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ちゃぶ台の上から#1

引っ越しをした。
前に住んでいたアパートから車で5分ほどの近場だ。

木造平屋の小さな一軒家。

職場も境遇も変わらず、何かを変えたいと思うこともなく、いや、少しはあったのかもしれないけれど。
強いて言えば周囲に気を使わずに、気ままに生活したいと思ったくらいなもので。

新居での生活も2ヶ月ほどが経ち、ある程度落ち着いたところでこの文章を書いている。

前のアパートには10年住んだ。
居心地の良い部屋だったし、光熱費なんかも安く押さえられる物件だった。
けれど長く住むとモノも増えて、住みづらさを感じるようになった。
その住みづらさの中には、家自体に抱える不満とは別の、どことなく淀んだ気持ちも内包されていたようにも思う。
どんな10年を過ごして、そのような心境にたどり着いたのか、あるいはただの気まぐれか、おそらく後者ではあるのだけれど、最初に話すことではないような気がするので、控えておく。

以前から賃貸物件を探していたが、なかなかしっくり来る物件が出てこない。一軒家なら尚更。
しかし、こういうものはタイミングが来るとアッサリと決まってしまうものなのだ。
四角くて小さい、潔い家だと思った。
家の半分は和室。それも、まあ、悪くはない。
内見をして、少し考え、すぐに決めた。
正直、この家がどんな住み心地かということは住んでみないときっと分からない。
もしくは自分の気持ち次第で良くも悪くもなるだろう。

そんなこんなで10年越しの引っ越しを決めたのだ。
古い荷物を捨てて、新しい暮らしをはじめてみたのだ。
さて、これからどうなるか、ワクワク、とまではいかないけれど、ささやかな楽しみを抱えて考える。

まだまだこれから。

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