見出し画像

【超絶オススメ!!】「BTSを哲学する」を読んだ感想

「BTSを哲学する」は私が初めて韓国語原文のまま読んだ本だ。

BTSが好きで、哲学も好きな私にとってはとても魅力的な本である。

韓国語力がまだまだ未熟なので、分からない言葉を調べながら時間をかけて少しずつ読んだ。

とてもいいことがたくさん書いてあったので、日本語で、そして私の言葉でこのNoteに残しておこうと思う。

「BTSを哲学する」の内容

この本は「哲学」という難しくて現代人からは敬遠されがちな学問を、BTSの音楽や彼らの言葉と繋げて分かりやすく解説している本です。

学歴社会、競争社会、階級社会、貧富の差…

こんな風に生きづらくなった世の中で疲弊している人に、本当に大事なことは何か、教えてくれるような内容となっています。

BTSが好きな人や哲学好きな人はもちろん、そうでない人にとっても、ストレス社会で生きる私たちの心に響く文章や言葉がたくさん綴られている本です。

まえがき

※以下の内容は私が独自に訳し、自分の言葉で説明した文章や感想です。本の内容をそのまま転載するものではありません。

今では世界的スターとなったBTSですが、なぜ韓国という小さな国で生まれたBTSというグループが、これほどまで世界的に人気を誇るグループになったのでしょうか?

BTSのファンなら誰もが知っていることですが、彼らの魅力は音楽やダンスといったパフォーマンスだけに留まりません。

もちろん、彼らの音楽やダンスはとてもレベルが高く、それだけでも人々を魅了する力を持っています。でも彼らは「アイドル」や「スター」といったありきたりな肩書で表現できる域を既に超えていて、もはや「時代の伝道師」とも言えるべき存在になっています。

世界中の多くの人がBTSというグループにこれだけ熱狂するのには、BTSが音楽やダンスなどを通じて私たちの心に直接語りかけてくるからではないでしょうか。

実際、彼らの音楽を聞いて慰められた人や元気づけられた人は世界中にたくさんいます。

韓国語が分からない外国人でさえ、言葉の意味が分からなかったとしても彼らの伝えたい想いや言葉はダイレクトに受け取ってるいるのではないかなと私は思います。

音楽業界のことはよく分からないけど、ある程度売れてくると自分のやりたい音楽が出来なくなったり、大衆に受ける音楽を求められたりすることもある、なんて話も聞きます。

実際、売れることによって当初のフレッシュな気持ちを忘れて儲けに走るアーティストもたくさんいるのだと思います。

そんな中、BTSはあれほどまで高い場所に行ったにもかかわらず、デビュー当時から芯の部分がブレていないように私は思います。(正直、彼らのデビュー当時のことはよく知らないのですが…)

そして彼らの音楽には、ファンに対する感謝の気持ちがすごく込められているなぁと私は感じます。

BTSのメンバーは音楽やダンスそのものをやりたいというよりかは、それらを通じて多くの人に言葉を伝えたい、力になりたいという想いがあるような気がしてなりません。

そういう彼らの想いがダイレクトに私たちの心に響くからこそ、これほどまで人気を誇るグループとなったのだと私は思います。

消費社会

現代は消費社会である。

私たちは「何を」持っているか、「何を」持って「何を」持たないかで自己のアイデンティティを他者に示している。

有名人が愛用しているというとその商品が急激に売れたり、テレビや動画サイトで人気者が商品を紹介すれば、たちまちその商品は売れ出す。

学生、主婦、金持ち、社長など、他者や自分を勝手にカテゴライズし、そのカテゴリに相応しいアイテムを持たなければいけないと考える。

少しでも自分を誇示するために人々はより多くのものを求め、それを手に入れるために必死で働く。

企業は収益を上げるために、人々の購買欲をやたらと刺激する。
大量に製品を作り、市場には大量の、生きていくために特別必要ではないものたちが溢れかえる。

人々は必死に働き、企業は必死に商品を作り、そうして得たお金で人々はまた商品を買う。

必要以上に製品を作り、必要以上に消費する。

一体私たちは何のために生きているのだろうか?
一体私たちは何のために働いているのだろうか?

無駄なもので溢れすぎた世の中のせいで、私たちは他人を、そして自分をも純粋なその人(自分)自身ではなく、その人(自分)に付属したアイテムでその人の価値をはかるようになってしまった。

持つ者と持たざる者。

持つ者が人生の勝ち組で、持たざる者が人生の負け組??

高級バッグ、高級腕時計、高級車、高層マンション…
その人が持っている「物」なんかでその人の価値なんて絶対にはかれないし、それを持っているからって一体なんだっていうの!?

私はどちらかというと、持たざる者だろうと思う。もちろん、貧困な国の人からしたら持つ者なんだろうけども、日本の現代社会で考えると、持たざる者である。

独身だし定職もないし、スキルや学歴もない。

でも私は自分のことを、決して人生の負け組だなんて思わない。

持たざる私は、「持たざる可愛そうな私」なのではなく、「持たざるとも幸せに生きていける強き者」なのだ。

何も持っていなくても私はありのままの私を愛することが出来るし、何も持たなくても私は自分で自分の幸せを生み出すことが出来る。

物に頼らなくても生きていけるというのは、物がなくなる不安もないということなのだ。

これはある程度年を取ってから気付いたのだけど、持っているものは少なければ少ない方がいい。

無駄な消費を抑えれば、無駄な労働もしなくても済む。
あくせく働かなくても幸せに心豊かに生きていくことは可能なのだ。

BTSの曲に「등골브레이커」という歌がある。
読み方は、トゥンゴルブレーカー(※無理やりカタカナにしてますが、韓国語の発音は若干違います)。등골は背骨とか脊髄とかそういう意味で、브레이커はBreakerをハングルにしたもの。つまり、直訳すると背骨ブレーカー。

韓国では100万ウォン程度(10万円程度)もするTHE NORTH FACEのダウンジャケットが青少年の間で流行し、学生たちは自分のお小遣いでそんなに高いものを買えるわけがないので、親にねだって手に入れようとする。

そんな家計を圧迫するTHE NORTH FACEのダウンジャケットは「背骨ブレーカー」と呼ばれていたのだ。

でも彼らが手に入れたかったものはTHE NORTH FACEのダウンジャケットそのものではなく、「THE NORTH FACEのダウンジャケットを持っている自分」という称号だったのである。

このように現代人は持っているブランドや金額の高さで自分のレベルを誇示しようとしたり、他人を査定したりする。

大人だけでなく、自分で負担することの出来ない青少年の間にもそのような文化が根付き、その文化をBTSは「등골브레이커」という曲で批判している。

一体何事なんだ!?
君は流行りに流されるのか?
そんな大層なダウンを着なくたって、凍え死にやしないよ。
いつかきっと後悔するさ。

私はBTSを知ってからまだ間もないので、こんな曲があるなんて知らなかったです。物質至上主義、物質社会を真っ正面からスパッと切り込んでいて、こういうBTSの曲中の言葉が、若い世代の心にダイレクトに響くんだろうなと思いました。

…と、まだ1章の1節しか読んでないのに(というか、1節もまだ全部読み終えてないw)、感想を書いていたらこんなに長い文章になってしまいました(笑)

BTSのことも韓国のことも哲学のことも、全部好きなので書き出したらキリがない!

この本はジャンルでいうと哲学書になるわけだけど、BTSに絡めて説明されているので面白いし、BTSの知らなかったことも知れてすっごく面白い!

BTSの曲って韓国語が分からなかったときでも「いい曲だな」とは思っていたけど、韓国語が分かるようになると、さらにその深さに感心してしまいます。

もう本当、BTSって偉大なるアーティストよね!!!

歌手っていうか、アイドルっていうか、表現者っていうの?そんな感じ。

私のようにBTSがきっかけで韓国語の勉強を始めたって人も多いと思うけど、BTSが好きな人には是非!韓国語を勉強してみてほしい。韓国語が分かるのと分からないのとでは楽しさが100倍違うから!

今回紹介した本は日本語版も出ているので、気になった方は是非チェックしてみてください☆




どこかにいる誰かのために、少しでもお役に立てると嬉しいです☆