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今回のASTARのリリースで感じた懸念点と、ASTARが今後も伸び続けると期待できる理由

本日17:00、Token2049の発表で、「Astar2.0 Supernova」の構想が明らかになりました。

改めて、今回のリリースで私個人が感じた懸念点、そして改めて感じた「Astarの強み」を交えた今後の期待について、考察しようと思います。


【01.今回のリリースの概要】

・今回のリリースで、PolkadotではなくETHのL2チェーンであるPolygonチェーンとタッグを組み、ETHのL2チェーン「Astar zkEVM」を始めることが明らかになりました。

【02.今回のリリースの何が問題なのか?】

・Astarは、Polkadotのパラチェーンとして、2022年の1月にローンチされた日本初のパブリックブロックチェーンです。

・従来のAstarチェーンは、この拡張性の低いPolkadotのエコシステムにぶら下がるポジション上、利便性の観点でも、ネットワーク効果的観点でも都合が悪いという課題がありました。

・今回のリリースで明らかになったETHのL2チェーンの形であれば、単純な利便性はもちろん、開発者の確保もしやすく、連携できるPJも爆増します。

・これは、超長期的にAstarのエコノミクスを拡大する上で、非常に「妙手」であると考えられます。


・ただ、ここで一つ重大な問題が生じます。

・それは「新しいチェーンは、既存のアスターチェーンとどのように連携するのか?」そして、「既存のチェーンを応援してきたプロジェクトや投資家、開発者に対する不利益の可能性が生じることについて、どう説明していくか?」という懸念です。

・Polygonチェーンと組んで、ETH上のL2チェーンを始めるということは、ある意味Web2的に言えば、一見すると「VCから資金を集めたスタートアップ起業家が、別法人を立ち上げそちらにコミットメントする」といったムーブメントに近い行為とも言えます。

・これは、起業家としての「専任性」を暗黙の了解とすると、最初の会社に投資したVCにとっては、想定外の利益相反となり得ることを意味します。

・今回の「Astar zkEVM」は、これまでのAStarを信じて貢献してきた一定のプロジェクトや投資家、開発者を結果的に喜ばせるローンチであることが要求されます。

【03.上記の問題を解決すると期待できる3つの理由】

・私は特に、Astarが持つ下記の3つの強みによって、上記の問題を解決すると期待できると考えます。

①「イノベーション」と「投資保護」、「理想的なロードマップ」と「現実的な打ち手」との間の絶妙なバランス感覚
②日本のバカデカGDPに単独でアクセスできる「圧倒的優位なポジション獲り」
③クリプトPJのほとんどが持ち合わせていない「継続性」と「実行力」

・まず、今回のリリースに直結する①について話します。

・さらに②と③について言及し、今後、Astarが既存のコントリビューターへのリターンを担保しながら、引き続き、Astar全体のエコシステムをグングンと伸ばすだろうと期待している理由について説明します。


①「理想的なロードマップ」と「現実的な打ち手」、「イノベーション」と「投資保護」との間の絶妙なバランス感覚

・Astarは、「DAOを目指す」という最終的な目標を掲げています。

・一方で、Polkadotの持つリレーチェーン・パラチェーンの構造上の特性や、足元で行っている施策は、理想とすべき非中央集権のカタチとは逆行する部分が見受けられます。

・Astarは、ある種のこの自己矛盾のジレンマに陥っていることを認めつつも、ロビイング活動や、大企業とのアライアンス戦略などの「既得権益狙いの大人プレイング」に舵を切っています。

・また、私たちに対して適切なタイミングで、適切なコミュニケーションをとっています。

・私は、この一連のムーブメントは、長期的な渋沢栄一の「義利両全」の思想に近いようなカタチにも見え、非常にポジティブな動きだと捉えています。

・超長期で最終的に創造したい世界を実現するために、今は取るべき手段だと割り切って、この二律背反する課題に向かいながら、突き進んでいる姿に感銘を受けます。

・足元の動きですが、「Astar zkEVM」のGas代(ネットワーク手数料)については、テストネットにおいてはイーサ(ETH)を用いるとされていますが、今後のメインネットに関しては情報があまり公開されていません。

<新しい経済>
(
https://www.neweconomy.jp/posts/338523)

・ただ、渡辺創太さん(@Sota_Web3))のツイートで、"トークンはASTR1つなので希薄化しません。"との説明もあり、これまでのAstar powered by Polkadotを応援してきた方々に対して十分に誠意のある姿勢が伺えます。

・足元では、この「ETH L2のプロジェクトがどのように展開されていくのか?」そして、「既存のAstarのエコシステムに対してどのように還元していくのか?」彼らのバランス感覚に真価が問われていくと思いますが、Astarはこの難しい課題を突破し、イノベーションへと昇華させていけるような期待感があります。


②日本のバカデカGDPに単独でアクセスできる「圧倒的優位なポジション獲り」

・クリプトマーケット全体でのベアマーケットが続く今、「いかにして実需ありきの市場で、かつ長期で予算を張れるような巨人の肩に乗っかっていくか」が、短期目線でのゲームの鍵となると思います。

・まずは、エンプラのWeb2予算をTAMとしたビジネスを展開しながら、「”ブロックチェーン的な”施策」を愚直に実践し、マスのリテラシーを引き上げる動きが必要だと思われます。

・日本はGDPは非常に大きい一方で、日本に侵入できるプロジェクトはグローバルでみて、非常に少ないです。

「日本語を話せる」かつ「クリプトを理解する」かつ「日本の政府の人間や企業の決裁権保有者と会話する大人プレイング」ができる人間が、ASTARエコシステムに集中していると言えます。

・ASTARは、昨日発表されたSONYとの合弁会社の設立を初め、エンプラ企業とのアライアンスや、ロビイング活動を進めています。

・このような先手必勝の場所取りゲームにおいて、勝者にもたらされる果実は、今回のリリースの話を凌駕するようなインパクトになると想像しています。

③クリプトPJのほとんどが持ち合わせていない「継続性」と「実行力」

・クリプト起業家の傾向の1つとして、様々なことに果敢にチャレンジする一方で、自分のプロジェクトを信じて積み上げていく「継続性」に欠ける人の割合が比較的高いと感じています。(自戒を込めて)

・またサステイナブルを謳い、いかにも緻密に設計されたようなトークンエコシステムのキラキラホワイトペーパーが出たと思えば、数ヶ月後にいつの間にか消息を絶つプロジェクトも数多く存在します。

・そんな中でAstarは、ベママーケットで他のクリプトプロジェクトが停滞する状況下でも、堅調に事業を伸ばしているように見えます。

・Astarがここまでプレゼンスを発揮するようになった一番の要因は、「渡辺創太さんの圧倒的な強い意志と胆力」に他ならないと思います。

・先日発表された「Astar 2.0」のトーケノミクスや、dApp Stakingなどのアップデート等、テクニカルな面で期待できる理由はいくつも挙げられます。

<Astar 2.0>
https://astar.network/ja/blog/38781

・私は、それらの設計云々は誤差となるレベルで「多くの人々を味方に付け、とにかく先頭を走り続ける圧倒的なエネルギーを持っていること」、これこそがAstarの最大の強みだと思います。


【04. 結び】

・本日のリリースは、日本のクリプトの歴史上の大きな転換点になったといっても過言ではないと思います。

・私は、日本人として、ASTARが今後も覇権を握り続けることを信じています。

・そして、今後の「Astar zkEVM powered by Polygon」の成功をとても楽しみにしています。

・今日も、$ASTR を握りしめて。


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