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初めて相方を作り、初めて漫才を作り、結果初めてコントを作った話。


今日書かせてもらうのは、前回の記事の続きです。
今からでも遅くありません、未読の方は前回の記事をご購入くださいませ。
そんな今回ですが、僕が初めてコンビというものを組み、その相方との出会いや初めてのネタ合わせ、漫才を作るも後にコントを作ることになる、そんな流れを話させてもらいたいと思います。


2003年4月、吉本の養成所に入った僕は他の同期たちが次々とネタ見せをする姿をただただ眺める、そんな無生産な1ヶ月を過ごしました。
しかし、前投稿で書かせてもらったライス、池田から頂戴した刺激のおかげで、重い腰の僕が少し前に進むことになります。
5月に入り、同じクラスの二、三人と話すようになっていた僕は、そろそろコンビを組んでネタ見せをし始めないとマズいぞという気持ちになっていました。
そんなある日、西大井の駅(当時のNSCの最寄り駅)の階段を下りていると、一人の男に声を掛けられました。
Sくんです。

「前から話したかったんだよね、一緒に学校まで行かない?」

突然のご指名みたいなものをもらって内心では喜びながら、照れ隠しで僕は「あぁ…うん」と気のない返事をしました。
でも、Sくんはニコニコ。
見るからにいい奴。
でも、ちとばかしおじさんぽい雰囲気。
実際、歳を聞いてみると25歳とのこと。
まぁでも、許容範囲だろ。
「なんでかは分からないけど、わざわざ俺を選んで話しかけてくれたのか… ん?相方候補なのか?」と何となく頭をかすめました。
それからSくんとはよく話すようになり、なんでもツッコミをやりたいということが発覚。
その当時は漫才でボケをやりたいと思っていた僕。

「条件揃ってきてるな」

そこから一、二週間経った頃でしょうか、やはりというかSくんからコンビを組まないかと持ち出されました。
もう本当にネタ見せを始めないといけないなと思っていたタイミングとSくんは嫌みもなくいい奴という条件諸々を照らし合わせて、ここは組むかとOKの返事をさせてもらいました。
そして、初めてのネタ合わせというものを体験することになります。
Sくんは本当にいい奴で、ネタ合わせのために僕の地元までやって来てくれました。
場所は足立区、実家からすぐの荒川の土手。
小さい頃から慣れ親しんだ荒川でネタ合わせなんて、何とも不思議な感覚でした。
(大学二年の時、花火大会の後にこの土手で後輩の女の子に告白したこともあったなぁ。その話もnoteで書いてみようかな)
少し脱線しましたが、電車の音が上から降ってくる高架下でSくんと集まり、実質的にはネタ合わせというよりまずはどうやってやって行こうかみたいな話をしていました。
世間話なんかを挟みながら喋っていると、Sくんはあの屈託のない笑顔で「あれさ、コンビ名なんだけどさ~」と切り出してきました。
そうか、コンビ名か。
考えてなかったな。
そして次の瞬間、何故か、本当に何故か、嫌な予感がしました。
そんなことは露知らず、Sくんは続けます。
ん?なんだ、僕だけが感じるこの不穏な空気は…

「1個考えてきたのがあって…」


来るぞ。

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