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夜きみ感想

「夜が明けたらいちばんに君に会いにいく」

綺麗で、苦しくて、切なくて、感想が溢れそうなので忘れないうちに残します。
ネタバレしかしてない。

感情を殺し、家でも学校でも面倒ごとを押し付けられる茜。
「私はその生き方しかできないんだよ。」
自分が、はっきり物を言わなきゃいけないと認識していながらも、我慢してほとぼりが冷めるまで待つような人間だからすごく共感した。
みんなの顔色窺って愛想笑いばかり。察して優しくしてくれると思う?悲劇のヒロイン気取り?
青磁が茜に言った言葉がすごく刺さった。
クラス写真なのに撮ってって頼まれたり、継父との間の妹(おそらく)につきっきりの家族。居場所がないように感じてしまうところが苦しかった。心配してくれる、「言いたくないことは言わなくていいんだよ」って言ってくれる友達(沙耶香)。朝帰りした時に「心配したんだよ」って叱ってくれる家族。茜が居場所だと受け入れられて良かった。

小児ガンの再発や死への恐怖を抱えながら生きてる青磁。集中して絵を描いてると忘れられたりするのかな。いつ再発するか分からない。いつ死ぬか分からない。劇中で茜に唯一零した弱音(だったはず)。飄々としてるけど、大きな不安を抱えながら生きてたのかなと思うと苦しかった。

海外留学への背中を押したのは茜かなと思ってる。昔も今も、青磁にとって茜はヒーローなんだね。

5年後、茜はマスク取って真っ赤なスカート履いてた。青磁の「世界」に触れて、自分の「世界」で生きられるようになったのかな。

青の絵の具にピンクの絵の具が混ざったら茜色になるの綺麗だった。
あの2人は瑠姫とりんくまじゃなくて、間違いなく青磁と茜だった。
公開初日に観にいけて良かった。
素敵な映画でした。

2023.9.1

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