慢性的な頭痛からおさらばしたいなら(1)
ここでいう頭痛は、なにかの病気(疾患)があって、結果として頭痛が起きているようなもの(二次性頭痛)ではなく、いわゆる慢性頭痛といわれているものについてのお話です。
その前に、一応、頭痛を起こすような病気についてさらっと。基本的には、頭蓋骨内の圧力亢進、頭蓋骨内の組織の破壊(血管が破れるなど)、あるいは化学物質(炎症にかかわる物質)などが痛覚を刺激することで起きています。以下に代表的な例を挙げると、脳腫瘍、脳内出血、クモ膜下出血、高血圧、感染症(風邪、副鼻腔炎など)、その他の内科的病気(肝硬変、食中毒など)など多数ありますけど、こういうものについては、それぞれの専門家(脳神経外科、神経内科、内科、頭痛外来)が詳しく解説しているでしょうから、そちらにおまかせです。
ここからが本論。一般的に頭痛といわれているものは、慢性頭痛ですけど、大きく分類すると片頭痛と緊張性頭痛です。さらに片頭痛に近い特徴があるのですが、より激しい痛みで有名な群発頭痛があります。
この分類は、現代医学といわれる西洋医学(日本や欧米の医学部で教えている医学)の分類です(詳しくは、頭痛分類で検索していただければ、専門サイトが見つかります)。私は、医師ではなくカイロプラクターなので別の視点から、慢性頭痛をみています。頭痛を引き起こす要因を4段階に便宜的に分けて、どの要因がどのくらいの割合で、その患者さんの頭痛に影響を与えているかを常に念頭に置いています。4要因とは、頸椎性、筋緊張性、自律神経性、免疫性で、つねにこの順番というわけではないのですが、わかりやすい典型的な例を以下に、挙げておきます。
頸椎に歪みが生じることで頸椎から出る神経に牽引がかかり、神経痛、関連痛を引き起こし(頸椎性要因)、その結果、頸部の筋肉に過剰な緊張が生じ、頸部を通る血管を圧迫し、神経に圧力が掛かり、頸部から頭蓋骨にかけての筋に痛みを誘発し、血管に拍動痛を引き起こし(筋緊張性要因)、頭蓋内にうっ血をおこすことで頭蓋内圧を上昇させ、脳内の自律神経にかかわる部位(脳幹、視床下部などなど)に、歪力が加わり、局所の酸欠を誘発し、自律神経による正常なコントロールが低下し、脳血管に過剰な収縮とリバウンドとしての拡張が生じ、痛みを誘発(自律神経要因)するという負の連鎖が起きるのが一般的です。さらに、自律神経は免疫系とも深い関係(脳機能上、情動、ホルモンと深い関係があり、その結果、免疫にも影響を与えます)があるので、自律神経の乱れが長期化すると、免疫にも異常(免疫要因)が生じます。
以上が、慢性頭痛の私が考える要因(原因)ですが、次回に、各要因についての詳細について話すことにします。