静岡市と雪

2022年1月6日。

その日、歴史的な事件は起きた。

静岡市に雪が降ったのだ。

何を言ってるかわからないと思う人もいるだろう。
その「わからない」には二種類あるはずだ。

「それのいったい何が事件なのか」

「そんなバカな!あり得ない!」

の二つだ。

前者は静岡県民以外であり、後者は静岡県民だろう。それほど静岡県民(特に静岡市を中心とした中部民)にとって『雪』に対する考え方、稀少性が異なるのだ。

静岡市民の反応

雪が降った時の静岡市民の反応を見てみよう。


個人(一番上は筆者のツイート)も公式アカウントも大騒ぎである。他のSNSもお祭り騒ぎだった事は想像に難くない。

静岡市民はたかが雪で何故こんなに大騒ぎするのだろうか?

その答えとなるツイートも回っていた。


静岡市は沖縄、宮崎に次いで雪が降らない地域なのだ。もう20年以上まともに降っていない。
(「雪が降った」と報道されても、実際は「氷が少し舞った(風花という)」程度なのがほとんど)

静岡市民の中には生まれて初めて見た人も少なくないのだ。

これだけレアとなれば大騒ぎするのもやむを得ないだろう。

静岡市に雪が降らない理由

沖縄、宮崎と聞けば納得もするだろうが、東京と名古屋の中間に位置する静岡市がいったい何故こんなに降らないのだろうか?

それは簡単に言えば静岡市の冬は「暖かく」「降水量が少ない」からだ。

静岡市は地形上、北側を3000m級の山(南アルプス)に囲まれており、これが北風や雪雲をブロックしている。「静岡バリア」が存在しているのだ。

これを乗り越えて雪を降らせるとなると、よほど強い寒気で無いと難しい。そして、それほど強い寒気となると、今回のように東京で10cmクラスの積雪になるレベルなのだ。


静岡市民にとって雪はお祭り


以上の事情により、静岡市民にとって『降雪』はそのまま『祭り』、『エンターテイメント』となる。

仕事や授業を中断して撮影会をしても許される。
職場や学校ですらそんな空気になる。

(筆者も仕事を放り出して動画撮影に勤しんでいたところ、向かいの家からも人が出て来て撮影を始めていた。考えることは皆同じだ)

結果、「静岡県民」がトレンド入りすることになる。

静岡県民、市民の雪への憧れは凄まじい。

最後に

静岡市民を中心に静岡県民がこれだけ大騒ぎした今回の雪だが、

公式記録上の『降雪量は0cm』である。

(実質は積雪0cm)

果たして筆者が死ぬまでに静岡市街に雪が積もる日は来るのだろうか。



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