2024年静岡県知事選挙結果

選挙の結果、鈴木康友氏が当選という結果となりました。

前回記事を読んで下さった方はお察しのとおり、筆者は大村氏の方を推していたため、予想通りとは言え残念な結果でした。

せっかくですので、今回の県知事選挙結果と新県知事への要望について書こうと思います。

まずは、得票率から。

・鈴木康友氏(728,500票、47.4%)
・大村氏(651,013票、42.3%)

約5%の差ですから接戦だったと言って良いと思います。

次にその内訳を見てみたいと思います。

大村氏が多く票を集めた市町(27市町)

※市町名(鈴木氏、大村氏)

静岡市(84,081、177,544)
沼津市(30,520、33,373)
熱海市(4,551、6,411)
三島市(18,270、22,027)
富士宮市(21,080、22,085)
伊東市(9,541、11,886)
島田市(19,731、20,030)
富士市(37,726、44,378)
焼津市(22,644、27,726)
藤枝市(26,044、29,957)
御殿場市(10,728、14,513)
下田市(3,307、4,561)
裾野市(8,752、9,706)
伊豆市(4,454、7,189)
伊豆の国市(7,428、9,784)
牧之原市(8,611、8,914)
東伊豆町(1,984、2,276)
河津町(1,284、1,543)
南伊豆町(1,621、2,063)
松崎町(1,323、1,761)
西伊豆町(1,328、2,020)
函南町(5,786、7,150)
清水町(5,360、5,852)
長泉町(7,956、8,572)
小山町(2,659、3,801)
吉田町(5,152、5,580)
川根本町(1,273、2,011)

鈴木康友氏の方が多く票を集めた市町(8市町)

浜松市(231,085、89,211)
磐田市(48,386、19,050)
掛川市(30,503、17,353)
袋井市(23,076、10,367)
湖西市(18,087、6,548)
御前崎市(6,866、5,887)
菊川市(11,651、7,343)
森町(5,652、2,541)

市町単位で見ると大村氏の方が圧倒的に支持を集めていることがわかります。

一方で特定の市では圧倒的に鈴木氏の方が支持を集めています。

つまり大村氏は「広く薄く」支持を集めたのに対し、鈴木氏は「狭く濃く」支持を集めたという事です。

地域別の支持

では、これを静岡県の地図で色分けするとどうなるでしょうか。
筆者は前回の記事で以下のように予想していました。

“両候補の支持率を大村氏を青、康友氏を赤で色分けした場合、恐らく浜松市は赤一色、西部はほぼ赤、静岡市は青色、他の中部、東部はまだら模様、という結果になると予想します。”

以下、結果です。(色が逆ですみません)

【引用元】https://www.nhk.or.jp/shizuoka/lreport/article/007/05/

「オール静岡」ならぬ『オール西部』と『オール中部&東部』になってます。

ここまで明確だと笑ってしまいますね。正直、ここまで見事にくっきり別れるとは思っていませんでした。

何故なら、前回記事で書いたとおり、知名度で鈴木康友氏が圧倒的に有利な選挙だったからです。中部では大村氏が優勢なものの、西部は鈴木氏が圧倒するのは当然として、東部でも拮抗すると考えていました。

しかし蓋を開けてみれば、東部の全市町も大村氏の方を支持しました。これは予想以上の結果でした。

ここまで接戦になったのは、ひとえに大村氏の誠実な姿勢と人柄、政策が徐々に広まった結果だと思います。健闘と言って良いと思います。

新県知事に求めること

鈴木康友氏は今回の選挙戦で『オール静岡』を標榜して戦いました。ですが結果は、多くの支持を集めたのは西部だけでした。

これは多くの静岡県民が「『オール静岡』なんて口先だけで、浜松を中心とした西部ばかり優遇した県政を行うのでは無いか」と危惧しているからだと考えられます。

静岡県知事としてまず最初に求められるのは県民のこの懸念を払拭することです。その一里塚となるのが浜松のドーム型野球場の扱いです。

前回の記事でも書きましたが、筆者はこの浜松ドーム建設に強く反対しています。

“最寄り駅から徒歩で25分。プロ野球の本拠地になる見込みも無い。圏域人口も少ない。これでどうやって採算を取るんでしょうか? 既に民間事業者からも「音楽興行のニーズはほとんど見込めない」など否定的な意見が上がっています。 この不便な場所にドーム型球場を作るというのは、素人目にも明らかにオーバースペックと言わざるを得ません。

こんな不便な場所にドーム球場。そのために静岡県民の税金370億円(資材が高騰している今はもっとかかるでしょう)を使おうとしているのです。正気の沙汰とはとても思えません。

このドーム型球場を要望しているのは、浜松経済界です。特定の市の更に一部地域のために静岡県全体を犠牲にしようとしているとしか思えません。

つまり、このドーム型球場を建設するということは、多くの県民から懸念され暗に批判されていた「特定の企業、特定の地域に偏った政治を行う」事を証明することになります。

静岡県知事となったのですから、鈴木康友氏には静岡県全体のため、『オール静岡』のために政治を行う義務があります。浜松のドーム型野球場の計画を中止する事はそのために最低限必要なことです。それで初めてスタートラインに立てるのです。

鈴木康友県知事には、まず第一歩として浜松ドーム球場計画中止を求めます。

補足

より正確に言うと、筆者は浜松ドーム建設そのものを否定しているわけではありません。浜松ドーム建設のために静岡県民の税金を使う事を否定しているだけです。

ですから、ドーム球場にした場合の差額300億円を浜松市、本来野球場を作るのに必要な70億円だけを静岡県から出すというのはどうでしょうか?それならイチ静岡県民として納得ができます。

筆者はどう考えても無理だと思いますが、一部の人が言うようにドーム型球場にして採算が採れると思うなら問題は無いでしょう。浜松経済界がその価値があるというのであれば、どうぞ浜松市から300億円出してください

そうなった場合に浜松市の皆さんはドーム型球場に賛成しますか?

上記問いに対する答えがこの問題の全てだと思います。

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