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8/4 ROCK IN JAPAN FES. 2024


キタニタツヤ

1.聖者の行進
2.次回予告
3.スカー
4.PINK
5.憧れのままに
6.ずうっといっしょ!
7.青のすみか
8.ファタール w/ 中島健人 (GEMN)


すごい才能、憧れていたアジカンやホルモンと同じステージにJAPAN JAMに続いて立てたことはすごいとアーティスト紹介を受けて登場。
その通り、頭の良さが曲の至るところに出ていて聞いていてとても気持ちが良い。この頭の良さ故の完成度の楽曲がたくさんあるのになぜこんな知名度が低いのだろうと疑ってしまう。

キタニは今回アジカンと並んでモチベアーティスト。どんなステージを見せてくれるのか楽しみにしているとSEの後に聖者の行進、次回予告と続く。初めてのメインステージとは思えないほどの堂々っぷり。次回予告のコールは楽しすぎた。
MCを挟んでスカー。夏の青空の下でスカーはかっこ良すぎた。これをほとんど崩れずに歌いこなせる歌唱力も目を引いた。これだけの作曲能力があれば歌くらい下手であってほしいが(せめてもの僻み)、天は二物を与えすぎている。音源の時点でわかるが、実際聞いて圧倒されてしまった。
間髪入れずにPINKのイントロが鳴り響く。「ぴぃい〜〜〜んくっ‼︎」とねっとり叫ぶキタニを見ていると完全にゾーンに入っているのがわかる。圧倒的なかっこよさであった。
yamaの音源とともに憧れのままにを披露。ジャムセッションを挟んでずうっといっしょ!へ。歌詞があまりにもグロい。そもそも「ずっといっしょ」と言えばいいものを、わざわざ「ずうっといっしょ!」と馬鹿っぽくすることで、好きすぎて知能指数が下がっている様→異常な愛(執着の方が合ってるかも?)を表現していてタイトルからすでに怖い。炎天下の中曲の雰囲気が相まって異様な空間であった。
次が最後な雰囲気を出して青のすみか。イントロで観客の声が上がる。真夏に聞く青のすみかは格別なものだった。

「キタニタツヤでした!ありがとうございました!」

と言い残し早速とステージを後にする。明らかに演奏時間が短いのでアンコールが来るとわかっていたが、わざわざ私が明日死ぬならをこの形でやる必要もないからなんなんだ、と思っていた
キタニのロゴが音に合わせて点滅する。皆が息を呑む中ダンサーが両袖から4人ずつ出てくる。まさかと思った途端に聞いたことのあるメロディが流れる。

ファタールのサビ終わりの間奏だ。

このステージで1番の歓声が上がる。これをサビ終わりのパートをイントロ替わりにするかっこよさに飲まれていたらキタニと中島健人が現れてものすごい歓声に包まれる。

「GEMN」

とでかくスクリーンに映し出されると中島健人が歌い出す。盛り上がるというよりみんなこのステージを焼き付けようとしていた。一流アイドルを生で見るのは初めてだが、聴覚ではなく視覚で引き込まれる感覚が初めてで新鮮だった。圧倒的な爽やかさ、キラキラさにキタニが見劣りして見えてしまった笑

「GEMNでした!ありがとうございました!」

曲が終わりそう言い放つと2人肩を組んで仲良さそうに袖に履けていった。
圧巻の締めくくりで終わった後の満足感がすごかった。今のキタニを象徴するようなセトリにサプライズ。「キタニが「キタニタツヤでした!ありがとうございました!」と言ってわざわざ一回帰ったのは、キタニタツヤとGEMNのステージを区別するため」というツイートを見てその通りだと思った。
自分の楽曲にプライドを持ってやり切って、雰囲気を変えて別アーティストになり切る。たったこの一曲のためにダンサー8人呼んで中島健人もブッキングして映像も作ってマイクも変えてで絶対赤字だと思うが、それでもたった一曲のためにここまで掛ける精神。コラボが多いロッキンと言えども、ここまでのステージはなかなか貴重なものを見れたのではないかと思う。この先ジャニオタと出会うたびにこれでマウントを取っていこうと思う(笑)


結束バンド

1.ROCK IN JAPANのテーマ
2.ギターと孤独と蒼い惑星
3.あのバンド
4.カラカラ
5.今、僕、アンダーグランドから
6.なにが悪い
7.転がる岩、君に朝が降る
8.月並みに輝け
9.青春コンプレックス


ロッキンのテーマはバンドのみ。そんなテーマあったんや笑
ギターと孤独と青い惑星とあのバンドの名刺替わりのロックチューンはじまり、ボーカルが変わりカラカラと続く。ボーカルの交代があることが意外だったが音源をよく聞けば確かに声が違う。メインは喜多ちゃんの声優だが結束バンドの4人の声優が交互に歌っている。何が悪いが終わってぼっちちゃんの声優に変わると、「大先輩の曲を歌います。転がる岩、君に朝が降る」と言って演奏が始まる。同じステージでアジカンの演奏を控えてる中でこの演出はあつい。
最後は月並みに輝けと青春コンプレックスで終わる、無難な構成であったがアニメを知っている人からしたらなかなか楽しいライブだったんじゃなかろうか。


PEOPLE 1

SE. PEOPLE SAVE THE MACHINE
1.新訳:スクール!!
2.鈴々
3.新訳:東京
4.銃の部品
5.アイワナビーフリー
6.DOGLAND
7.大衆音楽
8.エッジワース・カイパーベルト
9.idiot (新曲)


5月の大阪メトロ以来のPEOPLE 1。その時に113号室やってかなりレアだったが、今回はぶっ飛ばしセトリで全体力使い切りたいと期待していた。一曲目なんだろうと友達と話していて、鈴々が最有力という結論に至ったので、全力待機。いつものSEが流れメンバー登場、拡声器を持っていたので怪獣か!と思っていると、、

ヤッパッパ!!

えええええええスクールしかも新訳!?!?!?
鈴々始まりよりも全体力使い切り開幕で不意打ちを喰らった気分だが、こうなったら受けて立つかかってこい!!!と気合が入った。(よく考えたら怪獣は拡声器使うとこ無い笑)

気温もピークの時間帯で炎天下の中全力で歌っていると体が燃える様に暑くなってくる。いつもの夏フェスはこんなんじゃ無い、もっと快適だったのに今年は明らかにおかしい。PEOPLE 1の3人も全身真っ赤の作業着の様な衣装。Takeuchiは髪まで赤だ。見てるだけで暑くなってくる。ただ、こっちも負けてられない。気温に負けないくらい体温も上げて演者と勝負しなければならない。和風にアレンジされた重低音を全身で感じる。
2サビが終わるといつも通りTakeuchiが前に出てきて、ジャンプとシンガロングを煽ってくる。この煽りで歌うTakeuchiがちょっと滑稽でおもしろいのだが、同時にテンションも上がる。一曲目から全力を出し切った。

すぐにDeuが歌い出す。2曲目が鈴々だ!そういう攻め方もできるのか、、、PEOPLE 1を追って長くなってきたが、まだまだ知らないPEOPLE 1がたくさんあるなと実感した。そしてMVも奥のスクリーンに映し出される。明るい曲調に悲しい歌詞、世紀末の世界で楽しそうに踊る少女2人。ロッキン初めてのメインステージでもPEOPLE 1らしさ全開だ。

3曲目。Deuが「ここはどこだ!そう!東京!」と叫ぶと始まる東京。アップテンポのぶっ飛ばしセトリを期待していたのだが、PEOPLE 1らしく曲の幅広さで攻めるセトリのようだ。銃の部品が続く。フェスにもかかわらず観客みんな手を銃の部品ポーズにしていた。鈴々での盛り上がり方やこの光景を見るとPEOPLE 1もフェス常連バンドになったんだなあと感慨深くなる。
映像がつくと今度は、少女が映し出される。喧噪の中東京を聴いている。アイワナビーフリーのМVそのままだ。LOVE2だかパーティーゲームだかでDeuが「PEOPLE 1の原点にして頂点」と言っていた曲をMVとともにロッキンのメインステージでかき鳴らす。淡々と演奏しているように見えるが彼らにとってかなり特別なステージなのだろう。鈴々でもそうだったがMVもロッキンのメインステージに持ってくるあたりとてもPEOPLE 1らしい。

次のDOGLANDは「歌える人はジャンジャン歌って!」と煽ってから入ったため、一人で大熱唱。あまり歌っている人は見受けられなかったが、Deuさんがそう言ったんだから免罪符だろう。とても楽しかった。

「はじめてのメインステージ。せっかくなら私が作ったPEOPLE 1という存在をどこまでも大きくしたい。喜びも悲しみも、人に言えないような些細な感情もつれていきたい。」

「我々は大衆音楽を掲げてやっています。」

そう言うと、大衆音楽に入る。遠い昔に聞いたことあるなと思い調べたら、どうやらファッキンツアー以来の演奏らしい。
このファッキンツアー僕が参加した日は激やば整番で2列目の真ん中取れた+超ぶっ飛ばしセトリで、はしゃぎまくってしんどかった記憶しかないので、ほぼほぼ今回が初めて聞くことになる。今のPEOPLE 1には似つかわしくないキャッチ―なメロディ。メインステージに立ったことで原点に立ち返る的な意味なのだろうか。

「最後にいい景色見せてくれ!」とItoが煽るとエッジワース・カイパーベルトに入る。正直炎天下の下かなり体力が限界だったので最大限楽しめなかったが、とてもいいステージだった。

これで終わりのつもりでいると、「最後は新曲で終わります。これが2024年下半期の新しいPEOPLE 1です。」とDeuが言う。

「idiot」

そういった瞬間に今のツアーでやっている曲だ!と認識した。これが本当に苦しかった。

「アイシテルコノセカイデボクラアドケナイトキノユメヲミテル」

というフレーズが何度も出てくるのだが、ラスサビ前のこのフレーズを天を仰尾ぎながら歌っていた。まだリリースされていないので確かめることができないが、歌詞が完全にこの春亡くなったバンドのボーカルに宛てている。ツアーでこの曲が披露されたとき、SNS上では、彼に宛てた曲だと言われていたが、生で聞いて確信した。PEOPLE 1とこのバンドはデビュー時期もレーベルも初ライブもほぼ同時期で良きライバル、良き仲間としてお互いを支え合ってるが、そのバンドの要だったボーカルが急死。

「アイシテルコノセカイデボクラアドケナイトキノユメヲミテル」

このフレーズを何度も繰り返し天を仰ぐ。その曲のタイトルは「idiot」。意味は「馬鹿者」。あまりにも辛すぎる。暑さに体力を奪われかなりの疲労だったが、その疲労を超えて涙が出てきそうだった。
曲が終わっても連番たちはこのことに気付いてない様子で、疲労と虚しい感情を抱えながらステージを移動した。


スキマスイッチ

1.雫
2.ユリーカ
3.奏(かなで)
4.逆転トリガー
5.Ah Yeah!!
6.全力少年


今回唯一の前列。しかも三列目の鬼近席だった。クロークに寄っていたら一曲目に間に合わなくて移動しながら見ていたのだが、「懐かしい〜」とみんな言っていて昔からスキマスイッチの音楽を愛している人たちの空間なんだと思えてとても良かった。ボーカルも歳を重ねているはずなのに全く歌唱力が落ちないどころか上がっている奏も青空の下で聞くとなんとも言えない澄んだ感情になる。
終わりは安定のAh Yeah!!と全力少年。夏フェスで全力少年を全力で歌うと言う今回の目標を達成できてとても楽しかった。


KANA-BOON

1.フルドライブ
2.Torch of Liberty
3.FLYERS
4.スターマーカー
5.シルエット
6.ソングオブザデッド


2022ロッキン以来2度目のKANA-BOON
さすがに体力がしんどくて遠くから座って鑑賞。そんな状態でもお構いなしのフルドライブ始まり。身体が疼きまくっていた笑
Torch of Libertyの2サビ終わりでなんだか音がうっすいなと思ったら、「ベースの音が出ねえ!」と谷口が叫ぶ。爆笑に包まれるステージ。しかしその後のMCで「機材トラブルあったけど、ピンチをチャンスに変えるバンドKANA-BOONですよろしくお願いします!」というと大盛り上がり。
その後はスターマーカー、シルエット、ソングオブザデッドの定番攻め。シルエットが終わって帰る観客がたくさんいたが、「ソングオブザデッドー!」と谷口が叫ぶと帰る観客みんな振り返って歓声を上げていた。観客を音楽で引き留める瞬間を見るのは初めてで、それだけのことができるKANA-BOONの実力を感じた。


Chevon

リハ.ボクらの夏休み戦争
リハ.サクラループ
1.冥冥
2.Banquet
3.革命的ステップの夜
4.No.4
5.セメテモノダンス
6.ダンス・デカダンス
7.光ってろ正義


本来ならLiSAを見るつもりだったが、あまりLiSAに気乗りしなかったのと、茉優ちゃんが「過去一のセトリになる」とツイートしていたのを見て、急遽Chevonに変更。
夏休み戦争が1番好きなので、夏フェスで聴きたい!と思っていたらまさかのリハ一曲目でやるという、、、リハなのでアップ程度の演奏だったが、それでも心が十分満たされるほどよかった。
そうやって満足しているとまさかのさくらループ。リハでやっちゃっていいの?本番は?(笑)と心配になるほどの飛ばしっぷり。こちらは(たしか)1番だけだったがあまりにも良すぎた。

では本編はどうなるんだ?とワクワクしているとダークなSEが始まる。大行侵からくるか?にしてはテンポが早いな、、と思っていたら湧き上がるようなギターのイントロ。冥冥だ、、、、、!!
リハで代表曲とも言える2曲を使い切って、本編は今1番油の乗っている冥冥から入るバグセットリスト。この時点であまりにもぶちかましすぎている。イントロからの観客の沸き具合も半端じゃない。コールレスポンスも尋常じゃない声量。この曲Chevonの唯一性はたくさん感じられるが、それ以外にもダンスチューン、ライブアンセムとしても完成度が高いことをひしひしと感じさせられる。今のChevonの最強の必殺技だ。

「我々がChevonともうしまぁす‼️30分一本勝負‼️んぁどうぞ‼️‼️‼️んぁどうぞ‼️‼️‼️よしなにぃぃぁぁあああ‼️‼️」

アウトロ後に茉優ちゃんお得意のヘッドボイスで叫ぶ。Chevonの新代表曲をやられた後にその決め台詞はあまりにもカッコよすぎる。名刺を叩きつけられて「こっから30分間俺らのステージを喰らえや‼️」と言われている気分だ。あまりにも痺れる。

Banquet、革命的ステップの夜と立て続けに続いていく。一曲目で冥冥をやってしまったら頭でっかちなセトリになってしまわないかと杞憂した自分が馬鹿であった。むしろ冥冥の流れを受けてこのライブ定番曲たちの勢いがいつもとまるで違う。あまりにも楽しすぎる。KANA-BOONを座って休憩しながら見ていたのはここで全力を出し切るためだった、、笑

「ロッキンのこのステージでやらなければいけない曲がある」

と茉優ちゃんが切り出す。どうやらChevonの初期にあげたMVにアップロードしてすぐにずとまよのACAねさんがコメントをしたそう。そのおかげで伸びたのもあるので感謝も込めてやりますとのこと。ずとまよは同じステージのトリを控えている。

「ケプラ、ずとまよにバトンを繋げることを嬉しく思います。」

そういって曲に入る。演目はNo.4。YouTubeにこのМVを見に行くとほんとにACAねさんがコメントしていて、それもACAねさんらしいコメントでほっこりしてしまった。

セメテモノダンス、ダンス・デカダンスと続いていく。ダンス・デカダンスのイントロで茉優ちゃん「ダンス・デカダンス!」と叫んだ時の歓声はとんでもなかった。

セメテモノダンス
「敢えて明るい曲調で歌って せめて君だけでも踊らせる」
「それしかしてあげられないけど セメテモノダンスを君に」

ダンス・デカダンス
「踊ってくれ来世でも。僕の歌で」

ここまでで作ったフロアの盛り上がりを受け継ぎつつ、ストーリー性も演出する何たる器用さ。ただアップテンポで盛り上げる脳筋な奴らとは違うと見せつけられているみたいだ。

さすがに次が最後か、と思っていると、「光ってろジャスティーース!」と茉優ちゃんが叫ぶ。あぁそうだ、この人たちには最後の必殺技があったんだったわ、、
ここまで完璧なステージを見せつけられて、これは反則だ。ラスサビの「ジャスティス!ジャスティス!」と叫ぶところで演奏を消して、観客のコールを立てるところは毎回気持ちよすぎる。

あまりにも圧巻の30分間。LiSAではなくこのステージを選んでまるで正解だった。すべてのステージが終わって余韻を噛み締めている今でも他アーティストと引けを取らない満足度だ。特に冥冥。あれは本当にやばすぎて喰らってしまった。今年になってライブ界に現れた超新星。曲の完成度の高さに惚れて見に行ったが、実際はライブ化けの鬼。めちゃくちゃライブバンドであった。


ASIAN KUNG-FU GENERATION

1.新世紀のラブソング
2.Re:Re:
3.ブラッドサーキュレーター
4.ソラニン
5.転がる岩、君に朝が降る
6.迷子犬と雨のビート
7.エンパシー
8.ブルートレイン
9.君という花
10.遥か彼方


Chevonが終わって急いでメインステージへ戻る。ASIAN KUNG-FU GENERATION。前述の通り、キタニと並んでこの日の最大のモチベーションだ。

メインステージに向かっている途中に演奏が始まっていた。バンドセッションかと思ったらダラダラとしたイントロだったようだ。時刻は18時前。暑さも落ち着いて夕暮れ時に差し掛かる。なんという素晴らしいコンディション。アジカンの音楽が似合いすぎる。こういった言葉で片付けるのはあまり好きではないが、あまりにも”エモい”。あまりにも”チルい”。

新世紀のラブソングは知らない曲だったが、こんなダラダラした曲でも分かる。1曲目からはっきりと分かる。この人たち演奏がうますぎる。音の深みが他のバンドとまるで違う。結成して25年の積み重ねが音に出ている。

話が逸れてしまうし、残酷な話だが、野外の大型フェスになると、どうしても演奏力の差がはっきりと表れてしまう。2022ロッキンで見たKING GNUも今年のJAPAN JAMで見た[Alexandros]も、このASIAN KUNG-FU GENERATIONも、その日見たバンド達と明らかに音が違った。楽器の演奏に明るくないのではっきりと言語化はできないが、音の厚みというか、うまいと感じる深みがある。ではライブが終わって、その人たちの音源を聞いたらどうだろう。新鮮な生の音を覚えている耳が「こんな迫力のないライブじゃなかった!」と訴えてくるのだ。(レコーディングされた楽曲を下げているわけではなく、それだけ生の演奏がうますぎるのだ。それにそういうバンドは大体音源のクオリティもとんでもなく良い。)それで早く次のライブを、、と求める妖怪が出来上がってしまうわけだ。”こいつら、音の格がちがう!”と最初の演奏で分かるあの瞬間がもはやクセになりつつある。

演奏はRe:Re:へと移る。イントロが流れると「うわあぁぁ、、」という声が至る所から聞こえてくる。僕も全く同じ反応だ。
3曲目はブラッドサーキュレーター。アジカンの有名どころではあるが、やると思っていなかった。

ブラッドサーキュレーターが終わると後藤が口を開く。


「今日伝えたいことはたった一つ。誰のマネもせずに自由に楽しんで。」


Cadd9とGを交互に鳴らす。


ソラニンだ、、、、、、、、


「うわあぁぁ、、」と観客が漏らした声が一つになる。


夕暮れ時。空はオレンジに染まっている。


良い、、、、、、、、、、とても良い、、、、、
あまりにもよすぎる、、、


MCはたった一言。本当に伝えたいことだけ。あとは音に込める。それがソラニン。この1シーンを切り取るだけで、アジカンの全てがわかる。何なんだこのバンドは。

観客は思い思いに歌っている。後藤のメッセージを受け取って楽しんでいる。

日々の雑念などすっかり忘れ、夕焼けも相まって澄んだ心が満ちて溢れそうだ。
僕も歌詞を噛み締めながら歌う。

ロックバンドというのはこんな素晴らしい空間を作り出すことができるのか。
また一つロックに夢を見てしまう。

その余韻に浸る間もなく次のイントロが鳴り出す。


転がる岩、君に朝が降る。


なんていいバンドなんだ。
ソラニンもこの曲も、イントロが良すぎる。

アジカンの音源を聴いていて思うことは、音の引き算がうますぎるということだ。
この曲のイントロはコードと最小限のリード。ソラニンに関してはコードのみで始まるにもかかわらず、これだけの感情を溢れ出させる。それも、僕一人だけではなく、このステージを見ている5万人に対して。

25年間バンドサウンドを極めた”良さ”がここにはある。

「出来れば世界を僕は塗り変えたい
戦争をなくすような大逸れたことじゃない
だけどちょっと それもあるよな」

ライブ後にSNSで知ったことだが、アンプだかドラムセットに「ガザの虐殺を止めろ」と書いた横断幕をかけていたらしい。(その投稿を見たことを記憶しているだけで、探し出せなかったので定かではないが。)
MCでは一切触れていない。ライブに没入していたら気付かないような主張。この歌詞通りのバンドだと感じさせられた。

またここで忘れていけないのが、数時間前に結束バンドがこの曲のカバーをしているところだ。これに対してもMCでは触れていないが、演奏でアンサーをする。これがアジカンらしさか。まじまじと見せつけられた。

迷子犬と雨のビートを挟んで、再び後藤が口を開く。

「エンパシーという曲をやります。」

このバンドは本当になんていいバンドなんだ。
曲が始まる度「うわあぁぁ、、」と漏らす声が聞こえてくる。僕も同じだ。

「きっと憐れみも悲しみも
煎じ詰めればエンパシーで
僕らの魂の在処かも」

何という歌詞なんだ。マイナスな感情を「エンパシー」という言葉に詰め込んで心の真ん中と言っている。そして前を向かせるような力強い歌詞が連なるサビへ。もう一度言わせてほしい。このバンドは本当になんていいバンドなんだ。

ブルートレイン、君という花を経て、「最後!」と後藤が言う。

今回アジカンを見に来た目的。それは、リライトで叫びまくること‼️‼️‼️
僕も生粋のライブキッズだ。音楽の良さはもちろん浴びたいが、それ以前にライブではしゃぎまくりたいのだ‼️

アジカンのよさは最高に感じることができた‼️リライトをやるにあたって最高のシチュエーションだ‼️さあ‼️最後に叫びまくってやる‼️かかってこいリライト‼️‼️‼️‼️

気合満タンで構えている。と、聞こえてきたのは、唸るようなベース、、、


ん?、、、


これは、、、


遥か彼方だ‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️うわあああああああああああ‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️遥か彼方だ‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️うわあああああああああああああああ‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️


ドックフードを目の前に置かれた犬のように、朝飯を抜いて1時間並んで食べる二郎ラーメンのように、知能指数が極度に低くなった僕はバカデカ声で叫んでしまい、目の前のイントロに食らいつく。

リライトを聞けない残念さが一瞬よぎったが、そんなことは本当にどうでもいい。リライトで叫べないなら遥か彼方で叫びまくってやる‼️‼️

そして歌おうとした途端、聞こえてくる周りの歌声。
みんな大合唱している。なんて最高なんだ。同じステージを見ている5万人全員に恋をしてしまうところだった。

これだけいいステージを見せつけられた後の遥か彼方。
みんなで大合唱した思い出は忘れられない。本当に最高の瞬間だった。


だからもっともっともっと遥か彼方‼️‼️‼️


ずっと真夜中でいいのに。

リハ.秒針を噛む(メロ1番のみ)
1.マイノリティ脈絡
2.お勉強しといてよ
3.脳裏上のクラッカー
4.暗く黒く
5.秒針を噛む
6.残機
7.ミラーチューン
8.あいつら全員同窓会


アジカンが終わってちょっと休憩してからずとまよ待機していた。フェスの最後ずとまよで締めるのはCDJ以来で、懐かしい気持ちに浸っていた。

今回はほぼキタニとアジカンを見にきたようなものなので、ずとまよはその陰に隠れて楽しみではなかったのだが、待機しているとやっぱり楽しみになってくる。
これだけ楽しかった1日を締めるにふさわしいずとまよ。いろんな思いに耽っているとリハが始まる。

いつも通り楽器隊のみで1番のみの演奏だがなかなかの盛り上がりだ。

そしてあたりを見回してみると、とんでもない人の量。サブステージにもかかわらず、人の地平線ができている。メインステージでもここまでぎちぎちに詰まってることないんじゃないか?僕は荷物になるのでもっていかなかったがしゃもじを持っている人もちらほらいた。
まさに、ずっと真夜中でいいのに。の人気と注目度の高さがうかがえる。

SEが鳴りステージが始まる。連番と1曲目何かなって予想してたら、まさかの的中。CDJはJK始まりの今回はマイノリティで毎度開幕が強すぎる。どちらもずとまよの中じゃマイナーな方だが、それでもここまで盛り上げられるのはもうさすがとしか言いようがない。

マイノリティが終わると、ダラダラした行進のようなトランペットが吹き上がる。「ごあああああ!」と思わず声をあげてしまった。愛ペガのお勉強だ‼️愛ペガに7回参戦した僕はこのお勉強の入りをはっきりと覚えている。だから声をあげてしまったわけだが、フェスで見ている客衆でわかる人は少なかったようで、僕の声だけ響いてしまった。恥ずかしかった。

お勉強のイントロに入れば、さすがに大盛り上がりで最高だ。
「乾かないや」の部分を声出しするのはフェス限定のコールで楽しい。普段のワンマンはそういった類の声出しが禁止に近いので、フェスのずとまよに来たんだなと実感させられる。

カチッ!

という音が続けて響く。脳裏上だ。CDJもそうだったがなかなかのぶっ飛ばしセトリだ。
ACAねさんの指示がなかったものの、「クラッカー打ち鳴らして笑おう」でジャンプしている人が大半で、ネット発の不思議な感じの音楽にも関わらず、フェス常連アーティストとして受け入れられているんだなと感じた。

「触れたくて震えてく声が」

MC挟んでACAねさんが歌い出す。

えええええええええええ⁉️⁉️⁉️
ジャイガの暗く黒く締めを見ていたので、ここで来る?!とびっくりしてしまった。暗く黒くをリリースしてからのライブでだいたいやっているし、今年に入ってからは(多分)すべてのライブでやっているので相当お気に入りなのだろう。こちらはゴリッゴリバンドサウンド全開の羅武ペガアレンジ。どちらかというと音源のサビで落ち着いて間奏で爆発するような演奏の方が好きなのだが、こうもこのアレンジをたくさん聞いてしまうと、羅武ペガバージョンじゃないと満足できない身体になってしまいそうだ。

そして、この暗く黒くの目玉と言えば、アウトロのブレイクだろう。叢雲で初めて見てかずとまよのライブでこれを見ないと帰れなくなってしまった。羅武ペガでは最後の最後に紙吹雪アウトロを持ってきてより一層クソデカ感情を背負ってしまった。それをいつものライブ仲間と共有していたのだが、ある日ふと、叢雲以来、このアウトロを興奮せずにしっかり耳に焼き付けてなくね?と気付いてしまってまたしっかり見たいなあと思っていた。

アウトロに差し掛かる。あのブレイクが来るぞ!来るぞ!と思った瞬間、連番が肩を組んできた。あぁ、やっぱりこいつはわかっている、、となってブレイクが来る。狼の遠吠えの数倍でかい声で連番と叫んでしまった。
あぁいっつもこうだ。また興奮して耳に焼き付けられなかった、、(笑)

果たしてこの瞬間を冷静に見届ける日は僕に来るのだろうか。(笑)

間髪入れずに秒針。ずとまよの代表曲なだけあって盛り上がりはさすがだ。
落ちサビで大合唱できるかなと思っていたらまさかのなんもなしで、ちょっとだけ残念だった(笑)

そしてここまでステージを見ていて思ったことが一つある。あまりにも音が良すぎないか⁉️⁉️⁉️ここはサブステージでメインよりもスピーカーがちっさく音響もかなり悪いはずだ。いや確かに悪い。楽器隊の音にスピーカーがついていけてない。だが、その程度のスピーカーから出てるとは思えないほど音がまとまっている。アジカンで音の話をしたが、それに負けていないレベルで感動する。確かにいつものホールやアリーナでのライブの音響はとんでもなくいいが、野外フェスのサブステージのちっこいスピーカーでもここまでのクオリティの音を出せると思っていなかった。これも、さすがとしか言いようがない。

ベースソロが響く。ドラムとともに幽霊の浮遊音のような音が混ざってくる。

これは⁉️⁉️⁉️残機‼️‼️‼️‼️‼️しかも愛ペガの入り方‼️‼️‼️‼️‼️お勉強でも愛ペガの入り方をしたが、愛ペガ大好きだった人としては、この入りの高揚感をもう二度と味わえないと思っていたのでマジで嬉しかった。ここにきて愛ペガに立ち返ってくれてありがとう。

薄緑に光る剣を振り上げ、

「嫌ぁ」

というとボルテージはマックスに。
あまりのすごさと盛り上がりで忘れていたが、ずとまよはこのステージが初めてのロッキンだ。そんな記念すべきステージで、パンッパンに人を呼び寄せ、この破壊力満載の残機を轟かせる。本当にこの人たちはなんてバンドなんだ。

剣を振り上げ揺らすその様は、まさにジャンヌダルク‼️
サブステージのキャパ3万人を超える客衆を、熱狂のライブへと導く女指揮官だ‼️

打って変わって明るいチューンのギターが響き渡る。ミラーチューンだ。

ボルテージをマックスに引き上げた残機に劣らぬ盛り上がり。ここでミラーチューンをもってくるのはうますぎる。羅武ペガでもアンコール明け一発目に演奏していたことから、ミラーチューンがずとまよの必殺技として定着してきているのではないだろうか。そんなことを言ってしまったら、お勉強に脳裏上、秒針に残機にこのミラチュ、後述する同窓会まで、このセトリ全部が必殺技だらけではないか。羅武ペガの大盛り精神は、時と場所を移したこのロッキンでもしかと健在していた。

曲が終わるとMCへ。灼熱の中演者も観客も音楽を楽しむ夏フェスを「過酷な戦い」と形容。いかにもACAねさんらしい言葉遣いだが、その裏には自分もそのメンバーに中に入ることができて嬉しそうなニュアンスを感じ取れた。

「最後‼️過酷な戦いしよう‼️」

曲はお馴染み同窓会。言語道断!もうこの曲じゃないとずとまよのライブは締まらない!ライブレポという言葉で伝える形式を放棄したいレベルに楽しいという感情しか出てこない‼️サビのジャンプも完全に定着していて、僕も連番たちと肩を組んでジャンプしまくった最高の夏フェスの締まりになった。

この日浴びた総曲数、なんと63曲‼️
全身真っ黒に日焼けしたが、こんな暑い中回れた自分を褒め称えたい。
キタニから始まったこの一日もたくさん振り返りたくなるハイライトがあったが、やっぱり僕はずとまよの子で、やっぱりずとまよが一番最高だった!やっぱりフェスは楽しい!

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