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現役ドラフトに向けた12球団編成分析【考察編】

 先日、現役ドラフトが開催されました。12球団全てによる集団トレードを行う制度であり、歴史が動いたという意味でも結構大きな話題だと思いますが、事実の報道こそあれどこのトレードに関する考察記事はあまりありません。まあ、話題になってライター達にとって旨味のある移籍がオコエぐらいだったので致し方ありませんが。ならむしろ、いくら書いても一銭にもならない素人がニッチな需要を満たす役割を担おうじゃありませんか。ということで、各球団の思惑や編成の話、制度全体の感想なんかを話していきたいと思います。

東京ヤクルトスワローズ

獲得:成田翔(ロッテ)
放出:渡邊大樹(→オリックス)

 現役ドラフト前まで左投手は8人しかいなかったので補強ポイントでした。仮想では先発左腕の笠原を指名したので、予想の方向性が合っていたのは良かったなと思います。田口は左右を問わない火消し屋、久保は現役ドラフト当日の契約更改で先発転向を希望しており、左殺しタイプがいないので成田は特徴を出せる人選ではあります。ただ、一軍実績が皆無なのは気になります。新人ドラフト6位で大卒社会人の左サイド取ったと思えば…いや、それでももうちょいスピードあってほしいですね。まあ12番目の指名だとこうなりますよね。選択肢はロッテのみで、他に誰が候補だったかは分かりませんが、仮想では右投手を多く出す想定だったので、右投手よりはと思ったのでしょう。成田が当たれば、「12番目でもいけるやん!」とこの制度の価値も高くなるのですが。
 外野手は頭数ではあまり余裕がなかったので、放出候補とは予想はしていませんでした。しかし、塩見・サンタナが固く、最後の1枠には山崎や宮本、守備走塁系の控えには丸山、濱田や新人の澤井にも期待しており、渡邊は質的に余っていたと言えます。ただ、二軍でも打撃成績が芳しくなく、指名したオリックスも渋々だったのではないでしょうか。放出候補としてはやや消極的な人選だったように思いますが、渡邊の他に票を集めた選手がいたのにオリックスは欲しがらなかったという展開のアヤかもしれませんが。
 チーム全体としてみれば、正直使いどころのなかった野手を放出して使いようのあるレベルの投手を獲得したのでマイナスは特にないですが、やや戦力外の押し付け合い感のある入れ替わりでした。まあ12球団あれば1つぐらいはこんなことになるのは想定の範囲内です。そもそも強いから二連覇できているのであって、この制度に戦力補強を期待してはいなかったゆえにリスクを冒した選定をしなかったのかもしれません。

横浜DeNAベイスターズ

獲得:笠原祥太郎(中日)
放出:細川成也(→中日)

 戦力分析の時点で「先発は可もなく不可もなく」「リリーフは上積み微妙」「新戦力の台頭が必要」と書いたように、前でも後ろでもいいので投手の厚みを増したい状況であった中で、笠原を獲得できたのは素晴らしいチョイスでした。球団も「その時点でリストの一番上にいたのが笠原」とコメントしていました。病気を患って以降はフルシーズンで稼働できていませんが、2018年には108.2イニングを投げて6勝をあげた実績のある投手です。環境を変えればもう一花咲かせるチャンスは十分あるでしょう。今永がMLB移籍を希望しているようですし、近い年齢の先発候補を確保できたのは大きいです。今オフにトレードでDeNAに加入した京田とは仲良しらしいのでグラウンド外でも安心です。
 仮想の時点では「細川は同タイプの選手がチームにいないので、編成的には出せない」と言っていましたが、佐野・桑原が固いのでオースティンが離脱していても大田と楠本で回せる、と考えれば細川の出番はかなり限られています。本人が移籍を希望した説も噂されていますが、強ち間違いでもないかもしれません。一定水準以上の二軍成績は残せているので、移籍先の球団次第では覚醒なるかもしれません。球団次第では、ですが。
 頭数が少ない二遊間系の内野手を獲得しようと予想していましたが、そもそもそのタイプの選手が全く移籍しなかった結果を見るに、そういう選手が候補にいなかった可能性が高いです(後にも触れます)。とは言え、次点で必要なポジションはしっかりと補強できたので、DeNAにとっては実りの大きいトレードになったのではないでしょうか。

阪神タイガース

獲得:大竹耕太郎(ソフトバンク)
放出:陽川尚将(→西武)

 複数の先発投手が退団した中で、大竹の獲得で先発を強化しにきました。仮想ではリリーフ強化に動きましたが、前が充実すれば後ろに回せるので、投手陣を一体で考えれば良い補強です。同じウエスタンリーグでその活躍を知っているのも評価の要素だったかもしれません。ソフトバンクも先発投手が足りている球団ではないので、大竹は出番が無いのが不思議な投手でした。今までの鬱憤を晴らすように阪神で大活躍してほしいと思います。二保、加治屋などソフトバンクOBが複数いるのでやりやすい環境があると言えそうです。
 陽川は一三塁とレフトを守れますが、大山・サトテルと内外野の大砲が定着したことでスタメンでの出番は制限されていました。そんな中、今季は代打で24回起用されOPS.700超え、右の代打の一番手というところでした。来季32歳、勝負をかける移籍になります。
 球団にとっては、代打の切り札になりえる選手を放出したのは少し思い切ったところはありますが、大竹クラスの投手を獲得できたなら上々。頭数の上では野手を放出して投手を獲得できたのは思い描いていた通りだと思います。制度をうまく活用できました。

読売ジャイアンツ

獲得:オコエ瑠偉(楽天)
放出:戸根千明(→広島)

 オコエは期待値、浪漫の選手。ここまでの7年で残した成績は戦力外と言われても仕方ないレベルですが、みんな高校時代のアレを未だに夢に見ているんですよね。二軍成績を見れば何故これで一軍成績があんなことになるのか不思議なほどです。素行不良と言われていますが、そこは中田翔を更生(?)させた球団の腕の見せ所。怖いOBに常に見られることで襟を正してくれると信じています。読売、というか原監督はこういう選手を“お前さん”にしたがりますね。頑張って“お前さん”になってください。丸の右翼転向に向けて、浅野・萩尾を獲得、増田陸も外野挑戦と素材を揃えていますし、新外国人選手の調査報道もあって同タイプの選手は複数います。しかも毎年優勝を求められる球団で、代わりの選手も豊富にいます。ゆるく放置されていた前所属と異なり、クビが間近に見えた競争がある球団に移りました。自分の人生をどう変えるかは自分次第。目の色変えて頑張ってほしいと思います。
 戸根は仮想した時に全く頭に浮かばなかった選手なのですが、今季は想像以上に投げていませんでした。いかに私がNPBを真面目に見ていないかが分かりますね。そもそも投手は出さないと思っていたのでやや驚きがあります。展開に関わらずタフに投げてくれたら需要はありましたが、そのレベルの信用も得られていなかったかのような成績がここ数年続いています。挙句、二刀流に挑戦するなど迷走していましたし。澤村のように環境が変わったことではねてほしいです。
 頭打ち感のある中堅を放出して浪漫のある選手を獲得できたように見えますが、オコエはピンかパーかの選手なので戸根のほうがましやんけ!となる未来もそれなりに見えるのが怖いところ。

広島東洋カープ

獲得:戸根千明(読売)
放出:正隨優弥(→楽天)

 外国人補強など今オフの補強はほぼ終わっていて、野手は揃った印象だったので投手獲得が無難と予想していました。仮想の時点では先発左腕が少ないと思っていましたが、そこで指名した大竹は広島の順番では指名済みだったことからリリーフ獲得に方針転換したのかもしれません。戸根については「セットアッパーとして期待」とのコメントがありましたが、あの読売でさえ出番が少ない投手に期待しすぎるのも酷ではないでしょうか。若い左腕が多いだけに、広島でもその程度出番があるか。使い潰し枠としてであれば機能しそう。馬鹿みたいに投げさせられて給料があまり上がらない森浦たちが救われるといいなと思います。
 正隨の移籍によって、狙い通り(?)にだぶついていた外野手を整理できました。長距離砲が不要なチームではありませんが、どうにも彼を活かせていませんでした。二軍の帝王になってしまった選手にチャンスを与えられるのであれば、選手会が思っていた現役ドラフトのあるべき姿が叶えられたと言えそうです。
 他球団からの需要もあるようでないような右の大砲を出して投手の頭数を増やせたのは美味しいトレードだったと思います。元読売贔屓としての目線ではセットアッパーを任せられるほどの投手ではありませんが、やらせてみたら新しい扉が開くかもしれないので、前向きに、期待しております。

中日ドラゴンズ

獲得:細川成也(DeNA)
放出:笠原祥太郎(→DeNA)

 細川は一軍出場こそ少ないですが、二軍では打率もそれなりに残せていて、少々三振が多いものの長打力はかなりのものがあります。チャンスを与えられる球団なら一気に花開く可能性もある選手ですが… 来季の中日は大島・岡林・アキーノがスタメン濃厚でしょうから一軍で出すポジションは限られますし、3歳下に大卒右打ち外野手が3人もいるのに…なんで?細川を一塁で使う気でしょうか?そもそも単打と走塁に重点を置いた育成プログラムでおかしくしたりしないか心配です。DeNAに残留しても状況は変わりませんが、移籍先の中日でもチャンスはあるのか、長所を活かせるのかが微妙に見えます。近いタイプの選手同士を競わせるような編成をしているのは内野手も同じなのでフロントの考えはそういうことなのかもしれません。というか、外野手3人指名のドラフトが立浪監督前にやったもので、それに監督が関われていないから潰しにかかっているようにも見えて、編成が手綱を捌けていない、折り合いを欠いているようにも見えます。しっかりしてほしい。来年を捨てて若手に競争させるなら面白く見ていられそうだなとは思います。
 笠原の出血は痛いですが、制度の趣旨をよく汲んだ人選だったと思います。「心機一転した方が力を発揮できるという判断」という言葉の通りだと思います。立浪政権前の主力を放出しまくっていてファンがぼろぼろな気がします。笠原の移籍で谷間の先発候補が随分薄くなる気がしますが、岡田や鈴木で何とかする気なのでしょうかね。
 獲得選手のタイプも放出選手のタイプも良い人選とは思いますが、そもそもこの移籍を活かせる球団なのかがとにかく心配です。

オリックスバファローズ

獲得:渡邊大樹(ヤクルト)
放出:大下誠一郎(→ロッテ)

 渡邊は正直そんなに補強ポイントではありませんでしたが、こうするしかなかったヤクルトの選択肢とは。なんなら、充実していても投手を獲得する方がマシだったと思います。センター中川はあかんと言いましたが、渡部なり杉澤なりを使ってほしいので、渡邊は万が一のバックアップ要員に置いといて、渡部や杉澤に目途が立てば1年で放出もありえそう。折角の現役ドラフトでいきなり1年でクビになってしまうとこの先が怖いですね。福良GMも「どれほど意味があるのか」みたいなコメントしてましたし。負け惜しみかもしれませんが。
 頭数が少ない内野手からは出さないと思っていましたが読みが甘いですね。大下は内外野のコーナーを守る右打者という点で、上位互換の中川がすっかり定着したため、今後も出番は限られたでしょう。一塁ならチャンスがあったかもしれませんが、そこまでの長打力はありません。ロッテなら出番はありそう。
 なお、オリックスの指名順はロッテから回ってきて11番目だったそうです。ロッテが先だったということは、1位入札はロッテ以下の得票数だったということ。そんなに消極的な人選だったのでしょうか。まあ戦力が整っているから優勝できるわけで、ヤクルトと同じくリスクを冒さなかったのでしょう。

福岡ソフトバンクホークス

獲得:古川侑利(日本ハム)
放出:大竹耕太郎(→阪神)

 古川は使い潰しのできるBリリーフ枠の補強でしょう。日本ハムが指名1番手だったとのことなので、ソフトバンクの入札はおそらく古川だったと思われます。現実的な路線での補強と言えますが、この手の投手は育成から容易に供給できるから指名は無い、という予想はハズレでした。藤井の先発転向があるとはいえ、似たタイプは多数在籍しているのにそれでも補強するというのは、来年は泉や椎野などこのへんの投手を潰すぐらいに使いまくって接戦をとりまくり、ガチで優勝しにいく気持ちの現れではないかと思います。怖い。ソフトバンクの強さがではなく選手が壊れそうで。壊されるならせめて優勝を味わってほしいとは思います。
 大竹については、球団の放出の決断を称えるというよりもようやくかという感想。先発投手が充実していたわけでもないのに大竹に出番が無いのは非常に不思議です。軟投派が嫌いなんでしょうか。二軍に大竹以上の成績を残せている先発投手はほとんどいないはずですが。
 こういう「出すには惜しいけど出番はない選手」を無理やりにでも動かす制度を目指していたので、選手会的には目的は達成できているのではないでしょうか。ソフトバンクもどうせ使わない選手で便利使いできる選手を獲得したのはプラスはあるのでしょうが…

埼玉西武ライオンズ

獲得:陽川尚将(阪神)
放出:松岡洸希(→日本ハム)

 スラッガー系日本人の補強は不要だと思っていたので、陽川というチョイスには驚きました。指名順は2番目だったので陽川に入札していたということになります。隔年でOPS.700を記録できるぐらいの力はある選手で、今回の移籍野手の中ではトップの実績です。来年はダメな年の順番ですが。一三塁の控え兼DH要員と考えているのでしょうが、山川や中村がいる上に、外国人選手を補強しやすいポジションなので、そのように運用するのか気になります。自前の渡部やブランドンとも被るかなと思いましたが、この数字を残せているなら彼らよりは遥かに格上ですから、求められる役割は別ですね。
 松岡を出すのはまあ分からないでもないのですが…編成の都合で出場機会が無いのではなく、能力が足りず結果が出ていないため機会を得られていないタイプで、独立出身だから放出候補にしやすかったのではないかと邪推しています。仮想では日本ハムが川越を指名する想定だったので、松岡以外の他の候補が気になっています。
 もしかしたら逃がした魚が大きかった結果になるかもしれませんが、短期的に見れば松岡より陽川のほうがプラスは大きいでしょう。投手も層が特別厚いわけでもありませんし、それこそ、この順位なら笠原や大竹も残っていたので、それでも野手に入札したのはどういう意図があったのでしょうか。現役ドラフトは補強の一手段に過ぎないので、今後の補強でどう整えてくるのかに注目しましょう。

東北楽天ゴールデンイーグルス

獲得:正隨優弥(広島)
放出:オコエ瑠偉(→読売)

 オコエはもう手に負えなかったというか。素行について言われますが、チームといろいろかみ合わなかったんでしょう。こういう不運な選手を「ドラフト1位だから切れないなあ、出しにくいなあ」で終わらせるのでなく、移籍の機会を設けるのはいいことだと思います。外野の陣容はかなり固いですし、首脳陣にも見放されていた節がありますし、このまま楽天に残留しても仕方なかったでしょう。本人の気持ちは分かりませんが、人生を変えるチャンスです。
 ただ、チームとしてはオコエが正隨になったのはプラスなのでしょか…?長距離砲はいるに越したことはないですが、三振が多く四球が少ない右の大砲は既に複数抱えています。DHがあるリーグのほうが使いやすいのは間違いないですが、楽天ぐらいの財力があれば外国人を連れてきたほうがいいでのは?
 右の大砲を全然育てられていないので他所から取ってくる方針自体が悪いとは思いませんが、それで集めた右の大砲も全然活かせていないのでは… 少し心配になります。

千葉ロッテマリーンズ

獲得:大下誠一郎(オリックス)
放出:成田翔(→ヤクルト)

 大下は一三塁の控えという、今のロッテにはあまりいないタイプ。抜群の打力があるわけではないので大きなプラスはないでしょうが、意外と(?)三振が少なく四球が多いコンタクト型で、ちょっとだけ痒いところに手が届きます。まあ、外国人選手や井上晴哉ががしっかりしていてくれれば少なくともスタメンでの出番は無いです。内野版・菅野剛士ってかんじがしますね。まだ若いので頑張って。
 元々、出せる選手が少なそうで悩んだ球団なので、成田の放出で済んだのは悪くないと思いますが、指名を受けたのが最後というのが何とも悲しいですね。まあ、オリックス・ヤクルト以上の入札はあったようですが。ロッテから指名することになったヤクルトは、決して投手陣の層が厚い球団ではありませんが、とにかく靭帯の繋がったタフ右腕を獲得する手もあったかと思います。仮想では小沼を指名したので。それでも成田が選ばれることになったような他の候補は誰だったんでしょうか。
 正直言って地味な出入りでした。12球団あればこんなチームもあります。コメントが難しいですね笑

北海道日本ハムファイターズ

獲得:松岡洸希(西武)
放出:古川侑利(→ソフトバンク)

 松岡に入札していたとは驚きました。獲得選手一覧を見た時、日本ハムは終盤の指名だと思ったのですが、まさか1番手での指名だったなんて。日本一を狙うなら笠原などイニングを食える先発投手か、頭数が少ない野手(特に外野手)かと思っていましたが、松岡の天井の高さをとったのでしょうか。現役ドラフトは若手とか天井の高さを求めるものではない、と言っていたのに1発目の指名から真逆をいかれてしまいました。二軍成績を見るに奪三振能力が高く、ハマれば面白い選手だとは思います。
 古川は今季一軍で30試合以上に登板しており、出すとは思いませんでしたが、戦力外獲得から1年使い倒してトレードの弾、それも最多得票数と思われるにまで仕立てたのは成功と言えます。主にビハインドの場面でのリリーフを担いましたが、こういう一見誰でもできそうで、その実、そこそこのクオリティが求められるので誰でもできるわけではない仕事をどう評価してそこを担う選手をどう扱うか、球団の色というか考え方が見えてきます。それはそうとしても、そこそこの選手を放出してしまい、来年のブルペン陣全体どう整備するのでしょうか。
 投手の頭数はかなり多く、外野手は(近藤の移籍前でしたが)危機的状況でしたので、野手を獲得すべきだと思っていたのですが、蓋を開ければ獲得したのは投手、しかも即戦力というタイプではありませんでした。課題意識は野手より投手のほうにあるようですが、果たしてどうなるか。

全体の感想

 まずは、「戦力外の押し付け合い」にはならなくてよかった、というのが一番です。一安心です。ただ、上振れするわけでもなく、実際に移籍した選手の半数が仮想で名前を挙げた選手であり、想定の範囲内とも言えます。笠原や細川や大竹みたいに環境を変えればという選手もいましたが、どちらかと言うと戦力外手前の、出してもチームの編成の大勢に影響が無い程度の選手を私は選んでいたので、各球団とも考え方はその程度だったのでしょう。
 また、今回は捕手及び二遊間の選手の移籍がありませんでした。需要のあるポジションなだけに、候補選手がリストにいたのに指名が無かったというのは少し考えにくいです。候補選手がよほど低いレベルだったか、そもそも候補にいなかったかのどちらかでしょうが、後者だと思っています。万が一の時に代替がきくポジションではないので、各球団とも放出に慎重になったものと思われます。同様に、外野手の中でもセンターができそうな選手はオコエぐらいでした。投手を除くセンターラインの選手はほぼ動かず、替えのききやすい投手(特にリリーフ)と両翼の外野手、両コーナーの内野手ばかりが移籍する形になりました。最初なので慎重になるのは理解できるところですが、来年以降このへんのポジまで活発に動くようになってほしいです。
 最後に、移籍した選手にはぜひ活躍してほしいと、心から思っております。程度の差はあれど、使う目があると思って獲得しているでしょう。現役ドラフトでの補強に頼る部分が大きいという球団は無いでしょうが、あまりに意味をなさない移籍になってしまっては制度自体が存続しません。今回移籍した選手は掴んだチャンスをものにするとともに、来年以降この制度で移籍する後進たちのためにも、「現役ドラフトがあって良かったな」と選手も球団もファンも思うことができるように頑張ってほしいです。

 相変わらず話が長いことに定評のある正田でして、今回も長編になってしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。こんなかんじで、ドラフトをはじめ戦力編成に関わることやアマチュア野球のことをだらだらと書いていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 それでは、次回の投稿でお会いしましょう!

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