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012.盛り込む/巻き込む力

私はどうも「チャラチャラした」プロデューサー的な人間だと誤解されることが多いようです。実際、単なる「紹介屋さん」だと勘違いされることも多いです。

けれども私はプロデューサーにありがちな「フワッとした話」が、心底嫌いなのです。フワッとした話を持ちかけられた際の嗅覚は、自分でいうのもなんだけど、めちゃ鼻が効く。だからそういう話が来ると、瞬殺で片を付けます。フワッと誰か紹介してという話も断ります。だけど相手が本気なら、私も本気でやりますし、必要あらば紹介だってします。

たしかに私は、ひとつの現場にどれだけの人を巻き込めるか、どれだけの要素を盛り込めるかを、常に考えているので、プロデューサー的な思考の持ち主なのかもしれません。

かつての上司は「てんこ盛りにせよ」と言いました。てんこ盛りにしても、殆どがこぼれ落ちるし、てんこ盛り以上のことは「絶対に」出来ないからです。

別な上司は「バスに乗る」と言いました。建築はタイミングが全てなので、ひとたび「タイミングというバス」を逃したら、二度と乗れないからです。

だから、私はプロジェクトのかなり初期段階きら、仕込めるだけ仕込み、盛れるだけ盛るのです。それだけやってはじめてゾクゾクするような形が浮かびあがるし、想像以上の化学反応が起こると思っています。だからといって、闇雲に人を多くすればいいというものでももちろんありません。巻き込む/盛り込むには、明確なビジョンと、戦略と、そして綿密な計画が必要なのです。

私はしょっちゅう言っているのですが、人生は手にしたカードでしか勝負できない、と思っています。だからカードは多い方がいいのですが、持てるカードには限界があるし、かと言って他人のカードを羨んでも仕方がない。だから自分のカードだけで勝負するのです。

けれども不思議なことに、勝負に出た人は強いんです。人生というゲームに勝ちまくってる人は皆、自分のカードだけで「勝負」に出ています。

そして手持ちのカードが「すべて自分」である必要なんてない。つまり「自分ひとりで全部を出来る」必要なんてないのです。チームワークであれば、どんな難しいことでも成し遂げる事ができます。

今繋がっている知人友人と、いつどこで化学反応が起こるのかはわからないので、私は大切に思っています。というのも、今の友人知人たちや、今の飲み友たちでも、いつか「化学反応」を起こせる日が来ると信じているからです。それがいつなのかは、私にはわからない。だけど、未来の自分が「ああ、そういうことだったんだ」って思える日がきっと来ると思うのです。

これまでもそうだったし、現にいまもそうだから。

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