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2020年アルバム40選+α

正直、音楽がないと生きていけない……なんて事はないですが、音楽がなければ味気ない生活になってしまうのは間違いないです。私にとってはカレーのスパイスのようなもので、ないとやはり物足りないのです。特に2020年は様々な行動制限などがある中、音楽に日々の生活を豊かにしてもらった実感が強い。こんな状況下にたくさんの素晴らしい作品を生み出してくれたアーティストには大大感謝です。
Spotifyなどで新しい音楽を発掘しつつ、本当に気に入った作品はBandcampで購入したり、レコード屋でフィジカルで購入したり、微力ながらアーティストを始めとする音楽関係者に還元していきたいと思います。

25年の活動に幕を閉じたJoan of Arcの言葉が胸に残っています。
「解散というより廃業と言った方が正しいと思っている。俺たちが築き上げてきたコミュニティや文化は何年も前に滅んでいるし、それを維持することができなくなってしまった。」
直接の関係性があるかはわからないけど・・・ユーザーとしては定額制の音楽配信サービスは便利で欠かせない一方、アーティストにも生活があるということを今一度噛み締めて、素晴らしい作品をこれからも届けて頂けるよう僅かでも貢献したいと改めて思いました。
音楽配信サービス→良い作品に多く出会う→Bandcampやフィジカルで買う量も増える(ライブやグッズ含め)→という良い循環が熱心な音楽ファンの間だけでも当たり前になれば良いですね。

前置き長くなりましたが、2004年以来にmyベストアルバム的な事をまとめてみました。順位はつけることができないので、40選+特選8+次点100です。選定基準はどれだけ愛聴したかではなく、選定していた12月に私の心にすっと入ってきたものです。次点の★がついているものは気分次第で40選と入れ替わると思われるものです。

順番:A-Z~あ-ん順
表示:アーティスト名 / アルバム名【国】

アルバム40選

■A Certain Ratio / ACR Loco【UK】

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実はこのアルバム、発売されてから意図的に聴くのを避けていたんですよね。70年代後期~80年代前期のポストパンクは結構思い入れも強く、きっとがっかりするんだろうなと思っていたから。実際The Pop Groupなどは当時の作品のようなクオリティを私は感じることができず、同じような気持ちになりそうだと勝手に思い込んでいました。が、一聴して全力謝罪です。当時のヒリヒリした雰囲気を纏わせながらも現在の音でしっかり鳴らされており、まさに私の(皆の?)求めるACRでした。当時のポストパンクが好きな人にも安心して聴いてほしいし、知らない人も聴いて気に入れば、ぜひ当時のムーブメントも遡って聴いてほしいですね。そんな現在と昔を繋ぐ素晴らしい作品だと思います。ひんやりとしたACRのファンクやっぱ好きだなー。

■Asgeir / Bury The Moon【Iceland】

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アイスランドってやっぱ独特の雰囲気ありますよね。行ったことないんだけど美しい景色が思い浮かぶ音楽。キャッチーなメロディと綺麗なファルセットボイスが魅力だと思うけど、こういう音楽ってアレンジによっては仰々しくなりすぎる事ありますよね。でも、シンプルでフォーキーな曲もあったり、その辺のバランス感覚が素晴らしいと思う。一聴してちゃんと耳に残るキャッチ―さがありつつ、また聴いてみようと思わせるのはアレンジの妙なのかな。ちなみに母国語で歌われた同アルバム(Satt)も英語とは少々響きが変わったりで合わせて聴いても面白いと思います。私には英語以上に意味はわかりませんが(笑)。

■Bananagun / The True Story Of Bananagun【Australia】

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シングル2曲「People Talk Too Much」「Out of Reach」にやられました。60年代のサイケロック(ジャケからしてもう)+アフログルーブな感じを基本としつつ、トロピカルな感じもあって2020年のデビューアルバム!?というのが信じられないタイムスリップ感。音自体は懐古主義というわけでもなく、最近のバンドらしさもあり、個人的にはそれが良い。(昔の音が嫌いなわけではない。むしろ大好き。)シングル以外の曲も完成度高く、リリース後から愛聴し続けています。

■Bruno Major / To Let A Good Thing Die【UK】

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何気ない日常、昼下がりにコーヒーを飲みながら聴きたくなる音楽。ジャズやクラシックの影響もあるんだろうけど、基本的にはソウルで良質なポップスで、なんとも穏やかな気持ちにしてくれる。歌詞の意味は理解してなかったんだけど、「ブルーノ自身が通りを行き交う会話の断片、恋人や友人のさりげない言葉、文学や映画など、日常に満ち溢れる景色を中心に多くが共感できる物語を朴訥に描いていった」らしい。ほぼ英語をヒアリングできない私にも音と歌だけでその日常感が伝わってくる。シンプルなギターと歌とリズムがメインの「Nothing」~アナログ感漂う「Regent‘s Park」の流れが特に好き。普遍性もあり、おそらく一生大切に聴き続けるであろうアルバム。

■Fiona Apple / Fetch The Bolt Cutters【US】

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いつも通り、忘れたころに素晴らしい作品だしてくれるよね(笑)今回は8年ぶりか。ジャケット写真にも使われている亡き愛犬ジャネットの遺骨を楽器として利用し・・・相変わらずぶっ飛んでるね。1曲目から歌声の強さがまず印象に残る。リズムとか音とか凄い不思議な部分もたくさんあるんだけど、歌声がそれらバラバラになりそうな要素をまとめ上げている感じ。今回も癖になるスルメアルバム。しっかりこれが評価されるって良い音楽シーンだよね。

■Fontaines D.C. / A Hero's Death【Ireland】

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アラフォーのおじさんの感覚ではJoy Divisionかな?というのが正直、初めの感想だった。冷徹で不愛想なヴォーカルやエッジーである意味たんたんとしたリズムで刻んでいく感じとか。今の時代に彼らが大絶賛されるのはちょっと不思議な感じもするが、単純にクオリティが高く、カッコよく、気づいたら40選に選んでた。結局そういうことか!?でも本音はもう少し別のスパイスが欲しい気もする。個人的には今後に更に期待!!

■Gezan / 狂(KLUE)【JP】

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各メディアで賞賛され、改めて取り上げるまでもないですが、やはり怪作ですね。ダークでサイケデリックなんだけど、タブ処理とトライバルなリズムのせいか、なんかだんだんと心地よい多幸感も出てくるから不思議。鋭い言葉やアルバム名含め、独自性をもって完璧にパッケージされた作品。

■GoGo Penguin / GoGo Penguin【UK】

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ブルーノートからのリリースだし、もちろんジャズが根幹にあるんだけど、即興性は抑えられており、しっかり譜面に書き起こして作ったんじゃないか?と思える緻密でかっちりとした構成の曲が多く、むしろポストロック好きな人にはまる気がする。ピアノトリオだけど、ベースとドラムがタイトでグルーブのある曲が多いので、自然と体が動くね♪

■haruka nakamura / スティルライフ【JP】

haruka nakamura - スティルライフ

優しい優しいミュートピアノ(自作の布を使っているらしい)の音。全編ミュートピアノのアルバムって初めて聴いたかも。Bruno MajorのTo Let A Good Thing Dieが昼下がりなら、これは朝日と共に聴きたい作品。穏やかな気持ちで1日の始まりを迎えることが出来ます。秋に発売されたスティルライフ Ⅱもあるけど、これで十分満足できちゃった・・・聴き倒したらⅡにも行きます。

■Helena Deland / Someone New【Canada】

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カナダって次から次に素敵なSSWが出てきますよね。この人もこれがデビューアルバム。少しウィスパー系のヴォーカルが甘美な雰囲気の曲調に相まって独特の雰囲気を生み出しています。この手のシンガーには珍しく、途中からビートがしっかり入ってくる曲も多くて聴きやすい。

■Hello Forever / Whatever It Is【US】

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これが1stアルバムのようです。(まじか・・・)1曲目を聴いてこりゃもろビートルズチルドレンや!!と嬉しくなると共に、サウンド含め妙に無理やり60年代感出そうとしてる?とちょっとひっかかったけど、聴き進めていくとブレンダンベンソンやファーリーズなど90年代以降のポップロックの影響も垣間見られ、幅の広さを感じ、更に嬉しくなる。とにかく素敵なメロディーとハーモニーが至る所にある作品です。

■Jack Garratt / Love,Death & Dancing【UK】

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1stアルバムの成功の後、自殺を本気で考え、対処する時間を取り、生まれたというこの作品。彼の苦悩は私には計り知れないが、「ダンスは好きだけど、必ずしも土曜日には出かけたくない人のために書いたんだ。外出したくない人のためのダンスミュージックだよ。立っていても座っていても気にならないような音楽が好きなんだ。立っていても座っていても気にしない音楽。」という彼の言葉がほんとしっくりくる。アンセム感満点のTimeはフェスで絶対盛り上がるけど、後ろで寝ころびながら浸るイメージも沸く。

■Jonsi / Shiver【Iceland】

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ソロ名義では10年ぶりとなる作品。前作と比べA.G. Cookがプロデュースした影響か、いつものヨンシー節に加え、アヴァンギャルドでハードな音像も所々にあり、新たな世界観が広がった感じ。とても芸術性の高い作品だと思うけど、ポップスの範疇に消化されているのが凄いとしか言いようがない。もちろん、彼の独特の声があるからこそ、それが成り立つんでしょうね。個人的には1stよりこの2ndの方がかなり好き。

■Julianna Barwick / Healing Is A Miracle【US】

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アルファベット順なので、順番はたまたまだけど、Jonsiがゲストで参加。瞑想曲のような1曲目から没入感が凄い。1人でヘッドフォンで聴くとトリップできます。浸りたいときにおすすめの音楽。ニューヨーク→LAに住んでいる人がこういう音楽作るのって不思議な感じがしますね。MVの風景がイメージあいすぎるけど、それはやっぱりアイスランドで撮影されたようです。

■Keleketla! / Keleketla!【UK】

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コールドカットの新プロジェクト。実際の所は、南アフリカのアーティストが多数参加だと思うので、国をUKとしていいのか迷いましたが、一応便宜上コールドカットにあわせました。アフロビート+近年のUKジャズ+エレクトロミュージックといった感じですが、生演奏中心でグルーブ感がたまらんです。特に2曲目の「International Love Affair」は2020年夏に一番聴いた曲かもしれないです。

■Kennebec / Departure【US】

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心地よいビートにストリングスと電子音が溶け込む叙情的なサウンドスケープが美しい作品。教師兼ナショナルジオグラフィックで放送される番組や映画やゲームなどの作曲も手掛ける映像音楽家らしいです。個人的にはフルートが良い味を出しているQuestが好きです。

■Leifur James / Angel in Disguise【UK】

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Kennebecと同じくNight Time Storiesというレーベル(Khruangbinが有名ですかね)の作品。クロスオーバーしまくりのUKジャズシーンに入るんですかね?これも。もはやジャズの定義がわからない今日この頃ですが、この界隈の人の最先端と思われる音像処理がほんと心地よい。プロデューサー兼マルチ・インストゥルメンタリスト・・・このフレーズ2020年何度見たことか・・・そして大概の作品が良い。

■Mac Miller / Circles【US】

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残念な事に遺作となってしまったこのアルバム。そういった思い入れ的な要素を抜きにしても素晴らしい作品です。私が大好きなジョンブライオンが共同プロデューサーということもあり、ちょっと贔屓目にみてしまいますが、温もりのあるサウンドで繊細な歌がしっかり伝わるものになっており、Everybodyのようなほぼピアノとリズムと歌だけで聴かせる曲もあり、元々HIPHOPアーティストだっけ?と感じるポピュラーな普遍性のある曲も多いと思います。歌詞までしっかりみると辛くも感じてしまいますが、Good Newsは文句なしの名曲ですね。

■Meitei(冥丁)/ 古風【JP】

Meitei(冥丁)- 古風

これはエレクトロニックの名作だと思います。特に日本人にしか作り上げることが出来ないであろう作品という意味で大変感銘を受けました。日本の原風景や文化をモチーフに作り上げられた作品ということでは前2作と同じですが、エレクトロニックは北欧のシーンを中心に聴いてきた私の耳にも、より馴染むもので、絶妙にポピュラーさがブレンドされた感じがします。(決して一般大衆受けはしないと思いますが・・・)2020年に一番衝撃を受けたのはこの作品でした。

■Mom / 21st Century Cultboi Ride a Sk8board【JP】

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前作よりちょっとローファイ感が弱まったかなと思ったら、ついにGarage BandからLogicに制作ソフトを変えたよう。そもそもMac標準装備のGarege Bandだけで作っていたというのが新世代感ありますよね。iPHONEだけで作られた曲もあると言っていたような言ってないような・・・ローファイ感弱まったとはいいつつも、決してハイファイな音ではなく、自身で名乗っているクラフトヒップホップな感じはしっかり残っています。ジャンル的にはヒップホップになるんだろうけど、ローファイポップスというか、あくまでポップスの範疇でヒップホップの要素があるように感じます。(本人的には違うかもしれんけどm(__)m)とにかく好きなので応援しています。

■Muzz / Muzz【US】

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インターポールのポール・バンクスを中心とした3ピース新バンド。穏やかというかゆるい感じのBad Feelingがまずツボにはまり、Red Western Skyで完全にやられました。安心して聴ける良質なUSインディロックですね。今後も継続して作品を作ってくれることを期待!

■Nate Mercereau / Joy Techniques【US】

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これまたジャズギタリスト、マルチミュージシャンのソロデビュー作。何気に2020年トップクラスにリピートしたアルバムな気がする。理由はわからんけどなんかこのギターシンセの音が妙に好きなんですよね。ほぼ全ての演奏を自身で行っているようですが、最近こういうマルチな人多すぎじゃないですか、なんて器用な。テラスマーティンがサックスで参加している4曲目が熱い!他にも2曲目や9曲目など、血がたぎる感じの熱気をもった曲が多く、ジャズよりロックやブログレ畑の人の方に響く気がする。

■PEDRO / 浪漫【JP】

PEDRO - 浪漫

私の40選では異色のアーティストだと思いますが、2018年ぐらいからBiSHとPEDROには結構はまりました。アユニ・Dのハム太郎的な?特色ある声と僅か1年足らずでフィンガーピッキングまでライブで披露しているベースの練習量にグッときつつ、田渕ひさ子さんのギターに唸り、大学生にしてドラムに抜擢された毛利さんの軽快なリズムと、普通にしっかりした3ピースロックバンドです。感傷謳歌とかちょっとthe pillowsを思い出す青春っぽさもあり、今のバンドなのに思い出補正がかかる感じが癖になります。空っぽ人間の初めのギターとかDinosaur Jr.やし。ちなみにアユニ・Dの好きなベーシストは
アニー・ホーランド(エラスティカ)
ジョー・ラリー(フガジ)
キム・ゴードン(ソニック・ユース)
らしいです。ナイスチョイスです。

■ROTH BART BARON / 極彩色の祝祭【JP】

ROTH BART BARON - 極彩色の祝祭

名前はずっと知ってましたが、実は本作までちゃんと聴いたことがなかったんですよね。過去作をちらっと聴いたことはあったんですが、その時はそこまで響かなかったので、長らくスルーしてました(謝)。いきなり教会的な響きのある1曲目~2曲目の流れで度肝を抜かれました。想像以上に作りこまれた緻密なサウンドとアレンジで聴けば聴くほど新しい発見があります。いやー本作でちゃんと聴いて良かったですほんと。

■Sufjan Stevens / The Ascension【US】

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随分と有名になったスフィアン。昔からずっと好きで私にとっては毎回良作を届けてくれると完全に信頼しきっているアーティストです。今回ももちろん素晴らしいアルバムで何度もリピートさせてもらいました。MichiganやSeven Swansの時と比べると音も変わったと思うけど、どんな方向性でも常にハイレベルな作品を作り上げるプロフェッショナルさに感服です。

■Thanya Iyer / KIND【Canada】

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Future-Folkと呼ばれているらしい。確かに一筋縄ではいかない不思議な曲が多いです。3曲目の後半暴れてくるサックスとかたまらんです。その流れからの4曲目も素晴らしい。これも夏に結構リピートしたアルバムですが、また暫く聴き倒すと思います!

■The Avalanches / We Will Always Love You【Australia】

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まさか2020年末にアヴァランチーズの新作を聴けることになるとは!どこから突っ込んだらいいのかわからないぐらいの豪華ゲスト陣だが、ヴァシュティ・バニヤンだと?どんな繋がりなのかよくわからないが・・・とにかくアルバムの出来は素晴らしいです。25曲もあり、まだそんなに聴けてないので、しばらくはリピートしまくります!

■The Microphones / Microphones in 2020【US】

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大学生の時に好きになったアーティスト。しばらくはマウント・イアリ名義で活動していたと思うので、突如マイクロフォンズ名義で発表されていて、あやうく見逃すとこだった。44:44(タイムは偶然らしいが)の1曲のみ。冒頭2コードだけで展開されるアコースティックギターの音がしばらく続くがなんて心地が良いんだろう・・・コード自体はそのあともずっと変わらずだけど、歌にノイジーな音にドラムと徐々に音が折り重なってくる感じであっという間に44分聴けてしまう凄いアルバム。マイクロフォンズ名義で一番好きな作品になったかも。

■The Nels Cline Singers / Share The Wealth【US】

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Wilcoのネルスクラインさん。ジェフもアルバムだしていたけど、私はこちらを愛聴しました。ほぼカット&ペーストせずにジャム演奏で作り上げたというアルバム。もちろん即興性も感じられるけど、しっかり構成された曲になっているのは流石。2曲目の徐々に盛り上がる展開にテンション上がる。

■This Is The Kit / Off Off On【UK】

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これぞインディロックという感じでアルバム通して好きだけど、とにかく「Coming to Get You Nowwhere」がMy Hitしました。9月にシングル発表されてから定期的にずっと聴いている。ホーン・ワークが良い味出しています。

■Tigran Hamasyan / The Call Within【Armenia】

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これまたジャズ畑の人。1曲目からテクニカルなフレーズの応酬。プログレッシブジャズ?私はあまり聴かないタイプの曲だけど、素直にかっこいいと思った。全体を通してジャジーなフレーズよりクラシカルなフレーズの方が多い気がする。プログレッシブロックっぽいかも。いったいジャズとは・・・?まぁとにかく良いものは良いのです。

■Tom Misch & Yussef Dayes / What Kinda Music【UK】

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ジャズドラマーのユセフとのコラボアルバム。この人もロック、ファンク、ジャズ、エレクトロ、ヒップホップとジャンルレスな音楽が魅力的なアーティスト。ベーシストのロッコが重要な役割を果たしているLift Offが特に好みです。Youtubeで見れる演奏も痺れる。

■Tower Of Power / Step Up【US】

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結成おおよそ50年のファンクレジェンド。未だに十分すぎるパワーを漲らせたファンクサウンドを聴かせてくれる力作。決して老獪なまったりとしたソウルというわけではなく、全開です。いやー恐れ入りましたm(__)m聴けば活力が漲ります。

■Widowspeak / Plum【US】

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これぞインディーポップ。ドリーミィーな空気に気だるく甘いヴォーカル。印象的なベースフレーズが癖になるThe Good Onesが良いアクセントになっています。どんな時もすっと自然に私の心に溶け込んでくる音楽。

■Yves Tumor / Heaven To A Tortured Mind【US】

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モダンなサイケ感が魅力のイブ・トゥモアさん。全編つかみどころのないミクスチャー感が癖になります。でも不思議とポップというか聴きやすさもあるんですよね。まだまだ聴けば聴くほど新しい発見がありそうなので、しばらくリピートしそうです。

■大橋トリオ / This is music too【JP】

大橋トリオ - This is music too

ちょくちょくメディアでも取り上げられたり、少なくとも音楽業界では一定の高い評価を得ていると思うけど、もっとメジャーシーンで突き抜けてもよさそうな人。ローファイというわけではなく、アナログの質感が残ったとても温もりのあるハイクオリティな音質にまず心を掴まれる。これだけ安定して(多作で)良質なポップスを届けることが人って早々いないと思う。ルーファスウェインライトやキリンジが好きな人におすすめしたい。

■岡田拓郎 / Morning Sun【JP】

岡田拓郎 - Morning Sun

Roth Bart Baron、柴田聡子、安藤裕子などのライブやレコーディングにも参加している彼。というかその辺の界隈の人の至る所で名前を見ますよね。このアルバムからも才能が溢れ出さんとばかりに色々な顔を覗かせる曲たち。ドラムやリバーブとかなんとなく最近のUS/UKインディーロックっぽい音像感もある。1つ1つの音が丁寧に処理されていて心地よい。

■田中ヤコブ / おさきにどうぞ【JP】

田中ヤコブ - おさきにどうぞ

宅録感が前面に出ているローファイサウンド。いわゆる良い音ではないけれどこれはこれで良い。私は最先端の音もローファイなサウンドも好きです。そういう意味では10年前に最先端だった音とかが一番中途半端で新作で鳴らされるときついかも・・・話が逸れましたが、音どうこうの前に眩いほどのグッドメロディに溢れた曲だらけです。サニーデイサービスの新作をあげなかったのは、私の中のその部分の役割は田中ヤコブさんが今年は完全に担っていたからです。本当に素晴らしくピュアで普遍性のあるアルバムだと思います。

■宗藤竜太 / くるみ【JP】

宗藤竜太 - くるみ

今年初めて知ったアーティストで断トツに一番聴きました。ギターと歌だけのシンプルな引き語りスタイル。こんなに歌に心を揺さぶられたのは久しぶりかもしれない。2020年上半期に一番聴いた曲は「庭の水やり」だと思います。コロナで沈んだ空気を照らしてくれた素敵な素敵なアルバムです。もっともっとたくさんの人に聴いてほしい。

■ゆうらん船 / MY GENERATION【JP】

ゆうらん船 - MY GENERATION

これまた凄いバンドが出てきたなーと。1曲目からしてセンスの塊よ。田中ヤコブ、宗藤竜太、ゆうらん船、君島大空etc...新世代の素晴らしいアーティストがこんな状況化でもしっかり作品を残してくれて幸せです。

特選8

■Burial,Four Tet,Thom Yorke / Her Revolution,His Rope【UK】

■Gang Of Four / ANTI HERO【UK】

■James Blake / Covers【UK】

■Neil Young / Homegrown【Canada】

■Tempalay / 大東京万博【JP】

■V.A. 難波BEARS / 日本解放【JP】

■君島大空 / 縫層【JP】

■しなの椰惠 / 16歳【JP】

特選はシングルや曲数の少ないEPだったり何かしらの理由で40選には入れなかったけど、印象深かったものです。Burial,Four Tet,Thom Yorkeは2曲だけですが、12月に素晴らしい曲を発表してくれて感謝。Gang Of Fourは亡くなってしまったアンディギルに感謝と追悼。(学生の頃、コピーバンドしたなー。良い思い出。)James Blakeはカバー集ですが、改めて聴いてもほんと素晴らしい出来です。Neil Youngは1975年録音の幻のアルバムということですが、やはりあの時代のニールヤングは凄い。Tempalayの大東京万博はとにかく私のツボでした。V.A. 難波BEARSはコロナ禍のライブハウス支援としてBiSH、Toeの動きと共に印象深かったです。君島大空は本来40選に入れても良いぐらい、というか間違いなくここ1年で1番聴いているアーティストなのですが、逆に聴きすぎたのと次作にすでに期待しまくっているということで。しなの椰惠の16歳は曲単位で印象に残りました。歌詞が実話のようで私には想像できない壮絶体験ですが、現代の尾崎豊感を感じました。

次点100

Adrianne Lenker / songs【US】
★Aero Flynn / Madeline【US】
Aksak Maboul / Figures【Belgium】
Andi Otto & F.S.Blumm / Entangleland【Germany】
★Andy Shauf / The Neon Skyline【Canada】
★arca(LUCA & haruka nakamura)/ 世界【JP】
★Arca / KiCk i【Venezuela】
BiSH / LETTERS【JP】
Blake Mills / Mutable Set【US】
Brendan Benson / Dear Life【US】
Bright Eyes / Down in the Weeds,Where the World Once Was【US】
Chicago Underground Quartet / Good Days【US】
★Clap!Clap! / Liquid Portraits【Italy】
COMA-CHI,Uyama Hiroto / Japanoia【JP】
Common / A Beautiful Revolution(PT1)【US】
Conershop / England is a Garden【UK】
Coriky / Coriky【US】
Cosmic Neighbourhood / Library,Vol.1【UK】
Covet / technicolor【US】
★Crack Cloud / Pain Olympics【Canada】
Damian Jurado / What's New,Tomboy?【US】
Deap Lips / Deap Lips【US】
Deerhoof / Future Teenage Cave Artists【US】
Deerhoof / Love-Lore【US】
Dinosaur / To The Earth【UK】
Dominic J Marshall / Nomad's Land【UK】
★E1GHTH PLACE / File Not Found.【Canada】
★En Attendant Ana / Juillet【France】
★Epic45 / Cropping the Aftermath【UK】
Fleet Foxes / Shore【US】
Four Tet / Sixteen Oceans【UK】
F.S. Blumm / In Sight【Germany】
★Gia Margaret / Mia Gargaret【US】
★Gorillaz / Song Machine,Season One:Strange Times【UK】
★Half Japanese / Crazy Hearts【US】
★Harry Jay-Steele / Boundaries【UK】
★Holy Hive / Float Back To You【US】
Horse Lords / The Common Task【US】
Joan Of Arc / Tim Melina Theo Bobby【US】
Kassa Overall / I THINK I'M GOOD【US】
King Krule / Man Alive!【UK】
Land Of Talk / Indistinct Conversations【Canada】
Laura Marling / Song For Our Daughter【UK】
★LEENALCHI / SUGUNGGA【Korea】
Liam Bailey / Ekundayo【UK】
★Liam Hayes / Mirage Garage【US】
★Lightning Orchestra / Source And Deliver【US】
★Matt Berninger / Serpentine Prison【US】
★Melody Gardot / Sunset In The Blue【US】
★Melt Yourself Down / 100% YES【UK】
★Mina Tindle / SISTER【France】
★Moses Boyd / Dark Matter【UK】
★Moses Sumney / grae【US】
★M.Ward / Migration Stories【US】
★M.Ward / Think Of Spring【US】
Pearl Jam / Gigaton【US】
Perfume Genius - Set My Heart On Fire Immediately【US】
Phoebe Bridgers - Punisher【US】
Real Estate / The Main Thing【US】
Ron Sexsmith / Harmitage【Canada】
★ROVO / ROVO【JP】
★Rufus Wainwright / Unfollow The Rules【US】
★Ryu Matsuyama / Borderland【JP】
Sam Amidon / Sam Amidon【US】
Sam Gendel / Satin Doll【US】
Sam Gendel / DRM【US】
SAULT - Untitled(Black Is)【UK】
★SAULT - Untitled(Rise)【UK】
Skyway Man / The World Only Ends When You Die【US】
Speedometer / Our Kind of Movement【UK】
★Steve Lacy / The Lo-Fis【US】
Sunset Rollercoaster(落日飛車) / SOFT STORM【Taiwan】
★Tame Impala - The Slow Rush【Australia】
Taylor Swift - folklore【US】
Thao & The Get Down Stay Down / Temple【US】
The 1975 / Notes On A Conditional Form【UK】
The Dream Syndicate / The Universe Inside【US】
the engy / Hold us together【JP】
The Jack Cades / Perfect View【UK】
The Strokes - The New Abnormal【US】
★Thundercat / It Is What It Is【US】
★Thurston Moore / By The Fire【US】
Travis / 10 Songs【UK】
★Tunng / Tunng Presents...DEAD CLUB【UK】
Vacations / Forever in Bloom【Australia】
★Westerman / Your Hero Is Not Dead【UK】
yukifurukawa / 金貨【JP】
Yo La Tengo / Sleepless Night【US】
青葉市子 / アダンの風【JP】
★石若駿 / Songbook5【JP】
井手健介と母船 / Contact From Exne Kedy And The Poltergeists【JP】
岡村靖幸 / 操【JP】
踊ってばかりの国 / 私は月には行かないだろう【JP】
★坂口恭平 / 永遠に頭上に【JP】
★高井息吹 / kaleidoscope【JP】
渚にて / ニューオーシャン【JP】
ニガミ17才 / ニガミ17才o【JP】
長谷川白紙 / 夢の骨が襲いかかる!【JP】
★山本精一 / selfy【JP】
流線形,一十三十一 / Tailo【JP】

Spotifyプレイリスト

40選+特選各アルバムより1~2曲程度選出。曲順は考慮せずアーティスト順。次点100からのPart 2はそのうちUPします。

おまけ ~国カウント & 2004年30選~

せっかく【国】を記載したのでカウントしました。(特選と次点を含む)

国

UKより日本の方が多かった事が驚きでした。あとはイメージ通りかな。韓国と台湾が1作ずつでしたが、東南アジアあたりもちょくちょく面白い音楽がでてきているので、今年はより注目していければと思います。

5年後、10年後の備忘録としてほとんど自分のために作ったようなものですが、多少でも観てもらえる方がいれば嬉しい限りです。今回2004年以来に●●選を書きましたが、もし興味ある方がいれば2004年の30選は下記をご覧ください。

https://enimal.exblog.jp/1950765/


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