朝か、夜か、

12月4日(火) 5:54

寒さに身をかがめ猫背気味に歩く。

今は朝か、夜か、あるいは中間地点か。中間などと都合のいい説明が通用しないならば今は間違いなく夜である。本日は自律神経の乱れ、をたすき掛けにした店員がコンビニでレジ打ちしている。間違いなく夜だ。雑居ビルの入り口で次のアルコールを求め細い男女が笑っている。間違いなく夜だ。タクシーはアホみたいに口を開け、夢の世界に送り届ける客を待っている。間違いなく夜だ。

駅徒歩2分が売りの高層マンションの下。横付けされたゴミ収集車に、住民の生活感を嗅ぎとる。ベンチコートを着て軒先きで震えていた足だけは隠さない若い女が家路に着くのとともに、夜に隠していた生活の爪痕を作業員は懸命に隠す。

臭いは夜の闇に消え、寺の鐘が朝を告げる午前6:00
ここは明確な定義を持たない並行世界。
1人だけ爪弾きにされた孤独感と、明るさが連れてくる高揚感が両立している。

百薬の長を体内で毒にかえるあの娘には夜。寿命を売っぱらってでも長く眠りたかった僕には朝。

夜と朝が混在する並行世界。ただの寒さは混在する男女を孤独に包む。

#エッセイ #日記 #note #冬 #寒い

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