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「月曜日のユカ」(1964)

中尾彬と加賀まりこが出ているだけで選んだ「月曜日のユカ」。

横浜のナイトクラブで働くユカは誰とでも寝る()が、絶対にキスはさせない。
パトロンの「パパ」を喜ばせることに躍起になり、「パパ」が実の娘に見せた笑顔を引き出そうとする。
ボーイフレンドの修(中尾彬)は「パパ」の尾行も手伝ってくれる優しい男で、結婚して彼女とその母親を養う覚悟でいたが………
という話。

加賀まりこの人形的妖艶さが全体を支配している。メインの女性は加賀演じるユカとユカの母親しか出てこないため、ユカと男達という構図がはっきりと浮かぶ。

ユカは物事を真っ直ぐにしか捉えられない
タイプ(今であれば診断名が付くレベル)で、幼い頃にいけないことだと諭されたキスは誰にも許していないし、
パパが実の娘に人形を買っていた時の笑顔(修と一緒に尾行して目撃した)は、自分も同じように人形を買って貰うことで見ることが出来ると思っている。
「男を(肉体的に)喜ばせることが女の生きがい」と言う娼婦上がりの母親の精神性が病的に純粋で未熟な彼女に受け継がれたことで悲劇を招く、、わけだがドライで静かなカメラワークと加賀の豊かな表情演技で見せる彼女の真っ直ぐすぎる感情はなかなかに来るものがあった。
そして修が不憫すぎる(中尾彬若い頃かわいい)

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