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2月は猫の月だから、君へ


 夜中、まず君の鼻息で起きる。頬に息がかかるほどの近く。

 寝ぼけ眼でどうぞと布団を持ち上げる。でも、入るまでにいろいろと確認することがあるらしく、なかなか入ってこない。布団を持ち上げている左腕が辛い。ただ、入ると決めたら早い。ぐいぐいと布団の中に突撃し、私の右脇あたりで大きく旋回。もふもふのおしりが私の顔をなでていることもお構いなしに。最終的に、私の右腕をまくらにしたポジションで安定する。


 ぐっすりと眠る君を起こさないように、ゆっくりとなでる。上下するふわふわのお腹。夢を見ているのか、時折動く手足の肉球は温かくやわらか。二人分の体温で、布団の中は汗ばむほどだ。一方で、布団から出ている耳はびっくりするほど冷たい。


 寒い予報の夜は今日もおいでと声をかけるけど、当たり前のように布団に入ってくるのが可笑しい。ねえ、あんまり寝れてないんだよ。右腕がね、しびれて寒い。寝返りを打つときは、起こさないように気を使ってるんだよ。たまにいびきもかいてます。そして、何回かにいっぺん、私の親指と人差し指で作れるくらいの、小さなまんまるお月様のおねしょ。夜中のトイレが億劫なのは、猫も人間も一緒かね。

 ねえ、しずく。ありがとう。私、どうしようもなく幸せ。


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