相伝教学について10-蓮如4

 ここまで蓮如の子どもたちを紹介してきた。その様子から、本願寺一族が協力して、繁栄していく様子が伝わってくるのではないでしょうか。
 今回は、蓮如の子孫の状況を確認しておきます。

出口光善寺         順如(長男)
京都常楽寺         如慶尼(長女)*常楽寺蓮覚光信の妻
二俣本泉寺         蓮乗兼鎮(次男)*本泉寺如乗宣祐の娘如秀尼の婿
波佐谷松岡寺        蓮綱兼祐(三男)*妻は勧修寺教秀娘
富田教行寺         寿尊尼(三女)
山田光教寺         蓮誓康兼(四男)*妻は正親町持季娘
*ここまで如了尼の子
山科本願寺         実如光兼(五男)*妻は高倉永継の娘
荒川興行寺         如空尼(六女)*興行寺蓮助兼孝の妻
近松顕証寺         蓮淳兼誉(六男)*妻は滋野井教国の娘
井波瑞泉寺         了如尼(九女)*瑞泉寺蓮欽の妻
清澤願徳寺         蓮悟兼縁(七男)*妻は本泉寺蓮乗兼鎮実子(松岡寺蓮綱兼祐養子)
*ここまで蓮祐尼の子
下市願行寺         妙勝尼(十一女)*願行寺勝恵兼為の妻
*ここまで如勝尼の子
藤島超勝寺         蓮周尼(十二女)*超勝寺蓮超慶遵の妻
富田教行寺         蓮芸兼琇(八男)*妻は蓮如十女と中山宣親の娘
*ここまで宗勝尼の子
下市願行寺         妙祐尼(十三女)*願行寺勝恵兼為の後妻
堅田称徳寺         実賢兼照(九男)*妻は光教寺蓮誓康兼三女
清澤願徳寺         実悟兼俊(十男)*妻は光教寺蓮誓康兼五女
河内西証寺         実順兼性(十一男)*妻は顕証寺蓮淳兼誉四女
飯貝本善寺         実孝兼継(十二男)*妻は教行寺蓮芸兼琇長女
京都常楽寺         妙宗尼(十四女)*常楽寺実乗光恵の妻
枚方順興寺         実従兼智(十三男)*妻は光善寺実順兼珍長女
*ここまで蓮能尼の子

 明応08(1499)年に蓮如が入滅する。蓮能尼の子である実賢兼照は、延徳02(1490)年に生まれており、『本願寺家系』では十一歳で出家したと記されている。つまり、蓮如の入滅後に出家している。そのような事情もあり、蓮如九男以降は、法名に「蓮」ではなく、宗主実如の「実」の一文字が入っているのであろう。
 また、八男の蓮芸兼琇以降の子息たちは、みな兄姉の子ども(姪)と結婚や姉の婿と再婚しており、異母兄弟姉妹の関係を強化しているように思えるのは偶然なのだろうか。
 ここまでを見てくると、本願寺一族は、協力をして、一族繁栄をしているように思える。しかし、蓮如の死後にいくつかの事件が起こるのである。

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