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復旧工事下の熊本城 ~重要文化財確認~

2016年(平成28年)に地震による大きな被害を受けた熊本城は、天守閣は復旧したものの、現在でも全域で復旧工事が行われています。

2023年2月に熊本城を訪問した時の様子と、当時鑑賞可能だった重要文化財についてご報告します。

※この記事は前回の続きです。前編をお読みでない方は下記のリンクからどうぞ。

■このnoteを書いている人:かまふち管理人"sho"
日本の歴史・文化・自然・世界遺産、国宝、(続)100名城、日本遺産、建築、町並み、旧街道、映画、日本酒、折り畳み自転車などに興味があります。京都/奈良/横浜/鎌倉/江の島などなど…。
※プロフィールは下記リンク先を参照してください


■登城前に腹ごしらえ

熊本市役所 加藤清正公モニュメント

熊本大学からバスに乗り熊本市役所前で降ります。目的はこの近くに本店のある桂花ラーメンです。

桂花ラーメン本店

生のキャベツが印象的なこのラーメン店、以前は横浜にもあり何度か食べに行ったことがありましたが、私が住む神奈川県には現在店舗はなくなってしまい、ぜひ訪れたいと思っていました。

桂花ラーメン ターローメン

この日はターローメンをいただきました。太肉ターロー は「かんたんに言えば豚バラ肉の角煮」(桂花ラーメン公式サイトより)のようなもの。

分厚い「角煮」ですが、口に含むとまろやかにとろけるようなおいしさ。生のキャベツのバリバリ感も健在です。

■熊本城登城

長塀 重要文化財

熊本市役所付近から坪井川沿いに歩きます。向こうに見える長い塀はその様子のとおり「長塀」という塀で、国の重要文化財に指定されており、天守閣と同様復旧工事が終わったものの一つです。

加藤清正像

加藤清正公の像を過ぎたら行幸橋を過ぎ行幸坂を登ります。だんだんと城内に近づいてきた感じがしてきました。

工事中の櫓

行幸坂を登る途中、右側に見える櫓も復旧工事中でした。位置的には飯田丸五階櫓でしょうか。

■入場料を払って城内へ

歩行者用特別見学通路【写真提供:熊本城総合事務所】

入場料を払いエレベーターで歩行者用特別見学通路に登ります。この通路は、熊本城が復旧工事中のために改めて建設された見学用の歩行デッキのような、空中にある通路です。

■上の写真は熊本城公式サイトから借用しています。私が訪問した当日は見学者が多くこうした写真はなかなか撮影できませんでした。詳しくは下記リンク先を参照してください。なお、この写真以外は全て自分で撮影したものです。

数寄屋丸二階御広間

歩行者用特別見学通路を暫く歩いて左手に見える数寄屋丸二階御広間も、地震により石垣が崩れ、建物が一部たわんでしまっています。

熊本城石垣 武者返し

天守を背景に美しい弧を描いた石垣が見えます。この反り返った石垣は「武者返し」といわれています

地面付近は傾きが緩く、上に行くにつれて傾きが急になっていく独特な作りで、敵の侵入を阻むと同時に、その美しい傾斜は見る人を惹きつけ、熊本城の見どころのひとつとなっています。

右から田子櫓・七軒櫓・十四軒櫓

歩行者用特別見学通路の右下に三つの櫓が並んでいるのが見えます。これらは右から田子櫓、七軒櫓、十四軒櫓と呼ばれるもので、3軒とも国の重要文化財に指定されています。

平時では武器などの貯蔵庫として利用し、いくさの際には熊本城の東側の守りを固める役割を担っていました。

四軒櫓

田子櫓、七軒櫓、十四軒櫓の隣には四軒櫓(国指定重要文化財)がありますが、歩行者用特別見学通路からはあまりよく見ることはできませんでした。

闇(くらが)り通路

本丸御殿の床下部分に闇り通路 くらがりつうろといわれる通路があります。御殿への正式な入り口もこの通路部分にあり、全国的にも珍しいものとなっています。

■天守閣ゾーンへ

天守閣

熊本城天守閣は、外観は三重、内部は地上6階地下1階建ての堂々とした建物です。

本来の天守閣は1877年(明治10年)に火災のために焼失してしまいましたが、1960年(昭和35年)に鉄筋コンクリート造りで再建されました。

天守閣(別角度から)

2016年(平成28年)の熊本地震では天守閣も被害を受けましたが、2021年(令和3年)に完全復旧しました。

天守閣内部 井戸と石垣
天守閣内部 復旧された厠
天守閣からの眺め 阿蘇連山

天守閣からは遠く阿蘇連山を眺めることもできます。

熊本城おもてなし武将隊の演武

午後2時30分からは天守閣前の広場で、熊本城おもてなし武将隊による演武が行われました。

■重要文化財 宇土櫓

宇土櫓(うどやぐら)

平左衛門丸へいざえもんまる にある宇土櫓うどやぐら は、築城当時の姿を保っている唯一の櫓です。

大天守、子天守と並んで「第三の天守」ともいわれるその姿は、他の城の天守閣に匹敵する規模のもので、国の重要文化財に指定されています。

宇土櫓

現在(2023年12月)では復旧工事のために覆屋の中に隠れてしまい、再びその姿を現すのに10年近い工事期間が必要とされています。

天守閣から見た宇土櫓

宇土櫓の姿は天守閣からも確認することができました。当分の間この姿を見ることはできないといういうことになります。

■最後に

2016年(平成28年)の地震で大きな被害を受けた熊本城は、城内のあちらこちらで復旧工事が行われており、復旧工事の全てが完了するのは2032年度とされています。

それでも関係者のご努力により復旧工事が進み、見学用の通路やエレベーターなども整備されて安心して見学することができました。

宇土櫓については、向こう10年程度かかる復旧工事に入る直前にその姿を脳裏に焼き付けることができたのは幸運でした。

今回の熊本城訪問の主要テーマである「重要文化財の確認」も、復旧工事中や解体されているものを除けば、全て達成することができました。

熊本城おもてなし武将隊の演武も楽しくついつい長居をしてしまいました。そのため、熊本駅前から出発する阿蘇くまもと空港に向かうバスに乗るために、いつもの私の旅のとおり、ホテルからバス停まで駆け足となってしまいました。

ちなみに、空港に到着したのは離陸およそ30分前で、それから心残りになっていたタイピーエンを大急ぎで食べていたため、まだ保安検査場を通過していないということで空港内の放送で私の名前が呼ばれてしまいました。

有名人ではなくてつくづくよかったと思った瞬間でした(笑)。

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