、皆さんが少しでも戦略や編成に興味をもってくれたり、「目立たない」「地味な」選手にサンシャインを見せてあげてくれたりしてくれると嬉しいなと思います。

それでは次回の投稿でお会いしましょう!

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