モ_サ__

モップライブ!サンシャイン!! ~3・4月度MVM表彰~

どうもどうも。
noteを初めて3か月、ようやく自分オリジナルの記事を出せます。リアルの知人にとっては再放送な部分もありますが、ご容赦ください。

モップライブ!サンシャイン!!とは

ファンが望むもの、それは恐らく贔屓チームの優勝でしょう。そのためには強力な打線と強力な投手陣が必要です。毎試合10点取れるライオンズのような打線と、10勝投手が複数いて抑えが50セーブするホークスのような投手陣があれば優勝は近づくでしょう。当然のことです。しかし、果たして優勝のために必要なものはそれだけなのでしょうか。

日本のプロ野球はシーズンで80勝すれば優勝が見えてきます。つまり60試合近くは負けてもいいのです。80回の勝ち方も当然大事ですが、60回の負け方も大事であると僕は思います(某ツイッタラーの著書にも同様の記述がありましたが、リアルの友人なら知っている通り、僕はその出版前からこのことを述べていました)。全試合でエースが完投したり、クローザーやセットアッパーが勝ち負けに関わらず投げたりすると、疲労によって肝心な試合で打たれたり怪我のリスクが上がったりします。時には「負け試合」として捨てる勇気と、そのような試合を任せられる投手=優秀な敗戦処理投手(モップアッパー)が必要になってきます。

しかしながら、敗戦処理は「影が薄い」です。各球団のクローザーやセットアッパーの名前は知っていても、敗戦処理で投げる選手を知っている人は稀でしょう。チームが優勝するためには無くてはならない存在なのに、評価されることが少ない。そんなモップアッパーたちの生き様に注目し、彼らに日の目、サンシャインを見てもらおうというのが本稿の趣旨です。決して某メディアミックス作品のパクリではありません()

ただ、「敗戦処理投手」と簡単に言いますが、その定義はけっこう曖昧なものです。Wikipediaによると「先発もしくは先に登板したリリーフが打ち込まれ、相手に大量のリードを許した時に登板するリリーフ投手のことを日本では「敗戦処理」、アメリカでは後始末をする清掃員という意味から『モップアップマン(mop up man)』と呼ぶ。」とありますが、「大量リード」の定義がこれまた難しいのです。そこで本稿では「ビハインドの場面で登板する投手」と広めに定義します(本来の敗戦処理のイメージとはやや離れますが)。
そして、新たな指標を作りました。「3点差以内のビハインドで登板して1死以上をとった投手に与える」指標です。大差で負けている場面で投げる人と僅差で投げる人とに差をつけてみようという目的です。早い話がホールドのビハインド版です。ただ、前任投手の走者が残っていても登板時に4点差以上ついていた場合はつけません。「試合を引き締める」という意味のtightenからとってTとします。
また、今季から球数およびP/IPもつけています。「守備からリズムを作り~」という言説があるように、良い守備のリズム(≒少ない球数でテンポの良い投球)から良い打撃のリズムが生まれるようです(筆者はプレー経験が無いので確かなことは分かりませんが)。テンポの良い投球が逆転を呼び込むかもしれません。本来であれば各投手の援護率も見るべきなのでしょうが、ワンポイント登板の場合の援護率の扱いが分からないので、今回は見送っています。意味があるかどうか分かりませんが、とりあえず実験的に見ていきます。
最後にMVM(Most Valuable Mop-upper)です。自分で勝手に設定したタイトルですが、けっこう気に入っているんですよ、この字面の対称感(笑) いろんな要素を加味して独断と偏見で決めたいと思います。

なお、本稿で扱う「ビハインド登板時の成績」は全て筆者が、速報アプリを参考に自力で集計したものであり、がんばルビィ⌒°( ・ω・)°⌒したものの、誤りが含まれる可能性があることにご留意ください。

3・4月度チーム別モップ成績

(上表は4月終了時点での順位で並べてあります。)
過去2年間この企画をやっていて気付いた大まかな傾向として、強いチームはビハインド展開が少ないので、登板数やイニング数は少なくなります。今回で言えば、ソフトバンクが圧倒的な少なさですね。また、先発投手が粘れるチームほどそれらが少なくなります。読売や中日がそれに当てはまるでしょうか。
敗戦処理にはやや力の落ちる投手が起用されるので、普通ビハインド防御率はチーム防御率よりも悪くなるはずですが、稀にそれが逆になる球団があり、そういうところは勝ちパターンに難があると言えます。また、一昨年は上位チームほどビハインド防御率が良い傾向にありましたが、昨年は打力のあるチームが上位になったこともあり、ビハインド防御率と順位にさほど相関が見られませんでした。今年も、まだ開幕したばかりですが、昨年と同様の傾向が見られます。打力を重視するチームが増えた(ように感じる)ことも影響しているのかもしれません。

個人成績

個人成績、まずはセ・リーグから。なお、表はイニング数順に上位20人程度を掲載しています。
登板数・イニング数・Tightenの三冠に輝いたのが広島の新外国人・レグナルトです。3・4月の27試合で半分近い12試合に登板し、そのうち10試合がビハインド。開幕直後にチームが負けまくった影響で、かなりのハイペースでビハインド登板が伸びていますが、内容的には勝ちパターンに入ってもいい投球をしています。外国人選手好きでもある筆者にとっては、その成績・起用法も合わさってたまらない選手です。
他にも、阪神から守屋島本が上位にランクイン。二人とも昨シーズン末には「首が涼しい」と一部ファンから見られていたように、崖っぷちの状況で今シーズンを迎えました。ですが、捨てる神あれば拾う神あり。昨年まで彼らの頑張りを見ていた矢野新監督のもと、一軍で出番を与えられています。チーム状態は良くありませんが、だからこそ彼らの働きが価値を生むのだと思います。
また、ヤクルトからも複数人がランクイン。昨年は中尾や風張が奮闘し、試合終盤の打線爆発を呼び込んで勝つ展開も見られました。今年は彼らのコンディション不良からの下位低迷を予想していましたが、大下五十嵐マクガフらの頑張りで持ちこたえています。今後の起用・活躍に注目です。

続いてパ・リーグ。
イニングと回跨ぎポイント(表中の『差』)で1位になったのはまさか(?)の種市。先発ローテーション入りが期待される3年目の若手ですが、ロングリリーフ要員として開幕を迎え、その期待に応えています。WHIP1.60は褒められたものではありませんが、一にも二にも結果が欲しい若手にとって、敗戦処理は良いアピールの場だったでしょう。事実、4月29日には今シーズン初先発(しかも初勝利)を果たしています。
そのロッテからは他にも東條チェン西野酒居田中がランクイン。吉井投手コーチのもと、「チームB」の整備と登板数管理が徹底され、非常に健全なリリーフ運用がなされています。先発投手が粘れない試合が多く、登板数は少しかさんでいますが、大崩れすることはないでしょう。チーム単位で今後の敗戦処理に注目したいです。
Tightenの1位はオリックスの近藤。回跨ぎポイントこそ高くありませんが圧倒的な成績を残しており、勝ちパターンに入っていないのが不思議なくらいです。こんな投手がいま二軍にいるなんて、オリックスは随分リリーフの層が厚いんですね。同じオリックスでは山﨑福も活躍しています。こんな良いロングリリーフ要員がいま二軍にいるなんて、オリックスは(ry

3・4月度月間MVM

さて、いよいよ月間MVMの発表です。
受賞者は…


セ・リーグがレグナルト 投手、パ・リーグが種市篤暉 投手です!

無難でしたねえ。レグナルトは各部門で上位の成績を残しており、文句無しの選出でしょう。守屋や島本も頑張りましたが、今回は次点といったところ。守屋は与四球率やP/IPでレグナルトよりも優れた数字を記録しており、今後の活躍に大いに期待できます。種市はWHIPの悪さが少し気になりましたが、敗戦処理本来の長いイニングを投げるという役割を十分に果たしていたために選出しました。内容で言えば近藤が圧倒的でしたが、本来の意味での敗戦処理をより体現している種市を優先させました。ですが、我々は近藤をちゃんと評価していますし、彼を冷遇する首脳陣を許しません。我々の心は常にリリーフの側にあります。


いかがでしたでしょうか。こんな感じで月に一度、敗戦処理投手を評価していき、シーズン終了後には年間大賞を決めたいと思います。
こんなニッチな話題に一般的な需要があるとは思えませんが、自分の興味関心と過去2年間からの惰性で続けています。自分が楽しいことが一番、とまでは言いませんが重要な部分です。そして一番は、この企画・記事を通して、一人でも多くの人が敗戦処理の大事さ、そこで頑張っている選手の輝きに気付いてくれることで、それが果たされれば嬉しいです。

それでは次回の投稿でお会いしましょう!

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