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016.これからの組織設計事務所

会社が関わってるプロジェクトを知る速度は、社内からの情報伝達速度より、FBからの情報伝達速度の方が圧倒的に早い。長いと1ヶ月くらいのタイムラグがある。

まさにインターネット的な世界だ。「新聞」がインターネットの後追いになった時、”時代の転換期”を感じたけれど、その時に近い感覚だ。

そうなったとき、この先の未来で「組織に所属する意味」はどうなっていくのだろう?少なくとも組織は、かつてのような「情報を得るところ」では無くなったということだ。

Twitter で若干バズったけれど、これからの組織は二極化していくと思う。

「タレントエージェンシー的な組織」と、「スクール的な組織」だ。

前者は芸能事務所に近くて、スターアーキテクトをかかえる組織事務所だ。スターアーキテクトが、マネージャーやCADオペを共有する組織だ。芸能事務所だから、「互いの情報共有」は、殆ど意味をなさない。

後者は旧来型の設計事務所に近くて、スクール的に互いに学び合う、チームワークを重じる組織だ。ゆえにフィードバックと情報交換は、とても重要な意味を成す。

どちらがいいとか悪いとかではなく、どっちらの方が「好きか?」で選べばいいと思う。

前者は、最近のトレンドとしての働き方改革的に向いてると思う。さっぱりとした人間関係を好み、自分のアイデアを突き詰める「ピン芸人」を目指したければ前者がオススメだ。しかし「ちょっとだけ孤独」である笑。

後者の欠点は、勘違いしたやつがリーダーの場合、組織が崩壊しかねないことだ。パワハラの温床にもなりかねない。しかしうまくいるチームほど面白いところはない。そして「チームで感動を共有したい!」なら、後者でしか味わえない。

では私が「どちらを好きか?」といえば、むろん「後者」の方である。

私がチームワークが好きなのは「自分ひとりの能力なんてたかが知れてる」と思っているからだ。そしてチームワークだからこそ「建築」という職業を選んだ。ひとりでコツコツやることが好きならば、最初っから建築を選んでない。私は「ひとりでコツコツ」は、趣味としてやるのがいいと思ってる。

私にとって、建築は映画と一緒である。建築家はあくまで監督であって、演者は施主であり、素材であり、施工者である。スターアーキテクトになりたいなどと、1ミリも思ったことがない。なるならば、「アノニマスな擬人化したチーム」が理想だ。

そして、チームワークで「自分の限界を超える瞬間」を一度でも体験したことのある人は、後戻りできない。つまりピン芸人にはなれない。

なぜならば、前者と後者では「やろうとしている”人生のゲーム”が異なる」からだ。

前者はさながら個人競技であり、後者はチーム競技だ。どちらのゲームに参加して人生を楽しみたいか、その違いだと私は思ってる。

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