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僕が生まれて初めて作ったコント“子供電話相談室”とは?

吉本の養成所に入り、ライスと池田のコントに刺激を受け、それでも4月はネタ見せをただただ傍観し、やっとこさSくんと初めてのコンビを組み、コンビ名で色々とあり結果として“ピスタチオ”と命名し、初ネタ見せでは漫才でツルンツルンにスベり散らかし、コントで再起をかけようと次のネタ見せに挑もうとする僕ら。
前回までの記事のザッとした流れです。
今、この投稿をご覧の方でまだ上記の記事を読まれてない方は急いでそちらへ向かってからこちらに戻ってきてください。
そんな今回は、生まれて初めてのコントの反応は果たしてどんなものだったか、そしてどういうコントだったのか、そこらへんの話をしようと思います。


Sくんとコンビを組んですぐに漫才を作るもどこか手応えがなく、案の定、ネタ見せでは1つとしてウケないという散々な結果を残してしまった“ピスタチオ”。
1分という制限のあるネタ時間では漫才を作り込めないと早々に判断した僕は、最初から設定に、役に入りこんで進められるコントを選ぶことにしました。
生涯で2回目となる次のネタ見せはコントで行く、そう決断したのです。
その上で僕は、コントと決めた以上もう後はないと考えていました。
何故なら、漫才、コントのどちらも最初に出鼻を挫かれてしまったら精神的にだいぶ追いやられてしまうぞと思っていたからです。
だって、ライスも池田も最初っからウケているんですから。
ここでスベったら、入学前から抱えていた「俺はお笑いでやっていける」という根拠のない自信は音を立てて崩れ落ち、再建不可能な未来しか想像できません。
改めて言いますと、僕が人生で最初に作ったコントは“子供電話相談室”というものでした。
未知数でしかないこの諸刃の剣を携え、芸人としてこの先を占うネタ見せの授業に臨みました。
何組かのコンビが次々とネタを披露していきます。
しかし、自分たちのことしか考えられず、前のコンビのネタの内容なんて全く入ってきませんでした。
そして、気付くと僕らはクラスのみんなの前に立っていました。
講師の方から始めるよう合図がありました。

Sくんの声が聞こえてきます。
どうやら僕らのネタは始まっているようです。
少し間隔を置いて横に立ったSくんのセリフと、大きすぎる心臓の音が重なって僕の身体中を埋め尽くします。
そして、Sくんに対しての僕の第一声が教室内に響き渡ります。
どうやら僕らのネタは始まっているようです。
僕の一ボケ目が終わりました。
心の中でギューっと目を瞑りました。

「ん?… 笑い声??」

「ウケてるってこと?」

その次の瞬間、今まで感じたこともないアドレナリンみたいなものが全身を駆け巡りました。
これは、ウケてるんだ。
ネタの最中ですが、ウケたことに対して思わず喜びがこぼれそうになります。
当たり前ですが、ネタ中に「よっしゃ!」なんて絶対に言っちゃいけません。
何とかそれを堪え、平静を装ってコントを続けました。
でもあの瞬間、絶対に僕の小鼻は膨らんでいたことでしょう。
下手したら次のセリフかっていうくらい大きな音の鼻息を吹かせていたかもしれません。

その1分後にはピスタチオのコントは無事終わっていました。
無事というのは、総じてウケたということです。
芸人としての僕は何とか一命をとりとめました。
その時の僕の心情を表すならば、同い年である松坂大輔さんの有名な言葉「“自信”が“確信”に変わりました」をマイナーチェンジさせた「とてつもない“不安”が1㎜の“自信”に変わりました」です。
それに反して、一定して変わらないのがSくんの笑顔です。
スベってもウケても笑顔の彼。
なんだこいつ。
いい奴です。
とにもかくにも、僕らを窮地から救ってくれたのが“子供電話相談室”というコントでした。

それでは、ここからは手前味噌なお話をさせてください。
このネタの中身を説明致します。

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